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― 南ブロック 住宅街、古びた洋館 ―
みちるの幼さで英霊を召喚…
呼ぶことができるのは凄い事です。
[相手の年齢に合わせて言葉を選び直す。
自慢げな表情を浮かべるのに、頷き同意を示す。]
チルチルはこだわりが多いのですね。
[鳥籠に向って舌を出す姿を眺めながら、
冷めはじめたココアにようやく手を伸ばす。
匂いから甘い飲料だとは理解できはしたから、
薄く唇を湿らせるようにひと口飲む。
美味しい。]
……
[母親の話を静かに聞く。
魔術を魔術として教わったわけではないのなら、と思い
本人に話をするのが早いのではと推測する。]
…みちる。
ここはみちるの家ですか?
お母さんはどこに。
ああ、そのような所だ。
[実際にいまだ結論は出ていない。
魔術師として根源を求める気持ち。
それとは別に総てをはっきりさせたい衝動。
その二つに悩む自身は生き方を常に模索していたのだった。]
ふむ、どうやら予期せぬ当たりを引いたようだ。
頼もしい事この上ない。
しかし、貴様のそれは枷とは何をいっている?
主である私に能力を隠すとはどういうつもりだ?
[言葉や考えこそ扱いやすそうではあったが、
能力がまったく見えてこないのであった。
真名の伝承からするに強力な英霊で間違いないが、
能力値だけははっきりとさせておきたかった。]
いくら聖杯戦争の舞台だって言っても、ここは異例ではあるでしょうね。
[サーヴァントにつられて見上げれば、空にはたしかに地表が見えた。
どうなっているのかは分からないが、この聖杯戦争には必要な仕掛けなのか……それとも]
何かの象徴なのかもしれないわね。
[その声に、先ほどまでの苛立ちはない。
昔から怒りが持続しないタイプだった]
ー西ブロック・森林公園外れ、妹尾邸(書斎)ー
[――ごんっ――
分厚い日記が手から滑り落ち、その手は頭を抱えていた]
っつーーーーっ!なんでーーーなんでなのぉーー?
何で僕が戦争に参加しなくちゃいけないのよぉー!
ばあちゃん酷いよー
[日記には聖杯戦争に参加する権限を僕に譲ったこと、
聖杯戦争の在り方、サーヴァントとの関わり方など・・・ets
知りたくもないことが山ほど綴ってあった。
一緒に付いてきたサーヴァントは物珍しげに書斎の書物をアチコチ引っ張り出しては床に放り出していた。
抱えていた頭を持ち上げて睨み付けると]
ちょっとぉ〜!お姉さん、出した本はきちんと直して置いてね。
15人目、兄里ケイのサーヴァント がやってきました。
兄里ケイのサーヴァントは、村人 を希望しました。
―西ブロック・神社の前 >>97 ―
ふむ。良いのではないかや。
地に根付く神の神気は、わらわも嫌いではない。
[兄里ケイの視線の先、からからと笑う十二単の女が居た。年のころは15といったところか]
しかしぬしさま、やはりその血はケイシンの物じゃと思うんじゃがのう。
[「塔」は、虚ろの中にぽっかりと現れた特異点だった。
あまりに特殊過ぎるその場所、あるいはあまりに強大なそのアーティファクトに、種々の権利団体は干渉することができないまま、しかし、その特異点を手中に収めようと戦いを繰り広げている。
その妥協点こそは、「管理人」鳴木素子である。
鳴木素子は「塔」の内部、教会に聖杯の管理者として滞在する。
それは聖杯の管理者が教会の人間であることを示す。
だが、鳴木素子は教会に所属しているシスターではない。
ただ、「塔」に自由に出入りできるだけの一般人である。
それを見出したのは魔術協会で、魔術協会は鳴木素子を魔術師と見なしている。
そうして、鳴木素子はこの「塔」と同じように、特異点となった。]
―北・オフィス街(ホテル)―
体に別たれているとは言え、一つの経路で繋がっている身。
今は馴染んでいないだけで
我が力についてはいずれ視えるようになりましょう。
[首をゴキリと鳴らした。]
しかし、隠しているというのは聊か真実を言い当てておりません。
ただ騙しているだけですので、非常に瑣末なことです。
貴君が気にかけるほどのことでもありませぬ。
[鎧を纏った姿が、霊体化によって薄靄ごと掻き消える。
男がいた場所は沈黙に包まれど、気配は未だそこにあるようだ。]
16人目、望月 玲 がやってきました。
望月 玲は、村人 を希望しました。
−住宅街某所−
[女は先ほどまで性交していた男であったものを見下ろして静かに微笑むと、腹部にずぶりと手をねじ込んだ。
にちゃ。
女は手にした臓物をぺろりと舐めると、もう用は無いとばかりにそれを投げ捨て、血液に塗れた口で召喚の呪文を唱える。]
さあ、お出でなさい。
[ひとつ、この人物について述べておくとすれば。
「塔」に自由に出入りできる、聖杯戦争の参加者以外の人物。
そういう人物を、「一般人」とは、普通は呼ばない。]
すごい?本当?
