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なんだ。お主……わしの物語を聞きたいだと?
名のある英雄の物語を聞いてどうする。琵琶法師のように歌うか。
それとも知る事自体が望みか。
[平家物語は、あれは美しい話だった。古代の武士は美しかった。八相の構えのままセイバーは男を見据える。その唇が不意に歪んだ]
ふふ……ははは。はははは……ははは、はは。
ははは、ははははっ……
[堪え切れず、急に笑い始める。それは、今までの物憂げな様子とは一線を画するかのようなものだった。その眼に光が宿り、生気が漲る様子さえうかがい知れよう。]
知ったとて、わしにはお主が望むような武勲も栄誉もないよ。
わしには、何も、な……!
[その言葉とともに、笑みすら浮かべたまま、真っ向から男に向けて太刀を振り下ろした]
弓兵風情が近接の真似事とはな……。
あるいは貴様が弓というのは嘘という事だな。
[ノミを構える相手サーヴァント。
そんな弓使いがいる等とはにわかには信じられなかった。]
性分だ。
[きっぱりと答え。>>432]
使い慣れたものが最良の道具だ。
戦いは剣と鎧だけでするものか?
[構えた姿を睨む。ランサーという割に機敏さは感じられない。速度が同等ならば戦いようはあろう。挑発するように言葉を返した。]
・・・・・・無口なのだな、王子様は。
[パピーは、傍らのヘイズレクにそう声をかける。
口数が少ないだけでなく、1人で騒いでいるパピーを見る目もどこか沈んでいる気はした。]
思春期だし、悶々と悩む事が色々あるわけか。
[そこまで言った時に、ふと何か未知なる情報が頭を満たすのを感じた。]
ミケランジェロ親方の雑学講座:
Archer(弓矢使い)とは、archのer形である。
では、archとはなんだ?
そりゃ弓だよ。当然だろう。
弓状のもの、弓なりのもの、という意味合いも強いか。
じゃあ、Arch-BishopとかArch-Angelという言葉に覚えはあるか?
Arch-Bishopは大司教。Arch-Angelは大天使。
ああ、そうだ。
archには最上の、至高の、といった意味合いもある。
ミケランジェロは至高の芸術家。だから、Archerだ。
それでいいだろ納得しろよ。
何だ?辰?何かしたのか・・・・・・?
え、してない?
何だこれ?塔の2F?
・・・・・・へえ、面白そうだな、試してみるか。
[パピーは、塔の2Fへ跳躍するイメージを浮かべてみた。]
ところでarchは接尾語として使うと君主とか支配者って意味になるんだってよ。
それと…
『〜の原点を持つ』という意味合いもあるんだとか。
ああ。
そういえばどこかの金ぴかで高慢ちきな王様も、特に弓兵でもないのにArcherじゃなかったかな。
[無闇に重々しい教会の扉が閉まる。
誰もいない教会は、無闇に静かだ。]
まったく、NPCだなんて。
―――言い得て妙よね。
[くすり、笑う。]
でも、プレイヤー以外の人たちにも、生活があって、思いがあって、それぞれに生きている―――
そんなゲームも、なかなか面白いと思うわよ。
が、が、餓鬼ぃーーーー!
[汚い言葉を投げかけられ、こんなのが正しいマスターのはずはない・・・と、書き留めた言葉の上をペンでぐちゃぐちゃに塗りつぶす。]
礼儀も知らないおじさんに、餓鬼とか呼ばれる筋合い無いからねっ!!
[投げられた視線に大きく「あっかんべー!!」をして見せた・・・(餓鬼の証明]
―塔の2F・空中―
[イメージしたとたん、空中へ放り出されてパピーは慌てふためいた。]
うお?空ぁ?!
[眼下にある廃墟ビル群へと落下しながら、慌てて羽根を広げ、滑空する。]
しかも、何これ、すっごい!すっごい魔力を感じる!
[どこかでサーヴァントたちが戦っているらしい。]
――――嗚呼。重ね重ね非礼を詫びよう。
貴君の言うことは尤もだ。
必要なものは、己が篭める魂の重さであったな。
[――間接に沿って曲げられた鎧は、軋みの音さえも生む。
纏うは砂塵。
過ぎようとする風を巻き込みながら、ランサーの周囲に渦を巻き。]
行くぞ。
――――――アーチャー
[――鈍重であるはずの男の体が、残像を残して消え失せた。
大気を切り裂くかのような疾駆。
回り込むは女の側面。
手にした槍を、腕ごと胴を薙ぐように払った。]
やれやれ、そういうのがお子様だというのだ。
[あまりにも解り易いその幼い反応。
演技ではないかと疑いの視線を送る。
しかし、どう見ても素にしか見えなかった。]
はぁ、餓鬼故に人の年齢がわからないのか、
それとも語彙がそれだけしかないのかね。
[どちらにしてもその幼い対応にため息を一つ。]
―2F廃墟ビル街屋上―
……それが、私のねがいだからね。
[>>437琵琶法師とはなんだろうか、
「あら、耳なし…なんだったかしら?」
とぼけた風に主は謂う。
サーヴァントとは対照的に、望月玲は無骨な武人には興味がないようだ。
興味は少女の方にやや注がれている様子。
「きれいなものがすきなのよ」
そんな風に、褥で語っていたのを思い出す。
思考を遮るは男の笑い声、
割り開くように空気を響かせた。
びりりと肌に震えが走る。金萌葱の眸を微かに瞠った。]
[相手のサーヴァントらしき男が構えたのは、リュートに似ていた。
自然、目が惹き寄せられる。
音楽に関係ある英霊なのだろうか。いや、物語を知りたいとも言っていた。ならば何かの伝承の語り部だろうか。
ほとんど顔を出していないとはいえ、魔術協会での専攻は伝承科。相手が詩の紡ぎ手なら、知らない方がおかしい。
巻き込まれない位置に移動しながら、その英霊を観察する**]
―2F廃墟ビル街屋上―
――さあ、それを判断するのは
私自身なのでね…。だから……!
[貴方を知りたい、――その剣で。
提げた楽器をかき鳴らす。
形よい唇が歌を紡いだ。古い言葉――昔々、中世フランス北部で使われていたフランシア語の柔らかな響きが旋律に乗る。それは遠くまで響く、甘い、甘い歌声、交差する太刀筋、刹那>>438。
銀の閃きがぶつかり、高く吼えた。
クレティアンの目の前、
もうひとり、騎士が現れたのだ。
彼は、鬣も勇壮な獅子を引き連れていた。]
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