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『 に く い か 』
『 に く い か 』
『 に く い よ の 』
『 主と添い遂げたいのであろう 式でありながら 』
『 誰にも渡さず 闇の中閉じ込め奪い貪りたいのであろう 』
[藤の匂いは 藤色の靄を伴い 何時しか辺りを覆う]
『 お ぞ ま し い は 』
『 身 分 弁 え ぬ お 前 よ 』
『 嗚 呼 『欲望に』
『身をゆだね』 よ―― 』
[藤色の靄は鳶尾の身を包み込み染み入るように]
[四十を過ぎたの立派なおとこが、喉をそらせて苦しげに喘ぐそのさまを。押さえつけた手のひらで、気管の ふるえを味わうごとく。]
ふふ・・…
兄上は野心家でいらっしゃる。
昔から、お強くもあった──
お強いがゆえに 弱きもののこころが分からぬのでは無いかと。
ああ 今、鳴く狐にも、
少しばかりの好奇の気色を浮かべられましたな。
[首に掛けた手はそのまま、おとこは兄に息が掛かるほど顔を近づけたかと思うと]
…兄さんが…凶星、だったとしても、私には分からないからねぇ。
[ぽつり、と呟けば。白藤の側へと寄り。
其の顔を見つめ]
だとすると。
私は私の好きな様に流れれば良いのかねぇ?
[口元をつり上げれば、銀髪の男に視線を移す]
所で…其方の兄さんは大丈夫…じゃ、無さそうなんだが。
[白い膚のうえの唇は、そよとも動いた風が無いのに
声が──否、声は無い
藤のかおり──否、気付けば藤の色が染み出している
目が眩むようだ
何故か、
白いかおはくっきりと見えるのにそのかおつきは知れぬ]
[おぞましきは]
[奇しくも、心中のことばが染み出しでもしたか
否、これは私の言葉ではない]
────否、添い遂げる?
私はただ、何故か 酷く悔しいと
[途切れ途切れのこの言葉が私のものだ]
[身分も弁えず]
[身をゆだねよ]
[命じられることには弱い────否、これが強いのだ。
いっときでも美しいと、
悪しきにあらずと思うたはあやまりか]
[抗っていた筈の腕にいつしか力はなく]
[きりきりと、音を立てそうなほどに睨み付ける目は藤に霞み]
…なりませぬ。…なりませ…ぬ…。
[頸を押さえるその手が震えます。
重なったこころは恨みよりも、驚きと哀しみに彩られているように思えました。
あぁ、今逝かれる此の方は、人を喰らうような方ではなかろうと。
それだけを覚えて、
白狐は人の姿のまま、くらりと崩折れるのでした。]
[振り向きかけたのを、汐のこえに一度とめて。]
――そいつはお互い様だろう?
[笑みを敷いてしずかな声。
見つめられたのに、首を少しだけ傾けて]
そうだな。
好きなようにすればいいんじゃないかねぇ。
……うらむも。
……祟るも。
それを、祓うも。
[おのれが喪に服したまま、流れているように。
白い狐のおびえる様子、眉を寄せて
改めて背後を向けば、師輔咳き込みふらついていて]
……何を?
[怪訝そうに、聞いた]
[無我が喋っている声ではなく 声は虚空より聞こえているようだった 靄が凝結し誰とも知れぬ顔をつくると霧散し するすると鳶尾の口に滑り込み甘い湿り気で満たす]
[もう片手その指先を伸ばし 鳶尾の喉を柔らかに掴んだ]
[花山院 師輔が、久方ぶりに再会した弟に、その時何を云ったかは分からぬ。
だが、弟は兄より先に門にたどり着き、やはり薄笑みをはいたまま銀狐に変わらずやさしい声をかけたのだった。]
・・…葛木。
きみは、おそろしいのかい?
だいじょうぶ か な。
[くらり][崩れた狐をおとこは白藤の反対側より、膝をついて支える。]
[近く、白藤のそばにある男の目はまた暗く──]
[身分も弁えず、
あさましきと思うたは確かに私のこころだが]
[口内へ忍び行ったものを、反射的に飲み下さんとしたが
喉元を抑えられては、半端なところで息を詰まらせる]
[誰そを]
[問われては他に心に浮かぶもののある筈もなく、]
[その隙へ何かがこころ――否、身のうちか、同じこと
するりと忍び込んだようだ]
[嗚呼、あざけり笑う]
[中将の寝所から出てくるものたちの顔を見れば、そこがどんな状況であるのか、見ずともわかり]
若君様はどうぞこちらに。留まられてくださりませ。
(放っておけばいい。中将がどんな死に様でも、それを若君に見せてやればいい。それがどんな衝撃であろうと、おれには関係のないこと)
[そう思うのに、体はそうではなく、この腕は離すまいと、若宮の自身よりも小さな体を後ろから抱きしめて――]
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