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[若宮が退室した後にもう一つ蓬餅を口に咥え]
……あれが、若君様、か。
[手に持った餅を眺める。女房に先ほどの態度についてのお小言を左から右に聞き流し、また餅を一口咬む]
おや…これは失礼をした。
[どうやらこちらの行列に押し出されてしまったのか。
薬箱背負う少年のようなその者へ声をかける]
雨降って商売道具が濡れてはまずかろう。
[人に命じ、傘を一つ]
使うとよい。そしてあまり不躾に人を見つめるのではないな。
中に何かいたのやも知れぬが。
[新米姫君の部屋を辞したあと、簀子を軋ませ少年は自らの領域へと戻る。
ちょうど、すぐ手前ほど。
綿殿まで来たところでふっと視線を空へと持ち上げれば]
…春も近いというのに。
[暗い空。
鈍色の雲は光の加減によって黒にも白にも見え、少しだけ空を見つめて]
…花散らす春雷には、まだ幾分早いというものを…。
[微かにつぶやいて、そのまま自分の部屋へと戻る]
・・・怒っていると思うか。
[先ほど中将と話していた時には、あれでもまだ愛想よく振舞っていた方なのだろう。
式の問いに答える声は素っ気無い。]
…あ……。
[蝶がはらりと、紙に戻る瞬間。
少年の瞳は切なげに揺れる。
確かに声は聞こえたのに、今となっては名残とばかりに残る白に、そっとそれを両の手で包んで大切そうに]
…お待ちしております。
[聞こえないとわかっていても零れる声。
懐に名残をしまって、その足は少しだけ急ぎ足で自らの部屋へと戻る]
もちろん、存分に。
[橘にまた頭を下げ。
不機嫌顔で去っていく影居と式神のおとこを見、
ちいさく息と笑みを零した。
その先、道を開ける薬売りらしき姿も視界に入れる。
橘が傘を差し出す様子を見るともなしに見て]
……物好きの多いことだ。
ああ、それともその筋かねぇ?
[そらから戻った、
尾の先を薄櫻に染めた式神を肩に乗せ、その羽を撫ぜる。
注意を促した白藤自身は、さして雨を気にするでもない。]
・・・おや、
[おとこは、盲目と云うほどではないのだが、昼間の光が堪えるほどに目が暗い。
幼い頃に見た景色は鮮明であったのだから、徐々に目は暗くなったのであろうが。暗いはずのおのれの目に、目の前に立つ相手──無我の姿が、ぼうと淡い光を帯びたように映ることが、不可解であったらしい。]
[幾何学模様の光の波紋が おとこの前に浮かんでは 消えた]
[気がつくと 無我の手がおとこの手に触れていた。つるりとした陶器のような感触──。手触りの所為か、おとこ自身が知らず死の側に在った所為か、触れたそれが、ひどく冷たいもののように感じられた。]
つめたい。
い、いえ、その様な事は…
[役人に声を掛けられれば慌てた様に。
しかし、傘を持つ者を見やれば、少し迷い]
…ありがたく、頂戴いたします。
[深々と頭を下げる。
その上、続く言葉に顔を上げることが出来ず]
す、すみません…と、鳥が。
白い、鳥が…居た、ものですから。
[空を見たときに見えた鳥。
真っ先に思いついたことを口にする。
顔を伏せ、男の言葉を待った]
くだらん。
この邸の妖異、祓う祓わぬという類のものではない。
出来うるなら、あのおとこに任せて家で書でも読んでいたい位だ。
[不機嫌そうに吐き捨てた。]
そのような意地のわるい事を仰らないでください。
[肩越しに言いながら、屋敷を振り向く*]
あやかしの類だけではありませぬ。
ひとも、よからぬ気へと惹かれて参ります故。
誰ぞ供をお付け下さい。
[少年と見えたそのかむろ。しかし様子からして己と年も変わらぬ様]
そうか。それはさぞ興味深い白い鳥であったろうな。
あれだけ長い時間見ても見飽きぬとは。それとも鳥やらあの屋敷から何かを感じたか?
[これでも武人、気配を感ずるのは当然で。慌てる様に少し相好崩し]
緊張せずともよいわ。所でその方、薬氏か?
いづくの薬を取り扱う?
[御簾の向こうから雨の音がきこえ、表情を曇らせる]
厄介な雨だなぁ。
これじゃあ……。
(様子を見に行けないじゃないか)
[雨が降れば足の跡が付く。ごまかすことは可能だが、余り好きではなかった]
夜までに、止むといい。
[残った椿餅を女房に渡すと、自分はまた短冊に向かい、和歌を一つ詠む]
うん、おれにしてはなかなかの出来だな。
[自賛し、短冊は小卓の上に投げたまま御簾の外へと顔を出す]
[羅城門の埃を揺らし 吐息のように放たれた おとこの言葉]
[己(おの)が識を、陰陽師でもなきに見ている事を知らず …否。知ったとし、無我が何をしようというのか]
[暫しの間――おとこの背後へ抜けるように目を向け]
[無我はひっそりと身を引くと、羅城門の床へ座りゆっくりと礼を行った]
そのような意地のわるい事を仰らないでください。
[肩越しに言いながら、屋敷を*振り向く*]
あやかしの類だけではありませぬ。
ひとも、よからぬ気へと惹かれて参ります故。
くだらぬことであれど、誰ぞ供をお付け下さい。
それに、あのような素性も知れぬものが
大手を振ってあるくというのも、捨て置いて宜しいものでしょうか。
[部屋まで戻ってくれば、少しだけ疲れた様子で黒の衣を脱ぎ落として淡い若草色の衣に替える。
甘い濃い色目を好まぬ少年には黒は少し気分を難儀にさせるものだったようで、大きなため息が思わず零れた]
…少し、疲れた。
しばらく、独りにしてくれるかな?
[傍仕えのものたちに慣れた様子で告げれば、気に入りの侍従香を控えめに燻らせる。
そう間をおかずして、少年の部屋からは七弦琴の音色がぽつりぽつりと響き始めた。
それは、まるで不穏な空気を慰めようとするかのように、清浄な響きを*併せ持って*]
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