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では、拝見しても差し支えのない所でお願い致します。
……にしても人形の声、ですか、そういうものを作り得た方々が嫉ましくもありますね。
[案内を頼んだ後、執事の漏らした一言に、本音らしい言葉をさらりと吐いた。]
捜しましたよ、モーガンさん。せめてこの手紙だけでもアーヴァイン氏に取り次いで…
[傍らの銀髪の青年に目をとめる]
……おや、こちらの方は。
コーネリアス・フェントン氏では?
ここでお目にかかれるとは思いませんでしたよ。
[名刺を差し出して]
私はこういう者です。
[名刺にはヒューバートの名と電話番号とメールアドレスのみが書かれている]
興味がおありかどうかはわかりかねますが、私の顧客の中にあなたのファンを自認する方がいらっしゃいましてね。是非、自分の好みの人形をあなたに作っていただきたいと……
もちろん気乗りしないのなら無視してくださって構いませんが、もし興味がおありでしたら、こちらにご連絡していただければ。
[愛想よく微笑んでいるが、その笑顔はどこか嘘くさい]
[コーネリアスを案内している途中出会うのは書簡の人物ヒューバート。
これを頼むといわれ再び書簡を手渡されるが]
ほ、ほ、ほ。
貴方もめげないお方ですな。主人は暫く出てまいりませぬと申しておりましょうに。
私は御来意の詳しきは存じ上げませぬが何かそこまでお気に召したものがございましたのか?
[少し逡巡するが、微笑んでモーガンに向かって答える]
私はただの代理人なのです。私の顧客の中でももっとも裕福で…もっとも無茶な注文をなされるある方が、アーヴァイン氏所有の人形のうちの一つにひどく執着されていらっしゃるのですよ。
実はね、私自身もその人形の特徴すら知らないのです。
『彼女を帰せ、そういえばアーヴァインにはわかる』
その一言しか聞かされてはおりません。
何でもその方が若い頃、一度事業に失敗したおりに、半ば無理矢理差し押さえられた人形であったらしいのです。人形はその後アーヴァイン氏の手に渡り、その後彼が再び財産を築き上げ、何度も交渉して買い戻そうとしたのですが…
アーヴァイン氏は決して交渉に応じようとはなさらないのだとか。
そこで私の交渉手腕を見せろ、と来たわけですよ。
[譲ってほしい…というよりも返してほしいという話。
ちと目を丸くして]
ほ?それはまた一体どういった人形でありましょうかの?
そういった話についてはおうかがいしておりませぬがのう…。
主人がよほど気に入っておるのか。
しかしながら貴方様も存じ上げぬものを流石に私めが探すのもまた無理なお話じゃろうて。
しかし主人が人形に対してそうも無理な手を使われるものなのかのぅ。
[モーガンの言葉に眉をしかめて]
アーヴァイン氏が無茶な手段で手に入れられた、というよりは、知らずにご購入して、困惑されているご様子にも見えましたが。
にもかかわらず、色よい返事はいただけない。
何か、返せなくなるようなわけでもあるのでしょうか。
[不安げな表情になる。どうやら、依頼人はヒューバートにとって絶対に逆らえない存在であるらしい]
まぁまぁ落ち付きなされ。
コーネリアス様には何も関係のないことです故な。
また改めてお話を伺うことといたしましょう。
彼女、ということは女性の人形であられるか。
ならそれこそお一人で探されるのは大変じゃろうて
あ、いえ。モーガンさんのお立場ではご主人を煩わせるようなことは言えますまい。せめて、手紙だけ届けていただければ……それだけでも感謝いたしますよ。
もちろん、私とて、非合法手段で人形を手に入れるつもりはございません。何しろ、当の人形の特徴すら知らないのでは、例えその気があったとしてもどうしようもありませんがね。
あくまでも、アーヴァイン氏にお会いして、許可を求めたいのですよ。金銭で贖えるものならば幾らでも…そう依頼人は申しておりますが、その条件は前々から変わらぬはずなので、おそらくはそうした問題ではございませんのでしょう。
コーネリアスさん、失礼いたしました。お聞き苦しい話であったかもしれませんね。
しかし不思議な。
困惑して受け取った物をなにゆえに渡さぬというのじゃろ。
実を申しますとな、先程コーネリアス様にも申し上げたのじゃがこの屋敷には人形の声が聞こえるというのですじゃ。
またあるものは夜な夜な泣き声をあげる人形すら見たことあるそうな。
もし貴方様のお探しの人形が本当にお帰りになりたいと思っておるのならきっとその声が聞こえるやもしれませぬぞ。
[モーガンに用があるらしい壮年の男に渡された名刺の名前にはどこかで覚えがあるような無いような。]
「ヒューバート・ランソン氏ねぇ。どこでどういう事を聞いたんだったか……」
[深くも考えぬまま、名刺をとりあえず財布に入れる。
ヒューバートがここに来た原因の以来の話を横で聞くともなしに聞いているが]
「へえ、“彼女”というからには、当然女性の人形なんだろうな」
[ちらりと上目遣いにモーガンを見て]
なるほど。帰りたいといっている人形を捜せと。
でも。
もしも人形の方が「帰りたくない」と言っていた場合はどういたしましょうかねえ。
こう申しては何ですが、依頼人はお世辞にも好男子とは言いかねる御仁でありますから……
彼の人が生涯妻をめとらず、一体の人形に執着し続けている理由もそのあたりにあるのでは、と口さがない連中は申しております。もし、人形に心があればああいうふうに執着されるのは嬉しいと思うのでしょうか、それとも疎ましく思うのでしょうか……
ああ、いや。口がすべりました。聞かなかったことにしてくださいね。
あ。
[部屋に戻ろうと二階に上がってくるとそこにいるのは来客の姿。前に見た銀髪の青年と父と同じ程の歳の男性。
取りあえずソフィーに頼まれた件を伝えようと傍まで近づき]
えっと…こんばんは?
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