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[少し、状況に石を投げ入れてみるか。
片翼の青年に、隠された意図があるなら、他チームがつつきまわすことで何か見えてくるかもしれない。
パピーはそう考える。]
こいつは、片翼から言われた事なんだが、聖杯で願いをかなえると、町と住人は吸い尽くされ、消滅するらしい。
だが、聖杯を破壊するとあふれた魔力で、住人はこの町から解放されるそうだ。
だから、自分は聖杯の破壊を目的にしていると。
まあ、言ってる事が全部本当とは限らないんだけどな
[自分達が協力を頼まれた事は黙っておく。]
いや、それ聞いて考えちまったよ、俺。
自分の願いは、町の住人全員の命に見合うものかってな
[最後のつけたしは、パピー自身のささやかな揺さぶりである。
意志の弱いマスターがいるなら、そこで揺れてくれるかもしれない、と言う色気はあった。]
−中央ブロック・上空−
・・・・・・なれ合いは、関心しないなあ。
[隠密行動によってその気配を消しながら、片翼の堕天使は上空から彼らの行動を見つめていた。]
―2F―
[戦いの中心には、先頃まで共に在った彫刻家と――眼鏡の男。
彫刻家の作り上げたらしき石の兵士と
風変わりな重なる輪がしのぎを削る。]
……見事な、ものだ
[あてられたか――少しだけ、眩暈がする。
狙われればきっとひとたまりもない。
風の前の塵よりも]
……―― ふふ
[けれど、吟遊詩人は笑みを浮かべた。
此処は奇跡の戦場だ。
可能性の宝石を拾い上げるつもりではあるが
もし、そうなったとしても。
ただ腐り朽ちるよりも、ずっといい。]
全部で何騎いるかわからないと、聖杯戦争の終わりがいつになるのか、わからないことになってくるな。
[少し考え込むようなそぶり。
尚、かぐやの言動は特に問題視していないようだった。
竜の声が8騎目のサーヴァントのことへ及ぶと、顔を上げる]
消滅するのは仕方ないとしても、聖杯を破壊したら解放されるとか、わけがわからないな。
そもそもこの塔ができた時点で、ここの住人達の生活は現実世界とは切り離されてる。
突然解放されて、元の生活に戻るなんて、ここの住人達はそれを受け入れることができるだろうけど、周りはどうなんだろう。
人が一人消えて戻るのとはわけが違う。
聖杯は奇跡を呼ぶけど、そこまでのことが、可能なのか、許されるのか。
[そうなれば、魔術師という存在が表に出てしまうのではないだろうか、と]
流石。
[呟く。見ればキャスターの周囲に巻き上がる風・風・風。流れを生み出し、うねり、質量で持って押しつぶそうとする石の掌を押し返し、砕き、吹き飛ばす。]
――解った。この生涯の最高傑作をお目にかけよう。
[>>445出し惜しみと言われ。全力を乞われ。ミケランジェロは高らかに右腕を掲げ挙げた。]
魔力を貰うぞ、ラギ。
[高く掲げた右腕は破格の魔力を汲み上げる。
その魔力は絵筆となりて、廃墟の天をひとつのキャンバスとして染め上げていく――。]
……聖杯が破壊されると、住人が解放される?
それ、その片翼が言ったの?
その解放って、まさかこの町から生きて出られるようになるってこと?
この塔に囚われた魂の解放……つまり、ただの死人に戻る、というわけではなくて?
[この町は一度消滅している。ここはその再現だと思っていた。
だからここの住人はみな死人だと、そう思っていた]
―2F―
[ぶつかり合う気配だけでない。
もうひとつ――居る。]
――――……
[何事か呟き眼を伏せたは僅かの間。
変る空気。吟遊詩人の視線は戦場へ――ものがたりへと、注がれる。]
[天に描かれるは創世記。
システィーナ礼拝堂。その天井に描かれたミケランジェロ・ブォナローティ屈指の最高傑作。
三種九面で映される聖書の物語が具現化する。]
[天地創造――光と影が分離し、太陽と月と植物が生まれ、世界は大地と海とに分かれた。神の七日の物語。
光は雷となって迸り、影が漆黒の刃となり奔り、火球が、月光の矢が、弾き出された植物の種子が。そして大地より火山弾、海より飛沫が、その全てが降り注ぐ――。]
[アダムとエヴァ――神がアダムに手を差し伸べ、アダムのあばら骨からエヴァが創られ、そんな二人が禁断の実の味をしり楽園を追放される物語。
悲哀と、後悔と、落胆と。死を待つ人の絶望が重く、重圧となって圧し掛かる――。]
[ノアと洪水――地上の生物と共に方舟に乗り人の子の世へと生き延びたノアの一族の物語。
濁流が、天よりキャスターを飲み込まんと唸りを挙げた――。]
わっ!!
[いきなりだった、親方が声を上げるのと同時にもの凄い勢いで体の中から魔力が奪われて行く…
気丈にも悟られまいと、必死に歯を食いしばり足を踏ん張り、声を出した。]
親方っ!頑張れーーーーーーーーーーーーー!!
[声が届いたかは定かでない。]
そうだと思うけどな。
さて、組んでるわけでもないのに、延々と立ち話ってのも変か。
じゃあ、俺たちはこの辺で失礼するぜ。
[パピーはヘイスレクと共にその場を*はなれる事にした。*]
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