情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新
[1]
[2]
[3]
[4]
[5]
[6]
[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
ー停車場を抜けてー
[青い森の前に人影を認め、立ち止まる。
その正体には、すぐに気がついた。
目を見開く。]
おねえ・・・ちゃん・・・?
[どうして姉がここにいるのだろう。
まさか・・・
思わず、胸に手を当てる。
微かに鼓動を感じた。
・・・大丈夫。
おねえちゃんは、まだ生きてる。]
「・・・わ た し・・・?」
[こちらも驚きを隠せない様子の姉に、ずっと彼女の中で生きてきた妹は、毅然とした厳しい表情を向けた。]
・・・違う。
あなたは“レイナ”
あたしは“ニイナ”
別の人間。
ずっと、一緒だったけど、これからは違う道を行くの。
・・・あなたはまだ、ここに来る存在じゃない・・・
ここにいては、いけない!
[そして思い切り、両手で姉を突き飛ばした。
姉は抵抗することもなく倒れかかり、着地する瞬間、忽然と姿を消した。
あとには風と、鉄琴の音色だけが残る。
まるで、そこには始めから、誰もいなかったかのように。]
[眩いばかりに白く輝く星の海を汽車は走っていく。
やがて辿り着く終着駅を目指して]
[窓の外を流れていく景色を見ながら思った。
ここに来るまでのこと。
両親のこと、妹のこと、もう一人の『ウル』のこと]
…しあわせ、か。
[レナやニイナが言っていた言葉を再度繰り返す。
思い出すのは、あいつと妹と一緒に過ごした日々。]
しあわせは…ずっと、そばにあったよ。
[――あの二人が、笑っていてくれていたならば。
僕はただ、それでよかったのだから]
[妹が『ウル』を憎からず想っていたのは知っていた。
幼い頃からずっと、あの子の目はいつだってあいつのことを追っていたから]
[そしてそれはあいつも同じだった。
どんなにからかっても、意地悪なことを言ってみても、
あいつがあの子を見るときの目は、いつだって優しかった]
[『恋』というものを僕は知らない。
それどころじゃなかったというのもあるし、
なによりも、僕は誰かを幸せになんてできない身体だったから。
自分には誰かを好きになる資格なんてないのだと、ずっとそう思って生きてきた]
[――ただ、二人が一緒にいるときの、微笑っている顔を見るのが好きだった]
[――思えば、ここに来て再び得られたものは多かった。
もう一度、自分の足で立って歩くことができた。
もう一度、自分の目で星を見ることができた。
もう一度、学校の制服を着ることができた。
……そして何よりもう一度、心から笑うことができた]
[あの頃、自分がもう既に疲れきって、
泣くことも笑うこともできなくなっていたことを思い出す]
(…うまく、笑えてただろうか?)
[正直、自信はない。
それでも、最初に彼女にあった時よりはずっと、
いい笑顔で彼女を見送ることができたとそう信じたかった]
[この気持ちが他の人たちが『恋』と呼ぶものなのかはわからない。
ただ、それは決して嫌なものではなくて。
…思い出すたびに、
胸の奥がくすぐったくなると同時にほんわかと温かくなる、
それはそういう感情だった]
[ボタンの欠けた学ランの胸元に手を当てながら、天井を見上げた]
……ありがとう。
[誰にともなく、そんな言葉を口にする。
決して、いいことばかりじゃなかった。
苦しいことも辛いことも悲しかったことも、
やりたかったこともできなかったこともたくさんあった。
――だけど、間違いなく自分は幸せだったのだ。
ここに来る、もっとずっと前から。
同時に、ここに来て初めて気づかされた幸福もたくさんある]
――生まれてきて、よかった。
[ここに来て気づかされた幸せと、
ここに来て初めて得た幸せとを胸の内に抱きしめる]
[終着駅は、すぐそこまで迫っていた**]
[1]
[2]
[3]
[4]
[5]
[6]
[メモ(自己紹介)記入/メモ履歴/自己紹介] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了 / 最新