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[村人達が丹精込めて作った野菜や麦なんかを街まで売りに出す事もあったが、なんせこの村で用意できる商品なんてたかが知れている。
街で仕入れたモノを村で売る方が主だったりなんだり。
そんなこんなで自宅ではなくこうして集会場にいるわけだが]
や、ついこないだ戻ってきたばっかりだよ。
あはは。
ゲルト、君お金持ってるの?
[若しくは物々交換できそうなモノ。
と久々に顔を合わせたゲルトをばっさりと]
その様子じゃ君も元気そうで何よりだね。
でも気を付けなよ?
この辺りで人に化ける怪物が出たって噂があるからさ。
[言いながらも目には愉しそうな、からかうような色が浮かんでいて 彼がその噂を本気にしていないことは伺えるだろう]
[言いつつも、品物を幾つかテーブルに並べてみる。
この辺りでは採れない果物や小物類。
相応の……例えば麦や肉なんかが貰えるなら商談成立。
今のゲルトがそんなもの持ってるとは思ってないけれど**]
あははは。
無職の僕がお金なんて持ってるわけないじゃーん。
だから「ちょうだい」なんだってば!
[ 爽やかな笑顔のまま、無茶を言う。 ]
あ、ヨアヒムなら持ってるかも!
あっれぇー? なんでそんな所に居るの?
おーい、おーいヨアヒム!!
[ そっと去りかけていた友人を大声で呼ぶ。
空気なんか読めたら、あだ名が「楽天家」なんかになってないよ? ]
わーい、ヨアヒム様! お兄様!
さすが愛してる!
[ 大喜びで硬貨を受け取る。 ]
あの高貴なる聖典か!
ヨアヒム使った後でいいから、僕にも貸してよ〜。
あの高貴なる聖典か!
ヨアヒム使った後でいいから、僕にも貸してよ〜。
[ 大喜びで硬貨を受け取る。 ]
わーい、ヨアヒム様! お兄様!
さすが愛してる!
[ 貸しだ、という言葉にはドンと自分の胸を叩いて自信満々に。 ]
まかせといて!
僕そのうち出世して大金持ちになって美女をたくさん侍らせるようになるから、そうしたらヨアヒムにも一人あげるよ!
だから僕が出世するまで待っててね!
[ アルビンの元へチョロチョロと戻って、
さっそく品定め。 ]
これはいくら?
えー高いよー。まけてまけて。
人に化ける怪物をかいくぐって商売を続けるアルビン様々が、そんなケチくさいこと言っちゃダメだって!
[ 噂話は、もちろん本気にしたりなんかしない。
仮に、もし本当に化け物が居るとしても、
こんなちっぽけな村のなんかにやって来たりしないさ。 ]
そう、その高貴なる聖典だ!
お前使った後言うなよ!使うけど。貸すけど。
母ちゃんには内緒な?
[硬貨を手渡してそう忠告しつつ、はいはいおれもあいらぶゆーと気の抜けた様子で返した後]
あはは!まずお前どこで働く気なんだよ!
大金持ちになるならまだヤコブさんちの畑で埋蔵金見つけた!とかの方が信憑性あるぞ?
美女沢山は魅力的だがな……でも俺らの村可愛い子あんまいねーよなぁ。隣の家のねーちゃん都会に行っちまったし。
ま、期待しないでまっとくよ。
[そう告げれば極力商人の視界に入らないようにしつつゲルトが買い物する様子を眺めていたであろうか]
[だからアルビンがゲルトにした噂話、なんて聞いちゃいないんだ
もし聞いていれば何か変わったかもしれない
森の奥で感じた視線とか、ちゃんと話していれば
でも今はそんなこと思うこともなく
某本の到着を待ち続ける一人の青年がそこにはいたのだ]
うむ! 使うじゃなくて拝むだよね!
でも、使うけどね!
おーけーおーけー。お前の母ちゃんマジ怖いもんな。
ヤコブさんちの畑!
それマジ? イケてるね!
……はっ! それでヤコブさん毎日あんなに真剣に畑仕事を……よし、今度、僕も手伝うっていう名目でこっそり……。
[ 真面目に検討しつつ。 ]
ばっ、おま! もうちょっと声をひそめなきゃ!
パメラに聞かれたら……。
[ なんて会話があったりして。 ]
[愛犬達を宥めながら、カタリナは考える。
ただの狼くらいなら、この子達がここまで怯えることはないのだ。
それ以上の・・・、何か、とてつもない・・・。
噂に聞いた、人狼のような。
何かが、そこにいたというのだろうか。
そこで、料理の途中だったことを思い出して。
一旦、戻ることにする。
愛犬達は、多少落ち着いてきている。
食べ終わったら、今日は寝ずの番を用意しなければならない。]
─ 少し前:羊厩舎 ─
ひゃっほー!
飯が食える!
カタリナは美しい上に優しい! 女神さま! 結婚して!
[ なんて言いながら、小屋に上がり込む。
小奇麗な室内に、こういうところに性格が出るんだなああ、なんて思って。 ]
[羊飼いのサラダ、と呼ばれる色々な野菜を角切りにしてオリーブオイルと塩をかけたサラダ。
羊の乳から作ったチーズ、パン、ミルクなどを出してみる。
お肉がないのが少し物足りない気もする。
けれど、まだ羊は解体前なので今は有り合わせのものしかなかった。
その代り、人数が増えても手間はそんなにかからなかったけれど。]
・・・ところで。
お二人とも、また羊に何かいたずらをしませんでしたか?
[ふと、そう尋ねてみる。さっきのことが気にかかって、もしかしたらこの2人の悪戯だったのだろうかと。
そうなら、良いのだけれど。
でも、あの子達を怯えさせたのが2人ならば少し窘めるかもしれない。家族と家畜の扱いは、違うから。
他にも、何かを話しただろうか。]
・・・お二人とも、気を付けて下さいね。
[そう言って、二人を見送った。]
ふぇっ?
[ 何かいたずらを、という言葉に、
ヨアヒムと顔を見合わせる。 ]
ま、まだしてないよ?
[ しまった。 ]
……いや!
これからもしないよ?!
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