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寂しさを覚えるならば
それを埋める事ができるみたいだよ。
約束……?
そう。そんな約束があるのなら――……。
あのさ……マイスターってさ、人間みたいだね?
[唐突にそんな感想を漏らす]
ネコはネコ?でもネコはいないのではー?
ネコはネコでも別のネコ?
ネコはネコでもいないネコとは別のネコ。奥が深いですな!
名前はガヤ。
ガヤガヤ。ガヤガヤ。
オマエは誰だ?オマエはわたしでわたしはハルピア!
ネコは食べたことないですなー。
あーでもおなかは減ってきたかもなー。
[おなかが減ったこととか喉が渇いたこととかすっかり忘れていたけど、言われてみればそんな気がする]
いなくないネコのガヤはどこかにおいしいものでもご存知?
あいでもいいよ!
ハルピアはあいを知りたいですので!
[あいのことが分かったら、心置きなくご飯を探すこともできるので。すっかり近くまで近寄って、相手がずいぶん小さいみたいだからしゃがみこんで、すぐ近くから問いかける。
とはいえ、それはあくまで逃げられなかったらの話で。
逃げられたら、見失わない程度に追いかけながらの話になったけど**]
無に還るまで、フィオナらしく…。
[その存在は、神に近い何かというような印象を受けた]
キミは適応したといったが、
随分難しいことを言われている気がする。
フィオナとはつまり、今はキミのことだから。
自分らしくということか。
[先程のシニカルな笑みを思い出す]
フィオナは、今に満足しているか?
[ふと気になった疑問が口をついて出る]
改良か。改良するのは―――…、
[言いかけた言葉は、彼女の意外な提案に中断され]
博士を創るなんて思いも寄らなかった。
やはりフィオナは、面白いことを言う。
創るにしても、僕は博士のことを詳しく知らないからな。
似通った何かしか生み出すことは出来ない気がする。
しかし人間を創るよりは、いくらか簡単そうだ。
[誰かと一緒に研究を続けるということは考えていなかった。
少し、楽しそうな気がして。少しだけ、笑った]
……僕が人間。
そう、であれば、良かったのだろうけど。
どうしてそう思ったんだ?
[彼女の言葉は、あまりに意外なもので。
驚いて相手を見つめる男の顔は、きっと唖然としていた。
確かに見た目は人間と同じだけど、それは相手も一緒。
だから中身のことを言われたのだろうと、思った]
博士は、全くの純粋な人間を求めていたようだ。
だから先ほど言いかけたが、改良するのは難しいのだ。
僕は人間にしては、頑丈すぎるし。
僕は人間にしては、足りないものが多すぎる。
……んっと。
1×1という式の答えをねじ曲げて他の答えを出すために私は造られた。
ねじ曲げた答えが適応した私……って余計にわからないかな?
[首を傾げて思案顔]
満足はしていない。
私は不自由だからね。
……星間旅行とかしてみたい。
[ぽつりとそんな言葉を返す]
似通った何かでも単独で考えるよりは良いと思う。
別の視点って重要だと思うから。
それに、目標を共有できるものが居れば――うん。
独りで道を歩くより二人の方が楽しいよ。きっとね。
―その楽しみの先に何が待つかは解らないけれど―
[冷水を浴びせかけるような言葉は心の内に留め置いた]
なぜ、か――。
寂しさを自覚できるから。
自分が足りない事を自覚しているから、かな。
[上手く言語化できない様子で考えこむが――]
ああ、そうだ。
戦闘用アンドロイドをあげる。
あなたなら上手く使えるかも。
いらないといっても押し付けるけどね。
[カタコンベのラグーンを思い出した様子]
ラグーン。
セカンドマスターの認証を。
[チャンネルを開けば、認証作業を開始。
ホクロを思わせる極小の通信機を風に乗せてマイスターへ送る]
[首を傾ける相手に、一つ頷く]
先程よりは、分かった気がする。
[満足していないという返事の後、呟かれた言葉に]
この宇宙船の修理なら、出来ないことはなさそうだが。
フィオナが乗ることができるのかは、分からないな。
二人で、か。
[そのとき頭にあったのは、
実は博士とではなく別のことだったのだけれど]
…………。
[ふとその数字に、
先ほどフィオナが言っていた夫婦のことを思い出した。
漠然とした危うさを感じつつも、
彼女と同じようにそれを口にすることはなく。
有り得ないことを夢想するくらいは、自由だと思ったから]
――――――…は?
いや、急にどうした。
僕には戦争の予定はないが。
[突然の申し出>>48に、控えめに断ろうとするが、
何となく相手は言い出したら聞かないような気がした]
お返しにやれるようなものも、ないし。
[言いながらも、
通信機を放り棄てるわけにもいかないので受け取って]
乗れる事は乗れる。
だけれど、表面境界外気圏で一度ひどい目にあったの。
[それが何かとは言わない
壮絶な体験だった事は確かな様子
夢想するマイスターを眺めていたが――……]
戦争の予定は無い?
なら「平和を望むならば戦いに備えよ」
そういう事でいいじゃない。
今返さなくてもいいよ。
貸しという事にしておいて。
通信機に向けて名乗れば多分認証してくれると思う。
気が向いたらどうぞ。
[押し付けた挙句に貸しにした]
――行かないと。
「縁」があったらまた会えると思う。
それじゃ、ね。
[空を見上げたまま一方的に言葉を紡ぐ風精。
ゆっくりと上昇を開始した。]
…キミは外に出られないのか。
それはそれで、難儀だな。
[それも彼女の世界の理なのだろう]
ある意味平和だと思うがな、この世界は。
何もないから、現状、戦いも起こりようがない。
[しかし今日は珍しい日だ。
思考体系のある存在とこんなに遭遇するなんて。
自分が思っているよりも、
この世界は複雑なのかもしれない]
何か釈然としない所があるが。
分かった。借りということに、しておこう。
[何故か借りができてしまった。
しかし抗議するのも不毛な気がして、
手の中の通信機を一瞥する]
"縁"があったら、また。
さようなら、フィオナ。
[無表情のまま静かに頷くと、遠く昇っていく少女を見やる。
あの姿はやはり何かに似ているような気がするのだが。
…思い出しきらないうちに、きっとその姿は見えなくなる]
―――――…。
[そして、手の中の通信機を持て余す。
気が向いたら、と言われはしたが。
放置するのは申し訳ないような気もして]
『ラグーン、と言ったか。
僕は、マイスターと言う。
キミのことを…預かった形になるのか。
この通信機の場所は探知できるのだろう?
気が向いたら、僕の所まで来ると良い』
[通信機へ向けて、短く告げた。
終われば、中断していた宇宙船の分解作業を再開する**]
/*
おお、マイスターからラグーンへ、になったのね!
わーの行先はちょっと保留。とりあえず現在地確定だけしておこう。
―廃墟の街から離れた先の地―
ううむ。砂埃で前が見えづらいのう。
やーい。誰そ居らぬか―。誰そ、ここらに――…。
[風に曝され崩れた石塊が転がる荒野を漂う最中、リンは何かに気付いた。8(13)]
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