守れなくてごめんなさい。守れなくてごめんなさい。守れなくてごめんなさい。守れなくてごめんなさい。守れなくてごめんなさい。守れなくてごめんなさい。守れなくてごめんなさい。守れなくてごめんなさい。守れなくてごめんなさい。守れなくてごめんなさい。守れなくてごめんなさい。守れなくてごめんなさい。守れなくてごめんなさい。守れなくてごめんなさい。守れなくてごめんなさい。守れなくてごめんなさい。守れなくてごめんなさい。守れなくてごめんなさい。守れなくてごめんなさい。守れなくてごめんなさい。守れなくてごめんなさ

私は死者の代弁者。

わたしに彼らの言葉を紡ぐことはできないが、死んだ者たちの嘆きと後悔、そしてほんのわずかな望みを拾い上げて欲しい。

哀しき人間たちよ。
哀しき異形の落とし子らよ。
哀れな迷い子らよ。

君たちの無念を私に語らせてほしい。

かつての私の相棒は、殺し屋のくせに惚れた女を護って死んだ。そこからだ、私の人生が狂ったのは。

ーーー思えば、相棒のような死に様に、憧れていたんだ。あいつのように上手くはいかなかったが、多分、報われない生涯を送るより、今は幸せなんじゃないかと思う。

心残りは二つ。誰か、巨人の依頼人に、代わりに伝えてくれ。依頼を果たせず済まないと。『時忘れの島』には近付くなと。

もう一つ。似合わないを承知で。愛している。君は、生きて、笑って。この声が届かなくとも。君と共にいる。

えーと、遺言状って何を書けばいいんだ？

やはりきっちりとした書体で書かなければならないのだろう？

えーと…

………

遺産は特にないぞ！

聴いてくれ。
わたしは貴方たちの命や力を奪うつもりはない。
わたしは魂の代弁者。

全ての意思は必要なものなのだ。
選別され、淘汰されるべきではない。
人間は善なる命ではない。強い命でもない。
しかしどうか、希望を与えて欲しい。
共に歩もうとする者たちのために。

そして、どうか死にゆく者たちの嘆きと希望をその手で受け止めて欲しい。


＿＿、
わたしは、お前が何であろうと、恐れたりなどしない。

骸となったそれは、小さな箱を抱えていた。
どうやって造られたものかは分からない。
しかし、鍵は既に解かれていた。たった今開いたかのように、無数の紙切れが溢れ出てくる。

中にあるのは歪なメモ。
いくつかは見た事のある名が示されていた。

その中に、一際歪な文字の書かれたメモがある。
書き慣れない字を、何度も書き直した黒い跡の残るかな並びで、もはや読み取るのも難しい。なんの意味もないような、ただの汚れた紙切れだ。

しかしそれでも、残したかったのだろう。

そこには不器用な彼のおまじないだけが残されていた。