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(ジキルは……嘘をつくような人間だった……?)
[彼の性格などは知らぬ自分からすればそうなのか、としか言えない答えだったが
嘘つき少年は大抵の場合―――被害者だろう、と
そして浮かんだ笑み>>28の理由も、些か疑問であって
ひそりとシルビアに、ジキルについて、今のトルニーについて尋ねてみたのだが、何と返されたのだったか]
[つぶやきながら>>1:1>>1:2>>1:3マルキからのメールのデータをPCへ移す。]
…人狼を探し出して、殺して下さい……。
[キーボードをうちながら、この拘束措置の狙いを、以前の依頼とつなげて考えようとするも、どうもこんがらがり、探偵のようなことは苦手だ、とつぶやいて。
ふと気づく。
いつかのトルニー>>5:55が同じように考えていたことを。
拘束が解除される保証は?
殺し合いが続き、人狼をすべて排除した後も、解除されないとしたら。
疑心暗鬼の中、人々は、その中に人狼の存在を疑わないだろう。]
人狼を殺しても、殺し合いは、終わらない…?
そんなこと、ないよね…?
[ティンがいなくなる前。
今は亡きイルドとルシアン、グノは同じ部屋にいた。
そして同時に起こっていたアドニス殺害。]
[グノに告げられた言葉は、脳の奥で何度も繰り返されていた。>>57
生命を奪うことに、感傷は抱かぬが、実力が伴うかと言えば難しい。
それでも、己が抱えるのは明確な殺意だ。
懐から静かに覗かせるのは、死体嫌いの遺品。
殺意を込めて、一層銃身を重くしたそれ。
されど、相手の―――彼女の口振りには、つい笑ってしまった。
実に分かり難く、鉄面皮の口角を僅かに上昇を辿る。>>59]
それは失礼。
私のエスコートに誘われてくれる異性が居るとは予想外だった。
……ルナディーマは彼女の作品だ。
礼を言われることは――…何一つ、そう何一つしていない。
[己が佳人のためにしてやれることなど、何もない。
寧ろ、此処で潰えさせる存在だと言う自覚がある。]
この場所から出るために仕方なく―――、
などと、責任を転嫁する心算は更々ない。
正当防衛だと論じる心算も全くない。
君を知った風に憐れむ心算もない。
ただ、君と私は同じ未来で生きてはいけぬ。
月より遠き獣の子よ、君の義憤を押し通すなら吠えたまえ。
私は君を殺す。
しかし―――、私は生涯君の咆哮に苛まれるだろう。
[それは、己だけに残る煩いでは無いかもしれないが、
己などより余程腕の立つ名手が十字を覗いているとは知らず。]
[ふたりの会話は、辛うじて聞こえる位置に着く。
手慣れぬ銃で人成らざる者に止めを刺せとは、自分も随分と無茶な事を強いたと思っていたけれど。
明確な殺意を認識している人間のほうが、いざとなった時の判断力に長けることは、己自身で経験済みだから。
敢えてその役割を、ルシアンに預けていた。]
男の身体が本来の姿、ね――。
[言い得て妙だと、裡で密かに感心する。>>59
豊かな髪に女性らしい所作。
見た目で判断するのも可笑しいが、わたしはトルニーの事をずっと「彼女」として扱ってきた。
成りたい姿を他人から認識されることで、少しでも気が休まる事を思って。]
―――なら、人狼を隠しながら生きてきた彼女達は…
果たして「人」として認識された人生を、送りたかったのかしら?
[こんなよくわからない拘束などなければ、ずっと――
人としてこれからも生きて行くつもりだったのだろうか。
それとも……]
[わたしは疑問を内に秘めながら、密やかに銃を構える。
商売柄、数多に飛び交う噂話が纏わり付いた、少し変わった銃だ。
きっと、今の状況にこそふさわしいものだろう。
だってこの銃は昔、人狼と退治した狩人が使っていたと噂される物だからだ。
全てはこの馬鹿げた茶番を終わらせるために。
―――そしてすべての悪夢から開放を祈って。]
[十字の視界で捉えたのは、紫水晶と傷付いた銀無垢
曝け出された本能と銀の毛並、碧の深みは何処にも見つからず
嵌らなかった違和感のパーツが妙にしっくり来た事に、彼が人狼だった事に驚いていない事に、驚いて]
あー……笑われていたのかな
さっきも、影では馬鹿な奴だと思われてたりして
[思い出すのは、セーフハウスでの出来事
あの時、彼は、何か、異様に見えたのだ
しかし、それは、兵器に囲まれて気が動転しての物だと思っていて]
[―――揺らぐ記憶の鮮やかさを掴もうと、
「勘」と答えた自分に対し、何と言っていた?
―――思い出せ、
確か、何だったか]
………生身の 人間の勘、
[もし、彼が自分と同じ種族ならば
そんな回りくどい言い方など、しないだろう
探していた手掛かりは直ぐ側に落ちていた、なんて]
[その懐から僅かに覗き見える鉄の塊が、かつて己がいきるために手に掛けた男の銃だとまでは気づかないまま。
ほんの僅かな彼の表情の変化>>65をあかい目に映し、そのあかを軽く細めてみせた。
だからといって殺気が凪ぐ訳でもないことは互いに承知の筈。
予想外、と彼が口にした言葉は、何日か前にも微妙に聞き覚えのあるもの。それは彼が続けた言葉もまたそう。]
……そうでしたね。
すべてはディーマの功績。
離れていても、アタシと同じ夢をみてくれる彼女の。
[同じ月の夢を見る園芸家とは、人狼の身ゆえに離ればなれを選んだ。
そして今離れずにいる目の前の学者とは――>>67]
ええ。
アタシとアナタは、生きて同じ夢を見ることは無い。
[己の傍に身を潜める女も、下手を打てば命は危うかろう。
誰彼構わず襲い掛かるような相手には今も見えなかったが、
今まで人間社会に紛れ続けた衝動を、ここ数日は押さえきれぬのだ。
その変化に、作為的なものを感じこそすれ、
舞台外の観客に気を逸らす事は無い。
ただ、真っ直ぐに彼女を見つめながら。]
―――だが、そうだな。
[セーフティを外し、重い銃口を彼女に向けた。
機会は一度、至近距離からの狙撃として構え。]
……次は、地上に咲きたまえ。
[漏らした言葉はドームの天頂に吸い込まれた。
空を切り裂く風の音を先に鼓膜で捉え、引き金は凶弾を放つ。]
[細く鳴り響く音色と、反動の重圧。
狙いは定めたが、己の一撃では、仕留め切れまい。
――― そう、唯人の、一つきりでは。
鋭き爪と、熱い弾丸が交差して。
奏でられる音色は喝采のようにも、聞こえていた。*]
[目の前にいる殺害対象へ普段と変わらない視線を、送り
世界を切り替え、思考を切り替え]
―――それでも僕は、君を殺す
[ああ……あの笑顔の意味は、もしかして
超音速で奏でる白銀の曲は、水晶の煌きを合図に鳴り響く]
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