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[やがて、ある屋敷の前を通り過ぎ。
…否。通り過ぎようとしていた。
しかし、其の足は立ち止まり、目は門よりも奥へと向け]
役人…検非違使?
物々しいことだ、な。
[目を細める。
見聞をしている姿、話をしている姿…
じぃ、と見ている]
…重い。
[ぽつり。呟く言葉は屋敷より感じる空気の事か]
[甘いものは、と聞かれしばし考え込んでいたが]
贈り物などもらえるような身分でもありませんのに。
お心遣い、なんとお礼申し上げてよいか。
わたくしに持ってきていただいたものでしたら、受け取らない理由などありませぬ。
[女房に目配せをすると、受け取るように指示を出す]
[二人の意味ありげなやりとりは陰陽師たる故か、と特に深くは聞きたださぬ。しかし影居より勘も当たるといわれると]
…まぁよい。この屋敷もその「祟り」というものなればこの取り調べは陰陽寮を主に進めた方がよいのかもしれぬな。
管轄において全くの無関心という訳には参らぬが。何かあればこちらも動けるよう準備はしよう。
[回りからは陰陽寮、検非違使の検分役が戻ってくる。影居と自身に対して何やら報告を]
有難いことですな。
[野次馬は途切れることはないが、
検非違使やら陰陽寮やらの役人が居る今は気後れするものも多い様子。
その中で、ひとり眼を逸らさず見ている者が居る。
流れの薬売りだろうか。]
――おもしろきを求める、か?
[ちらと見遣り、呟いた。が、すぐ逸らしてしまう。]
[返ってきた言葉に、目元緩ませ微笑み]
いえ、自分で食べたくて、使いのものに頼んで用意してもらったのです。
どちらかといえば、お土産というよりも、お裾分け、でしょうか。
[包みを開ければ仮にも親王が手にするにはあまりに簡素な笹の包み。
開ければ現れる、蓬餅と椿餅]
……弥君様のお口に合えば、よいのですけれど。
[女房に預けたあとの少年の瞳には少しだけ不安げな気配もあり]
[緩く。しかし、しっかりと。
其の目は様子を見ていた。
…やがて、一人の男と目があった]
…
[細めていた目を戻す。
既に、彼方の目は此方を見ては居ない]
見過ぎた、か?
[ぽつり呟くも。咎められる気配は無いと感じたのか、また目を細め。
今度は其の男の周りを見るように。目が合えば逸らせるように]
気になる。が…
はて。この屋敷の気の方が気になるのか。
それとも。あの男の方が気になるか…
……この場へ引き寄せられてか、
既にあやしのものなども集いつつあるようです。
先ほども……
[検分役の報告へそっと付け加えるようにして、ようよう口を開いた。]
[女房から餅を受け取り、口に運ぶ。蓬の風味が鼻腔につき、餡の甘さが口に広がる。一口食べたところで]
なんて、甘い――。
[ここに着てから、幾度と甘いものも食べたが、上品過ぎて口には余りあわず]
ありがとうございます、若君様。
明日にでも、わたくしの方から御礼をお持ちいたしましょう。
[蓬餅の味は、舌に馴染んだ味で、扇子の裏で美味しそうに残りを口に運んだ]
[おとこの髪は色あせたように薄茶のいろに濁り、痩せた身体を覆う墨染の法衣はところどころ破れている。]
なれぬ車に乗せられ ゆうらり ゆらり
久方ぶりの京の都へ
・・・不思議なものだ。
数年前の記憶すら無いのに、この場所のことをわたしは覚えている。
[「兄」であるはずのおとこから送られた文と、迎えに寄越された仰々しい車。車になかば強引に押し込まれ、都へ向かう道中、ゆれる車蓋に頭をぶつけたことを思い出して、唇の端を歪め、おとこは呟いた。]
[ぐしゃり]
[無造作に伸ばした、長く色の悪い腕が押しつぶしたものは、ひとの頭蓋だった。おとこのゆびさきに、誰の物とも知れぬ毛髪が絡んだ────そう、おとこが寝転んでいるその場所は、]
──羅生門・内部──
[その場所は なつかしいにおいで満ちていた。]
人が集まってきたな。ではこちらも早々に引くか。
検非違使から出す検分の報告書をそちらの所感と合わせ近衛府まで提出願いたい。結果により今後を検討しようと思う。
影居殿はよろしいか?
そして陰陽師よ。そなた名を聞いておこう。また会うやもしれぬ。
私は近衛中条橘智鷹じゃ。
鳶尾──
[振り返らずに後ろに声を掛けた後、
改めて中将に頭を垂れ、]
中将殿。
この者は私の召し使う従者にて、この後色々と御前に姿を見せることもあるやも知れませぬ。
その折はよしなに──
[少しだけ神妙な面持ちで蓬餅が口に運ばれるのを見ていた瞳が、少女の評価がよいものだったものだからやっと微笑みに変わる]
…よかった。
お口にあったようですね、安心いたしました。
[初めて聞いた気もする感謝の言葉に、少し照れて、そして慌てた様子で両の手を宙にもたつかせて]
あ、い、いえ!
喜んでいただけたのなら、何よりなのですから。
弥君様の、そのお心だけで、その、十分、です。
[頬の上、一足早い僅かな春の色]
にびいろの空は 湿り気を帯び
まるで夜のような黒色をまじらせます
屋形を覆う不吉なかげに 空がさそわれたかのごとく
ぽつり
一滴だけ 雨が──
[薬師はまだ此方を見ていた。
呪いや怪異はひとを呼ぶのであろうか。
むしろ、呼ぶこともまたひとつの呪いではなかろうか。
そのようなことを思う。]
これは、御丁寧に。
おれは――白藤。
[恭しく礼をする。]
呪いに関わるなれば、またお会いすることもございましょうな。
[やはり、笑み浮かべたまま。]
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