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[安倍のすぐ傍で、白藤の遺骸を見れば、少しだけ指先を打ちに握りこんで。
本当に少しの邂逅しかなかった人物だが、それでも見知る人間がこのような姿になることは辛く、瞳はひどく揺れて、揺れて]
[自分も薬師に習い、白藤の骸に目を落とす。]
法師殿。
[其方も見ずに声を掛け、淡々と]
あなたの名、伺った筈だが憶えておらぬ。
たしか、花山院殿の弟とお聞きしたが。
[問うた後、冷気漂う眼差しで流し見た。]
[汐が翡翠を受け取ったことに安堵したのか、瞠目。
おとこは水晶の数珠をかかげる──。]
・・汐どのは。
清らにもなりすぎず、穢れすぎもなさらぬが良い。
[ぴちゃぁあああん] [法師の傍で水音が響いた。]
[おとこの周囲には、足元の血だまりが反射したかのように、うすあかい靄があがる。]
[続くおとこの声は、経文を唱えるがごどき、低い響き]
呪われた貴族──大殿ひとりが死んでも、
首だけに成り果てた蟲毒の犬のいだいた怨みは果てず
中将を喰ろうても 人食いの飢えは癒えず
恋敵をとり殺しても 恋情はやまず きつねのこころは曇り澱み降り積もるばかり
[>>183 首を傾ける、おとこの顔には薄い笑み。
わずかにあがった眉は、影居の言葉を侮る響きがこもる。]
──大殿の死の直なる原因をなった者など、突き止めても何にもなりはせず。
大方は、凶星なる星にもならぬ──石くれ。
人ひとりの怨みは、最初は小さく弱い。
怨は、集めかたまり、煮え滾り、こごり──禍つ星とならん。
[おとこの姿が、ゆぅらり ゆらり 水面に映る墨色の影ようにゆれた──。]
それでも。
おれは表向きに「六条院の養女」でも、実際はそうじゃない。殿上人とただの盗賊だ。
橘の中将が死んで、おれは、若君様の代わりに仇をとろうと、六条院を出たんだ。
そして昨日の晩、若君様はいなくなった。浚われたのならば、仕方の無いことだと思う。けれどそうじゃなくて。
自分の意志でそうしてるのだと知って、わからなくなった。
はじめは、あんたの主だけが憎いのだと思った。
そうじゃなくて。今は二人ともが、許せない。
俺の勝手な気持ちだけどね。憎しみなんて何も生まれない。だから、誰かを憎むなんてしたくは無かった。
自分の勝手な思い込みで、誰かを憎むなんてなおさら、そんなのは自分が醜いだけなのはわかってる。
だけど。だけどさ。
[言葉を切って。遠くを見つめて。そこに浮かぶのは何時か見たはずの幻の庭。それがどこにあるのか判らぬまま、京は去れなかった]
[無惨な白藤の骸、
以前ならばおとこは若宮の目を塞ぎ、決して近付けなかっただろう。
が、今は。
敢えてそれを若宮に見せた。
己等が直面している現実を思い知らせる為に。]
[ぎゅう、と。袖のうち、手が強く握りこまれる。
無残な遺骸。
しかしこれは彼の言っていたことの一端なのだと。
脳裏をよぎる中将の遺骸と少しだけ重なって唇を少しかんだ]
……どちらも厭だな。
鬼になるのも辛いだろう。
死んでしまうのを見るのは嫌だ。
……むちゃくちゃだな。
[自嘲を漏らす。
翡翠を受け取るのを見て瞑目し]
……守ってくれりゃいいんだが。
おれのかわりに。
自分の身を守らなんだ翡翠が他人を守るのか?
それならお前はあの翡翠のせいで死んだのかもな。
今お前に触れたのを後悔した。また浮世に未練を残しそうだ。
知らんでもいいものを知ってしまいそうでな。
京のみやこそのものが、ひとつの蠱なのだ。
多くの恨み憎しみ怒り哀しみを、
ひとつの器に盛った、
世にも巨きなる蠱……
御霊を怖れ、来たりしものを押し止めんとして護りを固め都を閉ざす、
然れども、それ故に気は澱み、穢れは常世へ流れて往かぬ、
だから、祓っても祓っても怪異は消えず、
世に怨みの尽きることは無い──
京の町でもさ、京の外でもさ。
飢えに苦しんで死ぬ子どもがたくさんいるんだ。
おれもその一人になろうとしてた。
それが、貴族の社会はどうだ。
生まれは選べない。若宮はご自分の責すら投げてその想いに生きようとされた。
想いを遂げるのは悪いことじゃないよ。でも。
それで六条院の人たちに裁きが下るのなら、おれは許せない。責務を投げて甘い汁だけ吸おうなんて。
でも、結局は。
おれの勝手で憎んでるだけなんだ。
理想とは違うから、恨んでみただけだ。
[顔を伏せる。自分の思いがもとより届かないことは知っていた。それでも、内を廻る熱さが、想いを掻き立て、傲慢さを増し、いつか形を変えて]
餓鬼だなぁって思うよ。
──いや。
あなたの兄上は知らぬな。
だが、名くらいは知っている。
[水面の如く揺れる姿を怪しと見る様子は無く]
では。
今のあなたは何なのだ。
清らになりすぎず…か。
汚れるつもりはありませぬが。
清らになる事は難しいでしょう…
[己が手を見、其の指を伸ばして。
低く響いた言葉には小さく]
私は。其処まで良い、人間ではないですから、ねぇ…
[緩く顔を上げ法師を見やる。
初めて名を聞いた。
ようやく、名を知った。
しかし。
其の存在を明確に知ったのに。姿は揺れて見えた]
蟲は喰らいあい。更に其の身に宿す毒を強くする…呪いもまた然り…かい?
だがねぇ…私は。この痛みを。殺した者に…ぶつけてやりたい。
[目の前に現れた鳶尾を見上げ]
欲しいもの、ね。
もう。
何が欲しいのかも判らないな。
欲しければ盗って来る、そんな生き方をしてきたけど、あれは、盗れないよ。
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