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キャスター メ???? は肩書きと名前を キャスター メルカトル に変更しました。
[ふうふうと、自分のカップに息を吹きかけてちびりとすする。
カップを前に動かない様子に首をひねりながら
少女は名乗りを聞く。
んー、んー、と考えるような相づちを打った結果]
鯖さん…
[口にする。
んー、と眉間にしわを寄せた]
め、める…るー。
…めぇおじさん。
めぇおじさん!
[勝手に納得して決めてしまった。
自分で満足したのだろう、椅子の上で揺れて満足げな顔をする]
ねえねえ、めぇおじさん。
おじさんは、みちると一緒にまほうのコップ探してくれるんだよね?
みちる、がんばるよ!
[よろしく、のつもりなのだろう。
カップに添えていた手を男へ差し出した。
温かいものに触っていたからだろう、血色のいいふっくらとした赤い色をしていた]
おじさんにお願いできるの、3回までなんだよね?
どんなことおねがいしようかなぁ…
……でも、ママがふつうのお願いはダメって言ってたし
[うーん。
少女はそしてまた首をひねった]
[椅子の上で揺れるみちるの姿を曇った眼鏡越しに見る。
めぇおじさん。
呼び名に、口元をむずりとさせてから、
はい、と一度返事をする。
みちるが淹れてくれたものを飲まないわけにもいかないと手に持ったままのカップを傾ける。口に運んだ時、聖杯をコップと表現され、口元でココアが飛散した。]
っぶ…くく
[どこまでも子供らしいマスターの姿に思わずそのまま笑みが毀れた。]
失礼、みちる。
[カップを机の上に置けば、伸ばされた手に触れる。
小さくて柔らかな質感の手のひらの感覚が伝わる。
子供達もそういう時があったなと思いを馳せるのは一瞬。]
…こちらも、最善を尽くしますよ。
[指を折り曲げ、こちらから力を込めて手を握り返す。]
…令呪の事ですか。
確かにそれを使えば、私に命令は可能ですが
…、…
[首を捻る少女を見て、言葉を選ぶ。]
本当に大切な時に使いましょうね。
3つのお願いを叶えてしまったら、
私はみちるの傍から消えてしまいますからね。
[言うや否や、数秒、自身の姿を不可視化して、]
…このように。
忘れないでください。
[姿がはっきりと見える状態になってから、
彼女と共にいたもうひとつの存在へ視線を向ける。]
みちる。
あの鳥は、みちるの*使役ですか?*
わあ、だいじょうぶ?!
熱くてビックリしちゃったかなあ。
みちるがふーふーしてあげようか?
[噴き出したのがまさか自分のせいだと思っていない子供は
ココアを噴きかけた男を前に慌てておろおろしだした。
様子を伺うように下からの視線を持ち上げたのも束の間のこと。
差し出した手を握り返されると嬉しそうに、何度も何度もにぎにぎと
男の手を握り返すことを繰り返した]
さいぜんってなあに?いいことかなぁ。
でも、めぇおじさんいいおじさんみたいだからみちるうれしい!
[よろしくね、と返したのもつかの間。
目の前からすっと消えて現れる文字通りの状況に
大きな目がさらに大きくなって瞬きを忘れたように男をまじまじと見る]
すごい!めぇおじさんすごーい!!
まほうのおじさんだねぇ!
そうしたら、うん、お願いはうんとだいじに使う…。
[神妙な顔をして重たく頷いたあと、籠の鳥に視線を向けた男に合わせて
少女は明るい茶色の瞳を同じように鳥籠に向けた]
しえき?ってなあに?
チルチルはみちるのお友達だよ。
青くって、かわいいでしょ!
ママがミチルのところに連れてきてくれたんだよーっ。
[ねー、と相槌を求められた青い鳥は籠の中で羽を広げる。
その様は少しばかり自慢げでもあった**]
12人目、妹尾柊 がやってきました。
妹尾柊は、村人 を希望しました。
ー西ブロック・森林公園の外れ 見事な庭園に囲まれた洋館ー
[・・・墓穴を掘る背中に午後の照り返しが暑い。生前から告げられていた
「自分の身に何かあったら、この場所に埋めて庭を完成させておくれ」
死後3年は放置されていたであろう、白骨化した祖母の亡骸をそっと埋葬した。
3年も前に投函されて昨日届いた手紙―忘却の魔術が施されていた―
そも、3年も高齢の祖母に電話や手紙の一つも送らず放っていた自分に腹が立った。
ポタポタと乾いた土に汗と涙がこぼれ落ちる。
「こんな子要らない!気持ち悪いのよっ!!」そう言って祖母に僕を押しつけるようにして逃げて行った母の言葉は今でも心の片隅に茨の棘のように突き刺さっている。
そんな僕を愛して両手で抱きしめてくれた祖母が永遠に居なくなってしまった。
汗と涙と鼻水でぐしゃぐしゃになった顔を首に巻いたタオルで擦り上げる。
超一流の造園師だった祖母が命を捧げ成就させた庭園
ぐるりと弧を描くように植えられた葡萄・オリーブ、最後に月桂樹の苗木を植えて三重の弧
間中の東屋には、投げ槍を手にいまにも投擲しようと全身の筋肉を引き絞っている見事なヘラクレスの彫像
大きく嗚咽を漏らして彫像にすがりついた。
ヘラクレスの彫像は遠くを見つめちっぽけな柊に目もくれない]
ばかぁーーーーーっ!
[悔しくで切なくて情けなくて・・・大きな声で叫んだ。]
13人目、???? がやってきました。
????は、村人 を希望しました。
[其処に何れの作用が起きたのだろう。
彫像を中心とし東屋の床に光り輝く法陣が浮かび上がる。
少年が気付くよりも早く法陣は魔術的要素を展開し、ひとつの術式を起動させた。]
[――即ち、英霊召喚の儀。]
[法陣の輝きが急激に増す。
それは閃光となり東屋を真っ白に埋め尽くし。]
[視界が元に戻った時。彫像の前には、簡素な服を纏った独りの女性が腕を組み、少年を見つめ佇んでいた。]
―西ブロック・森林公園付近(夜)―
あ、ちょっと待った。
念のために、地形を把握しておくか。
[パピーは背中から大きな羽根を出し、空へと舞い上がる。
羽根を広げた分だけ、体は縮んでいるようだ。
パピーの体は、代々の羽鐘家当主によって精錬された、特殊な金属で作られている。
魔術により、ある程度の変形ができると言うのが、その特徴のひとつでもあった。]
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