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[チャンスは、一度だけ。
しかもそのチャンスを作れるかどうかも、分からない]
……賭けだな。
[口角を微かに上げて、笑う。
生垣の陰に屈んでその時を待つ。
――勝負だ、「白の騎士」]
[そうして少女は『祖母』と歩き出す。
老女の輪郭はとても薄く、話し声もひっそりとしていて、
傍目からは、白い幻影と少女の組み合わせに見えるかもしれない。
風のなるような老女の声。
けれども注意深く耳をすませれば、その声は聞こえるだろうか]
ああ、凄いな。見る事ができて、嬉しいな。
[ディエゴは扉を開ける。そして倒れ込むようにして、外の世界へと消えていった**]
[最初にそのヒトに気がついたのは、蝶だった。
友達によく似たその白い蝶は、ヒラヒラと花畑を先導し
不意に何かの上に舞い降りた。]
あれ……?
[何を見つけたのだろう。と近寄って見れば、本を抱きしめて白い花の中、体を丸める人>>+57
彼の視点では水底にいるのだが、もちろん少女の目には水は映らず、一面の花畑をだけが存在する。
白み始めていた空からはいつの間にか朝日昇り、金色の朝焼けが辺りを染める]
エドワーズさん……?
[その人影に近寄れば見知った人とよく似ていて、思わず小首を傾げる。
眠っているのならば、ゆり起こそうかと*草原に膝をつく*]
[あまり痛くない…つまり少しは
痛みもあるのだろうのは、心配だけれど。
自分に事情のあるように、彼にも事情はある。
言えないことも、言わなくてよいと思うこともあるだろう]
昔の怪我か。 その時は痛かっただろう…
今は、あまり痛くないなら、少しほっとしたけど。
うん、もし痛くなったら、
いつでも掴まれる手のあることだけは、忘れずに。
すぐ言うんだよ。
[案じつつも頷いたのは。
大切に想うことを分かってくれた今は、
本当に痛めば、言ってくれるだろうという、信頼の故。
彼の言葉>>+82と、歩調に遅れのない様子を信用して頷き。
会話に耳を傾けながら、歩みを進める*]
投票を委任します。
コンディトライ居候 ミッシェルは、店長代理 に投票を委任しました。
なるほど。
あなた達のいる世界を映し出す機械すなわちゲームの筐体。
それが存在しなおかつ閉店時間と開店時間が定められている施設すなわち、ゲームセンター。
そこがあなたの故郷なのね。
[話を一通り聞けば弾き出した結論を口にする。
そう、目の前で繰り広げられているのは、
間違いなくパズルゲームだ。
正確にはゲームの基盤となるソフトを造った場所が故郷のように判断できるが。
相手の認識違いを口にして話を停滞させる気はない。今は依頼人を前にしているのではないのだし]
[髪飾りの話に、そうだと頷く>>+91。
朝に咲く夏の花の話もしただろう。
二人が言葉を交わすことはなかったようだが、彼女のことを心に留めていたようだと知れば]
見つけられることを祈ってる、って言ってくれたよ。>>3:128
うん。探してる人に、会えてたらいいな。とっても優しい人だった。
[村にいた頃から、彼が隣にいる人の歩調に合わせて歩いていたことを思い出す。>>+98
あの日、二人で連れ立って、客で賑わう宿の談話室に現れた、彼と彼女の姿が、いま、共に歩く二人に重なる。
自分に言い聞かせるように、あるいは、心配をかけたくなくて“大丈夫”ばかり言ってきたけれど、それは差し伸べられた手を振り払うことだったのかもしれないと、今は思う>>+98]
[村にいたのは数か月程のことではあったけれど、他の場所が記録でしかなかった自分にとっては、唯一の世界に等しかった。>>3:122
傍らを歩く二人の、大切なふるさと。
彼女が扉の向こうで見たものを>>3:+7知ることはない。
彼のきつく握られた拳、その目の奥にある苦しみは、想いは、どれほどのものか。>>+88
いま、ひとりひとりの優しかった人たちの顔を思い浮かべたなら――その死に顔が目に浮かぶ。
彼らの背中から手を伸ばし、笑いながら貪り食らい、あるいは処刑台に追いやったいきものが、ここにいる。
忘れたからということは言い訳でしかない。きっと、記憶があったとしても、同じことをした]
[けれども、もう一つ確かなこと。
自分がひとであると思っていたころ、あの場所にいることが、出会った人たちと言葉を交わすことが、毎日が、心から楽しかった。
皆が好きだった。
一歩一歩を歩む道のりは、切り離せない自責と、郷愁にも似た想いと共にある。
けれど、返す刃で自身をただ傷つけて、その血で自らの視界を閉ざすことは、やめようと誓ったので。
引き裂かれた淵を、ひとつひとつ、静かに見つめる。
夢に痛みがあったであろうひとの前で、故郷を失った少女の前で、忘れ続けた――すべてを壊した自分が、この言葉を口にするのは、果たして許されることだろうか。
けれど、歌われた美しい旋律の中で、ひときわ心に残る一文があった]
“ゆめは、いまもめぐりて…
わすれがたき、ふるさと”
[静かに、囁くように。歌うように。
その言葉が二人の耳に届いたかは、分からない**]
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