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[膨大な魔力の砲撃へと、身体が飲み込まれる直後。
――ぱきん、と。
魔力のパスが、欠けて
断たれる感覚。]
、ー…
[音にならぬまま。はく、と口唇が僅かに動く。
本来のマスターである男との繋がりは、
赤竜に埋められた核である結晶。
それが失われれば、魔力を断たれたも同じ。
狂化の身では、持ちうる魔力も直ぐさま枯渇し現界し続ける事は敵わない。
しかし何より、
令呪の宿ったそれが屠られたということは
アサシンの手の内から 逃れたと言う事でもあり]
[――放たれた勢いのまま、流星の如く突き立つ穂先は、
狂気に囚われし王子の黒翼を以って阻まれる。
だが――触れた直後、蒼炎はそれすらも貫かんと勢いを増した。]
民を省みぬ王が――――どこに在る――!!
[一歩届かない。一つ届かない。
黒翼を貫き、狂気に囚われし王たる者を穿ちながらも――止まらない。
噛み付いた狼に、王子たる者は不敬の罪をその剣を以って断罪し――]
くっ、―――――
―――――!!
[睨み合う眼前のいろなき瞳に反射して映るは、魔力の気配。
――背後より膨れ上がる創造の魔力は、紛れも無く――、>>390]
堕とせ、キャスター――――!!!
[右腕の徒手空拳を以って、狂乱の王子の背に触れ、キャスターの気配在る方角――背後へと押し出す。
ランサーはそのまま流れに逆らわず、
すれ違うようにして、更に先へと通り過ぎた。
――更にもう一つの英霊の宝具の気配も、替わるように湧き上がり>>395]
[この聖杯戦争において、これ以上の規模の戦闘はもうないだろう。
余波の衝撃に身を持っていかれそうになりながら、その光景を目に灼き付ける。
魂の輝きを。
信念の煌めきを。
戦いの激しさを。
悪意のおぞましさすらも。
片時も見逃さぬよう、目を見開いていた]
[その魔力に焼き尽くされるのと――
その身の消滅と、どちらが先か。
飲み込まれ、溶けるように。
少年の身体は世界から失せた。
目標へと着弾した魔力の塊が、激しい閃光と共に飛散して後。
残されたのは黒色の羽が一枚。
土埃が晴れ、荒れた地の上にはらりと落ちる。**]
[――民を省みぬ王が何処に在る。>>397
咆哮劈き、星が走った爆ぜる、爆ぜる、空を焼く。
夜の闇など払拭して、今宵神話が花開く。
閃く白刃に、その身を焼かれながら>>396 ふ、っと。
糸の切れたような
気配が過ぎる。]
――… 王子!!!
[>>386 パピー、と。
ヒイラギの声が耳を打った気がした刹那。
詩人は腕を伸ばして駆け出した。]
令呪まで使って落とせないわけが無かろう。
私のサーヴァントとして当然だ。
[決着は付いた己のサーヴァント達の勝利という形を残して。
代償は大きいが前に進めたのは間違いが無いだろう。
その結末を満足そうに見守っていた**]
[槍より蒼炎が潰えると同時。
夜に舞いし王たる者の気配が、より強大な奔流の中に溶けていく。]
―――――……。
[背を向けていたがゆえに。その最期を見届けること叶わず。
されど、――――一片、たゆたう残滓は、羽の如き粒を残し>>400]
――どこの王族であったかは分からないが。
言葉を交わせなかったこと。……残念に思う。
[呟き、ランサーもまた、夜の大地へと落ちていった。
――刹那睨いだ天に、
果たしてもう片方の黒翼の気配は、*あったかどうか――*。]
[はた、、、と、空を仰ぐと、王子に向かって流れる流星のような煌めきが一つ、二つ…
大きな魔力の塊がぶつかり…王子の体を飲み込む。
最後に花火が塵落ちたような、微かな赤い光が糸を引いて…消えた。
――それが何を意味するか…
英霊達の戦いの終わりを告げたのか…周りは静けさを取り戻していた…
そして僕は…植え込みの中、肩を振るわせ涙を堪えるように膝を抱いていた**]
くそ、バーサーカーめ・・・・・・・とんだ無駄死にだったな。
[眼下を一瞥し、ブライが病院へと退避するのを見届け。
アサシンもまた、遠くの空へと飛び去って行った**]
[光、のなか――失せる。輝きが失せる。
気配が、失せる。
誇りを踏みにじられて、
己の意思を捻じ曲げられて、
異形の姿にまで、変えられて。
――はらり、落ちるは黒い欠片。否、羽、か。>>400 ]
こん 、な ものが 、……っ!!!
[乾いた土に落ちる羽を、
吟遊詩人の物語――騎士ペルスヴァルの槍が大地に縫いとめるように貫いた。
クレティアンは、理想を謳う吟遊詩人だった。
たとえ現実が、叶わぬものだったとしても。
在るべき姿を。
己の光を―― だから。]
[こんな理想を踏みにじるようなことを、
どうして許せようか。
詩人はこめかみから血を流しながら。
虚空を、にらみつけた**]
[バーサーカーと話す事も叶わず、こうして最大の宝具をもって撃つ事になるなんて思ってもなかった。
甘い、そう言ったアサシンは上空に消えて。
やがて男の足元の地図は光が霧散するように消えて、龍脈は正しい流れに戻る。
全てが終わり、羽が一枚地に落ちる。
遅れて左腕の痛みを感じながら、その黒羽が顕現した騎士により貫かれるのを見た。]
あなたがいなければ、……
確実に倒されていたのは私でした。
感謝致します。
[ぺこ、と、吟遊詩人へ頭を下げる。
それから、遅れてやってきたセイバーにも軽く頭を下げ、
ランサーへとついで顔を向ける。]
[追うように、ランサーのマスターの方を見ると頭を下げる。
そして最後に足を運び、自身のマスターの前に。]
みちる。
[ようやく会えた。その嬉しさもある。
そして、彼女はいつも最善と思う場所で大切な願い事を、令呪を使用してくれる。]
……、っ みちる。
[伸ばす腕は気づけばボロボロで、服もあちこち破れていた。
それでもその腕でみちるの小さな身体を抱きしめようとする。]
私はあなたのサーヴァントとして
あなたを誇りに思います。
だからどうか、もう、こんなことは、やめてください。
身体が引き裂かれるみたいでした。
……、一緒に帰りましょう。
[幼女を抱きしめようとしている中年男性の姿。他の人からどう見えているか、それを考える余裕はもちろんなかった。**]
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