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― 1F西・図書館入り口 ―
――――……
[ガシャリ。ガシャリ。
一歩を踏み出すごとに打ち鳴る鎧の金属音は実に派手であった。
幾ら覇気を失っているとはいえ、周囲に在る住人もさすがに視線を寄せる。だが鎧の男は堂々としていた。アルフレートの尻を前に肩へと担ぎ、無骨な手でゆっくりと、厳かに、図書館の正面扉を開く。]
―――――……。
[濃密な気配。サーヴァントの気配。
ぎろりと周囲を見回すも、図書館ということもあってか人は少なくない。判別はできず――されども、無意識の内に書を畳む男と目が一度合ったか。
鎧の男は、数秒そちらを見つめた後]
……………道を教えてもらいたいのだが。
[受付に話しかけた。]
―南ブロック・ホテル付近―
[急に高まった魔力に、背筋がぞわりとする感触を覚え、バックのふたをそっと開けてみる。]
……何だよ、あれ、何で周りは誰も気にしねぇの。
[周りを行き交う人々は、片翼の青年に目もくれない。
天の地表が存在しないかのごとく歩く人々は、青年もまた認識していないように思えた。]
当主………
[魔術師の家系というものはよく知らない。しかし、少なく見積もっても武家以上にはいろいろとしがらみも多いのだろう、という認識ぐらいはあった。跡目争いなどもあったりするのだろうか。会話を妨げることはしないが、そんな事をぼんやりと窓の外を見ながら考える]
まあ、そういう事はしないが…
[不意打ち自体は構わないなら正々堂々と夜討ちしたり正々堂々と火攻めにしたりするぐらいなら構わないだろうか。
一応選択肢として考慮には入れておこう。セイバーは内心そう思った。]
……この、聖杯戦争は異質だって、昨日会った魔術師が言っていた。
私も、それには同意する。
管理人さんはここの聖杯は他の聖杯戦争と同じようにその役割を果たしてくれるとはいっていたし、私も、それはその通りだろうと思うけど、それだけじゃない、気がするんだ。
[ここの舞台。それから]
さっきのサーヴァント、何のクラスだと思う?
最初キャスターかなと思っていたのだけど、キャスターは別にいたから、ああ、でも。
この聖杯戦争ならキャスターが二人って事もあり得るのかな……。
[ランチに乗っていたハンバーグを切り分けて口に運ぶ]
やあ、こんにちわ。
[まるで彼とバーサーカー達以外の物すべてが時間の流れが狂っているような風景。
ゆらりと動く彼らの合間を、すたすたと近づいてくる。
そして、バーサーカーにあと数メートルという距離で足を止め、そう声をかけた。]
君たちがこの聖杯戦争の参加者であるというのなら、僕は君たちと話をしたい。
どうかな。
[悪意のない笑みをうかべる。だが、その眼光はバーサーカーを捉えている]
――南ブロック 商店街――
忍神町商店街…と。
[アーチ状に掲げられた看板を確認し満足げな笑み。ほら問題なく辿り着いた。]
さて薬屋は、ええと、サ、サトミタ、ダ…。
[片仮名はなんだか読みづらい。手にした紙に書いてある店名を拙く読み上げながら商店街へと足を進めた。]
―中央区→商店街方面―
あまり露骨だと、
お嬢さんが怯えてしまいますよ。
[ >>99>>96吟遊詩人ら一行の視線を受けての各々の反応、詩人は日本の文化を詳しく知らない。貴人に侍るとはいえ、セイバーの思考に辿り着けなかった。今のところは。]
……?はい?