じゃあ、みちる、まほうのコップみつけられるかなぁ…。
みつけたいなぁ。
[自分に気合を入れるように両の手が小さく拳を作る。
えいえいおー、と暗い部屋の中で拳を突き上げると同じタイミングで
柱時計の振り子がポーン、と音を立て始めた]
でもねえ、チルチルはみちるのお友達だから
みちるはちゃんとチルチルのご飯用意してあげなくちゃなんだよ。
チルチルも、みちるのお友達だから嫌だけどとうもろこしもちょっと食べてくれるもん。
そーいう、あゆみよりがだいじって、ママが教えてくれたの。
ま、些末な事じゃな。よっこいせ、と。
[自分で言っておいて話題を放り投げて、彼女は神社の戸を開けた]
ふむ。……特にほかの輩がすでに縄張りにしていたりはしなさそうじゃの。
[手元では竹筒が、ほのかに光っていた]
[興奮して喋っているうちにココアは冷めていた。
けれどそれは逆にひんやりと喉を潤して、
一度は静かになった口がまた喋り出す]
あっ、ここはねえ、みちるが前に住んでたおうちだよ。
みちるはチルチルといっしょに、パパにないしょでこのおうちにきたんだよー。
…ママは、いなくなっちゃったの。
だから、まほうのコップをさがしにきたの。
パパにないしょでまほうのコップを見つけるんだよ。
そうしたら、まほうでママをみつけて、またおうちが楽しくなるかなぁー、っ、て。
[子供が、子供なりに考えた一番いいこと。
聖杯に頼るにはあまりに稚拙な願いだが、
紗をかけたお伽話は今の少女にとっての一番いいことに違いはないのだ]
象徴………なあ?
[大して興味も惹かれない様子ではあったが、淡々と会話には受け答えをする。ぶらぶらと散策する、一般人が見ればそう言った表現がしっくりくるような素振りだったろう。
象徴という言葉で思い出すのは、錦の御旗だった。あれがあるかないかが戦の勝ち負けを、人の生死を決める。戦は、象徴の奪い合いであった。いつもそうだ]
なら、その意味を考えるのが戦の勝敗につながるんだろうかな。
リーリ…だったか?リリン?ったく…お前の名前は紛らわしいぞ。
[まるで自分には戦の勝敗も関係はない、と言いたげな無気力さでリリンに追従しながらセイバーはそうこぼした。]
うん、だろうね。
……ここは、良い霊場だよ、それはわかる。
本当のものか、よくわからないけどね。
[上を見上げれば、地上が見える。この状況で、果たしてここの霊脈は地上と同じものなのかわからない]
ケイシン、か……。
生きて戻れたら、聞いてみる。
[サーヴァントである少女から何度か聞いた名前。ケイ自身には馴染みのない響きだった。
振り返り見る少女の姿は、自身の姿と比べてひどく動き辛そうだと思う。
黒いシャツに黒いジーンズという簡素な姿は、荷物を少なくする為に選んだものだ。
凹凸の少ない体つきはまるで少年のようではあるが、これでも成人済みである]
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