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……
[かの灰色の大英雄をマロンに繋げていいのかなと思ったが、逆に言えばそこ以外は大体合っているので
口を挟まないことにした。
神妙な顔で。]
−教会の近く−
[体が疼く。魔力回路が熱を帯びている。]
・・・・・・くっ。
[やっとここまで来たはいいが、体がだるい。
意識も朦朧としているし、視界も血のような赤に染まっている。
脳が脈を打っている。
体内の魔力が暴走している。
アサシンへと供給するのとはまったく関係ない、魔力の奔流。
それが、何処か知らない場所へと流れて行く。]
誰か・・・・・・助けて・・・・・・。
[僕は何度か考えた。
過去の僕は、何も気がつかなかったままだったのかと。
もしかしたら、今の僕ほどではないにしろ気がつき苦しんだのではないかと。
であれば、過去の僕は自害という選択肢を見出したことがなかったのか。
もしそうであれば、アサシンはもっと僕に警戒していてもおかしくはない筈。]
[簡単な話だ。
聖杯戦争が終盤に向かうと、僕は毎回こうなった。
自力で歩くのもままならない、そんな僕が自らの命を奪うことなど出来たのかと。
それだけじゃない、僕は少しずつおかしくなっている。
そう、感情が、薄らいで行っている、気がする。]
ああ……リリン、分かるぞ。
マロンは女子だが真に高潔な人物だ…
楠木殿のように真の武士であることよな…
[リリンの言葉にいちいちもっともにうなづいている]
[教会目前で倒れこむ。
声を出す力もないし、体を起こす気力もない。
このままでは、聖杯の核になってしまう。
助けて。 助けて。
でも、助かったら。]
―――、
[はっ。]
あ、はい。
どうもね。
元気してた?
[あのね、私、提案があるんだけど。
「ツッコミ」っていう職種の人、雇った方がいいわよ。
という言葉をぐっと飲み込んだ。]
シェムハザのマスターがシリアスへ戻そうとしている。
頑張れシェムハザのマスター。
負けるなシェムハザのマスター。
僕は・・・・・・このループから・・・・・・抜け出せるの・・・・・・?
[地面に突っ伏したまま、空ろな眼差しで教会を見つめ。
そして、僅かに動く手は教会へと伸ばされていた。]
ところでこれ、何?
今放送してるの?
いつのアニメ?
ひょっとしてリアルタイム?
なんでこの「町」でそんなの放送してるの?
[まじで?]
…りあるたいむ?
[疑問符を連打する素子の言葉にこちらも頭に???が続く。]
みちるが…
これを見ないとみちるの一週間が終らないと言っていました。
言葉から推測するに、
毎週この物語がテレビで放送されているのだと…
―――…、…。
[だから食い入るようにして見ていたとは続けない。
みちるが死んで/殺してしまったから、彼女の週の終りを自分が肩代わりしようとしていた、とは。]
まずいぞ。リリンが華麗にシェムハザのマスターをなかったことにするつもりだ。このままではボケに混ざれない憤りがシェムハザの乱入という形を伴って顕現しかねない。
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