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あ…………
[一度パニックになった頭はなかなか元に戻る事はなく、先輩>>27との距離が近ければ近いほど冷静さからは遠ざかる。衣装に囲まれ、涙目で顔を真っ赤にしながら、ぎゅっと制服のスカートを掴んでその手に視線を落とす。
これでも飲んで、と目の前に缶が突き出されれば、またビクゥッと反応したことだろう。]
あ………ありがとうござい……
[ます…ともごもご言いながら、先輩と距離を取りつつ手を伸ばし、それを受け取る。其処にはほんのりと温かさが残っており、それがほんの少し、心の強張りを解く。]
………!!
い………急がな…きゃ………
[少し落ち着いたことで午後の立ち稽古のことを思い出す。衣装合わせとあと少し足すべきもの。それを思い出した女は、やはり先輩とは視線を合わせられないままにぺこりと頭を下げた。]
[イースの顔を見遣れば、若干眉間に皺が寄る。
この二年生の笑顔は、どうにも腹の底の知れないものに見えてならない。
それはこの同級生も同じような印象を持っているだろう事も、彼女の普段の言動の機微で察することが出来た。
純粋な所のある同級生は、そう言う人の持つ雰囲気などに敏感なのだろう。]
…なんかあったんですか。
[自然と硬い声色が喉から溢れる。
いつ人が来るか分からない場所で、イースが何かするとも思えないが、それだけ彼女の怯え方はひどかった。]
…そう。
なら良いけど。
[イースを射抜く鋭い目線は据えたまま、マイカに答える。
彼女の声はそこまでの高ぶりを見せていない。
ただ目元のクマと相まって、怯えた表情が痛々しかった。]
衣装合わせ、皆来てからじゃなくていいの?
…うさんクセェやつ。
[背を向けるイースを横目で見送り、マイカにも聞こえないほど小さな声でつぶやく。
と、その隣の彼女がその場に崩折れた。]
…、おい。
お前本当に大丈夫なの。
[彼女を追うようにしゃがみ、顔を覗き込む。
裁縫箱から取り出した猫と縫い物には、無言で眉を上げる。
彼女が嫌がらないのなら、猫の縫いぐるみ手を伸ばした。]
[声を掛けてくれる同級生>>37の言葉に顔を上げれば視線が交わったことだろう。
手の上でくたりとしている猫は、女の性格らしく、細かく丁寧に仕上げられている。それに彼が手を伸ばすことを許す。]
あと、少し……なの………
[衣装の方を先に仕上げないといけないから、間に合わないかもしれない、というのは、飲み込んで。力なく、しかしフワリと微笑めば手にしていたレースの縫い物──猫の縫いぐるみにぴったりのドレス──を彼の手の上の猫に当てる。ドレスはまだ縫い合わされていない箇所が仮止めしてある状態で止まっている。]
昨日も…出来上がらなくて……
[困ったように眉を下げて、そう呟いた。]
[部室の扉を開けて中へ入るとすぐに、自分の荷物を手早くまとめる。
授業もなく本来ならば少ない荷物で済むはずが、異様に嵩張った荷物があるのは、昨日の粗相の代償だ。
部室には、マコト先輩>>15はいただろうか。いたのなら、もうすぐ発声練習ですよー、と声をかけただろう。
普段は自分たち役者の衣装を担当してくれているマコト先輩だが、今回の舞台では彼も役者として自分と同じ舞台に立ってくれる。
役者としてのマコト先輩を見れることに、内心わくわくしていた。]
アキ先輩も、もう発声練習行きますかー?
遅刻したらムー先輩の"楽しい体幹"が待ってるみたいですよー
[買い出し行ってたアキ先輩は特別かもしれませんけどぉー、と付け加えて。私は遅刻したくないので先行きまーす、と告げれば荷物を抱えて部室を出る。
もしも共に行ってくれる人がいるならば、連れ立って講堂へと向かうだろう。**]
ふぅん…。
[手の上の縫いぐるみを、ためつすがめつ眺める。
手縫いの細かい縫い目が彼女の手仕事によるものだと分かる。]
よく出来てる、可愛いよ。
[大雑把な感想と共に、マイカへ縫いぐるみを返す。
女の子らしい彼女が縫いぐるみを持っているのは、なんだか様になる気がした。]
何、急ぎなの?
今は…
[──難しいんじゃないかな
とは、彼女の顔を見ると言えなかった。
しかし何に使うものかも知らないロディには、彼女の焦燥を推し量ることもまた出来なかった。]
ー調整室ー
[二人と別れれば、調整室へと向かう。
調整室へと入り扉を閉めれば、しん、と静まった空間で。
あぁ、落ち着く。
静かな部屋は、やっぱり好きだ。
気遣う必要なんて、ない。
照明を念入りに確認していく。
それが終わるのは一時間弱後になるだろう。
途中、不具合などが見つかれば一時間30(60)分後になったかもしれない。
終われば、椅子の背もたれだらりと身を預けて暫くぼう、としているだろう。
その時。
ふ、と昔の事を思い出した。
遠い遠い日の事を。
“演技”を始めたあの日を。]
ー回想・ずうっと昔ー
[幸せな日々が続いていたある日。
それは突然終わりを告げた。
父はとても優しくお人好しであった。
それ故に、世渡りは上手くはなかった。
ある日、何があったのか詳しくは聞いていないが、仕事の責任を押し付けられてしまい、失職。
中々職も見つからず、家族の仲はどんどんと急降下していく。
終いには、僕は母に連れられ、家を出てしまった。
その後、父がどうなったのかを僕は知らない。しかしもう気にするところではない。
その出来事から僕は学んだ。
あぁ、世渡りは上手くなくては、と。
上手く、行けば。幸せに。そう、全部円満に。円滑に。]
↓
[でも、僕はこんな性格だ。多分損は多いだろう。
だったら、作ってしまおう。そう、全部を。
そこから、社会に対する“演技”が始まった。
“演技”に慣れてしまえば、それは自分の外側の人への条件反射のようになってしまっていた。]*
…。
何を今更考えてんだっての。
……馬鹿じゃねーの?
[自分に向けた言葉は自嘲的なもの。
もうやめよ。
そう呟いては、部屋の時計を見る。
まだ準備の時間があるのを確認すれば、全てを忘れるように寝てしまおうと、そう思ってその体勢のまま目を閉じて。
9(10)分後には夢の中へと深く沈んでいた。]*
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