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[修道女が鳴らす鐘が時を告げる穏やかな村。
行商人や旅人の出入りが大きな話題になるくらいだ。
困り事は村長のもとへ。知恵がいるなら神父か司書へ。
二匹の犬とともに羊の世話をする羊飼い。
牧草地や畑。山や川や森。田舎らしい泥臭くものどかな風景が広がって。
そこを悪友コンビが、時に無邪気な仕立て屋見習いを連れて飛んで周ったり。
いつも通りが続いていって、緩やかに移り変わっていく。
日常とはそういうモノではなかったか。
こんなにあっさりと、覆っていいものだったか。
変わりばえのない日常の中に自分の名前は遺らずとも、誰もが舌鼓打つような商品を作り出して永く愛して貰えたらと、ずっと思っていた、のに]
[無意識に同じく容疑者とされた面々を目で追う。
かろうじて飛び出したカタリナの後ろ姿を見送った。自分は身じろぎすら出来ずに]
っは……だい、じょうぶ。大丈夫だから。
すぐに見つかります、必ず仕留めて戻るから……待っていてください。
[家畜の締め方は下手な方。体力や知力も中くらい。人付き合いもそこそこ。人と違うのはパンや菓子を作るのが好きで、それが家業だった事だけだ。
『真面目な跡継ぎ』の顔をしなくては。
足元から崩れていくような感覚に甘えてはいられない。
両親の肩をそっと叩き、疑いと心配の目をかいくぐって村長たちの姿を探した]
…そ、っか。
[村長の言葉>>76に眉を顰める
『アリバイ』を重要視するのはわかるし、理解もできる
そして村長を『観察』する
カタリナに関する村人たちの疑い>>77に対する庇うような台詞、それはクロ――人狼ではでにくい様な気がした
即座に>>78の様に指示を出せる姿は落ち着いていると言えるだろう
だが冷静すぎやしないだろうか。まるでこの状況が起こることを予測していた?
否、事前知識があったのかもしれない。自分にはないが、村の知恵袋である長ならば、それを仕入れていた可能性がある
ではなぜ、昨日彼を訪ねたときにそれを伝えてくれなかったのだろう
彼もお伽噺と思っていたのだろうか……思考は巡り、沈む
日がそろそろ山向こうの方角へ動こうとしている
今宵、誰かが必ず死ぬ
誰かを、必ず殺す
誰がころす?――それは、村の皆が総意で
ああその事実が、怖い]
[しかし、と。
ゲルトの遺体は酷い有様ではあったが、それだけだった。
到底ただの獣だけで為せる惨状ではなかったけれど。
肉を喰らう事もなく、赤子が人間を玩具にして遊んだ後のような。
ひょっとして、この村にやってきたのはまだ幼い人狼なのだろうか。
そんな事を思いながら
無意識に仕立て屋の彼女へ視線を向けていた。
ふとクララが村長にかけあっているのが見えた。
クララは聡明で、この騒動以前から人狼の件に腐心しているように見える。
もし、彼女が本物なのであれば彼等の脅威として真っ先に狙われるのではないだろうか。
容疑者を一カ所>>78に集めようと言う村長の言葉を聞けば安堵と僅かばかりの苛立ちを同時に覚えた]
……そう、だね。
確かにその方が被害を抑えられそうだ。
[けれどすぐに頭を振って肯定した。
目撃者は多い方がきっと話は広まりやすい]
[思考を巡らせろ 立ち止まるな
退けば仇は討てぬ 臆せば死ぬ]
[白、無実と判断された母は此方に残りたいと泣いて縋られたが、なんとか宥めて客とともに宿に戻ってもらえた
さて、と周囲を観察する
この場で雰囲気が変わったものは?
冷静すぎる存在はいるか?
――血に興奮を覚えているものはいるか?
浮足立つこの状況で、どこか不自然な者はいないだろうか
ゲルトの、仇はいるのだろうか]
……
[怯え、竦む足。恐怖に囚われ泣きそうになる
それを唇噛んで堪えて見渡し
前を向いて歩け、どんな悲しみにも負けるなと自分を叱咤して
それでも、ああやはり怖いこわいコワイ]
ー回想ー
[村長の家に向かう途中、鐘の音を耳にする。]
これは弔いの鐘??
