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…あぁ、嗚呼。何方が彼の御方を。
[件の笛を胸に擁き、はらはらと涙を零すのです。]
あの御方へのご恩は、未だ返せて居らぬというのに。
あの御方の笛の音を、未だ聞けておらぬというのに。
──大殿の屋敷・中庭──
[白藤に声を掛けられ、おとこは困ったように色褪せた薄茶の髪を掻いた。]
…いやあ。
検分は、むしろ中将どののお勤めでしょう。
わたしは、ただ。葬儀の手はずを。
血がつながるか繋がらぬかは兎も角、大殿を悼む屋敷の者や、身内のものがおられましょうゆえ。
[身内のものと云ったところで、おとこはおのれの兄を見た。]
──屋敷の外──
[空に星の流れたを、鳶尾が見たわけでは無かった。
ただ、星の引く尾の消えたあと、するすると立ち込める黒雲を見た。
いかにも不穏な雲は、さりとて雨を降らそうとするであなく、頭上に立ち込めては陽を遮り、不吉に影を落として広げる。]
鳴き声…?
[高い鳴き声。
狐の物と分かっていたが、何故こんな所で?
そう思ったのか、辺りを見回してみる。
しかし、其の鳴き声の主は見当たらず…
見えるは空を見上げる白藤の姿]
…?
[同じように空を見上げれば、見えるは二つのほうき星]
お前は、純粋な式らしい。
余分なものが無い。簡素で、しかも力づよい。
お前を生み出した理由は何にせよ、
[と苦笑しつつ一旦開いた眉根は。
すぐさまにまた寄せられた。
邸の塀のすぐ外から響き渡る、狐の鳴声。高く。
その声の方へと顔を向けると、みきり、と音がしそうなほど深く、皺というより溝が眉間に刻まれた。]
…人が悲しみを恨みと為すのは、このような時で御座いましょうか。
[よくして頂いたこと、いやそれだけではありませんでした。
ずっと焦がれていたのです。
あの笛のあるじは、どのような素晴らしい御方なのだろうと。]
[空へ向けていた視線と顔を永漂へと戻し]
……そうですな。
手はずを整えてくださり、ありがとうございます。
屋敷のものも、多少は心が慰められるでしょう。
[少しの間、眼を閉じる。
――次に開いたとき、見えたのは 兄 を見る 弟。
剣呑な、奇妙な空気
そして何よりもあの空が酷く不安にさせる。
星が 落ちる。]
[目が暗い所為で、先刻までは兄の傍にいるかれが汐であることがわからなかった。
おとこはゆっくりと庭を歩いていった。おとこと兄の距離が近づいたゆえに、汐のことも認識する事ができたのだった。]
[そちらへと足を向けたところで、気が付いたように黒白の式に振り返り、]
……来るか?
[端然と座り居る式──未だその名付けられたる名を知らず──に寂びた声を掛けた。]
[影居の厳しさを秘めた横顔は 先(せん)の緩みはなく
鍛え上げた鋼の心 よく研ぎ錬られた刀であった
妖狐の鳴く声に そちらへと顔を向ける]
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