[ 望月の問いかけに、
吟遊詩人ははたと目を瞬かせた。 ]
根源――灰色の君のマスターが
言及していたことですね。
魔術師が拘泥し、求めるもの。
――……楽しい、かどうかは吟遊詩人である私には些か難しい問いですが。そうですね、……誰も見たことのない景色であるならば、心沸き立つのではないでしょうか。
― 西ブロック 図書館入口 ―
[正面の扉から誰かを担いだ状態で堂々と入ってきた鎧姿の男。
間違いなくサーヴァント。しかも、戦士風だ。
片やこちらは一般市民と然程変わらない服装。白黒できめている。]
…………
[そうか、ここまでの違和感は流石に視線を集めるのかと納得した。
本を閉じた状態でついつい見ていれば、男の視線がこちらに向いた。]
――…っ、
[こく、と喉が動く。
口をゆっくり開きかけると、受付の方を向いた。
タイミングが悪かった。]
みちるがいた方が大変でしたかね…
[肩を落として、こちらから一歩、二歩と近付く。
近付く程にサーヴァントだとばれてしまうのだろうけれど、
鎧姿の男の言葉を放っておく事は出来ない性分だ。]
―― 道を、お探しですか?
――…、
[微温湯に浸った水槽の中を唯一人、その“異質”だけが平然と歩み近付いてくるのを、驚愕に榛を僅か見開きながら、どこか茫然と眺めていた。
――時間の概念すら歪んでしまった 感覚。
それはあたかも、彼の周囲だけ別の次元に切り取られたかのような]
[投げられた問いに、はく。と僅かに唇が動く。
零れた空気をぎこちなく飲み込んで、一度ゆっくりと息を吸った。
向けられた鋭い眼光に、榛を僅かに細める。]
…、その問いをしてくると言う事は
君も、この聖杯戦争の参加者という事で――相違無いと考えても?
― 1F西・図書館 ―
[受付が明らかな戸惑いを見せている。だがランサーは堂々としていた。両のまなこで見下ろし、質問が届かなかったのかと再び口を開こうとして、]
む。
[かけられた声――空間に迸る膨大な気配に、振り返った。]
……………そうですな。
『ダイガク』という場所を探しているのだが、…………。
――とは言え、貴君にたずねても栓無きことか。
[一見、この街の住人と溶け込む服装をした男。
だが全身から発される従者気《オーラ》は隠し切れぬもの。
眼鏡の奥。涼やかにも映る瞳をまっすぐと見つめる。]
―南ブロック・ホテル付近―
[近くに令呪の反応は無い。とすれば、これはチャンスなのだろうか、とパピーは考える。
しかし、ここは人通りが多く、目の前のサーヴァントに得体の知れない気配を感じているのも事実だった。
この距離なら、パピーの存在に気づいているのだろうが、口を閉じてヘイズレクへの回答を待った。]
[正々堂々ってなんだっけ?]
この聖杯戦争が異質、か……。
そうね。たしかにあんな塔、事前に調べたどの資料にもなかったわ。
この町も変。三年前に消失したのはいい。けど、なぜそれを再現するする必要があるのかがまず分からない。
というかそもそも、三年前のあれは事故でしょう? 協会に出された報告では、ここでの儀式は失敗したってことになってるはずよ。
それがなぜ今になって、聖杯がここに顕現しようとしているのか―――考え出したらキリがないわ。
[まあ、それでも聖杯は事実ここにあるし、聖杯戦争も機能している。
であるなら問題ない。たとえ聖杯がガラクタでも、戦いにさえ勝ち抜けば武勲を得られるだろう。
さっきのサーバントのことを問われれば、しばし考える。その間に店員が来て、蕎麦を置いていった]
……分からない。
一度戦ったけど、リュートを奏でて騎士を喚び出していた。
わたしはキャスターだと思ったし、あの英霊が他のクラスに適正があるとも思えないけど……そうね、クラスの重複という可能性もあるのかもしれない。
勿論。
僕はアサシンのサーヴァント。
[あっけなく、彼はクラスを口にした]
君は・・・・・・なんて聞いて素直に答えてはくれないだろうね。
一応、僕は今の時点では君に敵意を持っていない。
ただ、この聖杯戦争と聖杯の異質性についての話と、そしてお願いをしにきた。
単刀直入に言うと、僕は僕の願いを君たちが汲んでくれるなら、君たちに全面協力をしようと思っている。
さらに言えば、僕が最終的な勝利者である事にもこだわらない。
悪い話では、ないと思うけど。
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