大変、急がなくちゃ!
[誰が亡くなったのかはわからないけれど、こういうときはすぐに駆けつけて葬儀の準備をしなくてはいけない。広場に着くとちょうどゲルトを包み教会に移動させている際中だった。]
だ、誰が亡くなったんです・・?
[恐る恐る聞いてみると村長はゲルトだと言う。]
ショックで気を失いそうになるのをこらえて
わ、私も付き添います…
[そのまま教会に向かう]
[遠目に村長にヨアヒムが問いかけたりクララが何か提案しているのが見えた。二日酔いの時よりも青い顔で、見慣れた顔ぶれ――容疑者たちの元に歩み寄る]
こんにちは…村長さんの家に集まるんですか……?
個人的には賛成ですし、疑いを解くためなら、人狼とやらを除くためなら――村の総意に従います。
ですが、何が何だかわからない。人狼に成り代わられるなんて。
正直なところ、自分の事さえ疑ってしまうんです。
昨日は徹夜してましたが…そんな訳の分からないのが相手じゃ…日のあるうちなら殺せるようなモノなんでしょう。
[万が一、真夜中に家族を襲うなんて事になったら。
自分を含めた灰色が無実の村人のそばにいるのは気乗りしなかった。警戒している同士なら――黒かもしれない者同士ならば、躊躇いも減る]
日があるうちに行きますから、少し考えさせてください。
ゲルトさんの家やご遺体も――まだ見ていないので。
[教会に到着し急いで祭壇を作ると
包まれたままのゲルトをひとまずそこに寝かせた。
村長が何か言っていたが詳しいことまで聞いてる暇もなく、ゲルトの姿でさえまだまともに確認したわけではない。]
]
ごめんね…今見てしまうと…
私動けなくなりそうだから……
[そう呟いた後、備品室に入って
棺、ロウソク、聖水、ロザリオ、十字架等、葬儀に必要なものを探し始める。]
教会にゲルトの弔いに行った人も居るんだっけ。
容疑の晴れてない人は村長の家に来るようにって呼んでくるよ?
[そんな事を言えば容疑者は大人しくしてろ、などという声が飛んで来て肩を竦めただろうか。
疑いの視線が大量に突き刺さるというのは
想像以上に動きづらいものだ]
ー回想続き・教会ー
[ちょうど備品室で道具の準備をしていた頃だろうか、>>65
誰かが祭壇に来たことに気付き
備品室からそっと現れる。]
>>73[ゲルトの前にいたのはカタリナだった。下を俯いてるのか表情は見えないが
ときおり漏れる嗚咽から泣いていることはわかった。]
あの…
[声をかけてみる]
― 教会 ―
[本当に、これは人狼がやったことなのだろうか。
カタリナの脳裏に、そんな疑問が浮かぶ。
包まれたシートを、顔だけではなく体の方までめくる。
『人狼なんているわけないじゃん。おおげさだなあ。』
そう言っていたゲルトさんの言葉が、どうしても気になってしまったから。改めて遺体を観察をしてみると、胸元からの出血が特に酷かった。
これは、心臓に何かを刺した・・・?そして、まるでそれをカモフラージュするかのような五本の爪痕が長くついている。これは、確かに大型犬でつけられるような傷ではなかった。
食べる為なら、こんな傷のつけ方は有り得ない。
それをよく知っているからこそ、疑問があった。
ただ殺すにしても、この胸元の傷で十分だ。この爪痕は、本当に人狼がいるならば必要性のない傷に見えた。]
[つまり。
・・・・・・・・・・・
まるでここに人狼がいたと思わせたかったようだ。
そこから導き出される結論は――、
――この村の中に、人狼の仕業に仕向けた真犯人がいる。
カタリナは、シーツを戻した。]
……
私まだ…何があったのかよくわかってなくて…
[ゆっくりとカタリナに近づくが
カタリナがめくったのか
ゲルトの悲惨な姿をついに見てしまう。
……ッ!!!!
[言葉を失って何も言えなくなってしまった。]
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