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[語られる話はどうにもやはり、
根の深い何かの繋がりを感じざるを得ないことであった。
白い識神の話がちらと出たときは、
2度、瞬きをした。
それはもしや。]
……大殿さまの屋敷にて、
そのような姿を見たやもしれませんが。
[周りの花山院ゆかりと思われるものたちが
特に会話に言葉を差し挟まないのは奇妙であったが
どこか疎むような視線を思えば仕方のないことであったのだろうか、記憶についてなどは今の白藤には分からない。]
大殿さまの屋敷に、共に来られますかな?
おれはかまいませんが……。
[――咎めだては、やはりされないようだ。]
くっ・・・・・・
[某は富樫影秀、若宮様の従順な僕]
[忘れた?己を?]
[ならば一体、この富樫影秀なる武士は一体何者だと言うのだ]
[狂うなど、出来るはすがない]
[げらげらげら]
[げらげらげら]
[げらげらげら]
[犬の遠吠えが聞こえた]
[首を切られ]
[地に転がる犬の吼え声が]
─回想─
[左大臣邸、去り際に吐き捨てるようにおとこは中将に囁いた。]
此度の怪異について、天文博士らの方から事前に何の報告も無かったと言うが、ある意味ではそれは当たり前のことなのだ。
怪異の跋扈は今に始まったことではない。
もう遥か以前から凶兆は幾度と無く現われてきた。
今のみやこの有様を見よ。
民草は餓え、死人のみならずまだ生きている病人までが大路に捨てられ、夜盗の類が横行している。
だが、誰も、
……いや。
言っても詮無いことか。
……いいの?
[ちらり、と視線をあげて首をかしげる。
確認するように。
叱られた仔犬のようにも見えた]
うん…そうだね。
壮麗な建築だから、一度間近で見てみたいと思っていたんだ。
[再び歩き出しながら、にこりと微笑んで瞳細める]
ありがと、影秀。
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