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─都大路─
[貴賎取り混ぜ往来行く人の中でも、とりわけ目立つ橘中将の一行。]
言わんでも分かる。
あんなに目立つのは、あのおとこに決まっている。
[眉間にはやはり縦皺。]
[影秀を仰いでいたところに不意に割り込む鈍い光にさっと顔が蒼くなり。
慌ててその相手を見上げれば見覚えも何もない相手が馬上に居て]
ちょ、ちょっと、あの、待ってください…!
何も、問題は…っ…。
[ここで相手の名前を呼んでいいのかわからず、中将と影秀の間で視線を往復させてひどく慌てて]
あの、頼んだのです、彼に、ここへつれてきてほしい、と。
[ひどく二人に申し訳なさそうに頭を下げて]
若、御気にする事はございませぬ。
こちらの御仁とはお知り合いでございますか。
[とはいえ知らぬものとの対峙。万が一はなさそうだが気は抜けない]
[とりあえず、その落ち着きぶりからやましき様子はなさそうで。
しかし「仕えている」といわれても俄かに信じがたく。
とりあえず刀を納め、宮の手前下馬し]
……お仕えしている者だと?
しかし六条邸でそなたを見たことはない。
そなたも私を知らぬとあれば尚更だ。
[問答しているうちに若宮様から弁解が来る。流石にそれを無視するわけにはいかず、急ぎ宮を助け起こしてから深く礼をとる]
いくらお望みであっても…このような所を供一人、しかも徒歩で歩かれるとは。ご身分をお考え下さい。して、この者は真に宮が使われている者なのですか?
[ようやく目的のものを見つけ]
それって七弦琴にも使える?
そうそう、貴族の手習いとかで使うようなさ。
いいものじゃないと、困るんだけど。
[弦を一式、買っては見たものの、それがいいものであるのかそうではないのか、自分で確かめることが出来ずに歯噛みして。せめてよい弦の条件を聞いて来れば良かったと後悔した]
こちらの方の…顔も素性も、存じ上げているよ。
問題ないよ、大丈夫。
[中将と影秀、どちらもの問いかけに頷いて]
影秀には、確かに身辺警護を任せています、本当です。
…すみません、軽率でした。
あまり…その、目立ちたく、なかったので…。
[だからこそ、このように大騒ぎになってしまったことが余計いたたまれず、あまり大きいとはいえない体を縮めて、その表情は曇り]
このような騒動を見に来た訳では……
中将どのも何ぞあてられて、
気が立っておられるのでしょうか。
[さてどうしたものかとあるじの渋面を伺った]
[すたすたと無造作に一行に近付いていく。
足取りには迷いも遠慮も無い。]
これはこれは橘中将殿──
思いも描けぬ所でお会いするもの。
[慇懃に声を掛け、おざなりに一礼する。]
[屋敷の褥では落ち着かず、狐はやはり河川敷の草むらを枕としていたのです。
ふと目を覚まし頭を上げると、傍らにはなにやら、憔悴しきった烏帽子の男が居るではありませんか。
壮年の…服装からして、身分の高い方と思えました。]
…そなたは?
[寝起きの狐が呆然と声をかけると、その御方は恨みと苦しみに表情を歪め、そして消えてしまうのでした。
後に残るは、あっけにとられたままの、狐一匹。]
[右を重ね、左を重ねた白蝶が、すこしだけ。
ふわりと、暖かくなったような気がして]
…?
[不思議そうに、少しだけ何かの期待をするように瞬きは繰り返され]
―大殿邸―
ん、大殿さまが少しばかり安らかな顔に?
[屋敷のもののうちのひとりにそんなことを聞いた。
白い、極彩色の輪をまとうものが現われた後わずかに、だが たしかに、だそうだ。病に精通しているものがいうのだから信用できるのだろう。]
やはり、形代なのかねぇ……?
あの陰陽師の話に似てるように思うんだ、が。
[顎に手を置いて独りごちる。
都を守るために尽力していた、いつか一度ちらと見えたきりの陰陽師。かれの識なのだろうか。白藤は屋敷のものにこう告げた。]
そいつは識だろう。危害を加えようとしたわけじゃなさそうだ。
むしろ――肩代わりしようとしたかね。
[なんにせよ、尋ねてみねば分からないか。]
(しかし、それにしても主が姿を見せないのはおかしな話だな、
……もうこの世にいない のかもしれないが。)
[買うものも買って、今度はただぶらりと市の中を見て周り]
[見れば道の端で椀をすする男を見つけ]
薬売り、かな。
[置かれた箱へと目を向ける。そして自分の掌を眺め]
[人影が去り、誰も居なくなったあと]
……っ、つ
[白藤は小さく声を漏らした。
眼を閉じて顔を片手で覆い、俯いて柱に凭れかかった。]
―――あぁ……
[薄く眼を開き]
……だめだ、
もたなか、った―――か
[小さく呟く、笑みはなくただ悲しげで、悔しげ。
はらり、と木々に結ばれた白が
薄櫻色に滲んで、やがて濃くなりはなびらのように落ちた。]
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