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──病棟の外──
[抱擁はどれくらい続いただろう。
短かった気もするし、長かったようにも思う。
ココの目尻に涙が滲んでいる事をフリードリヒが気付けば、そっと手触りの良いハンカチーフを差し出されたろうか。]
まだ、離れたくないな……。
[甘えるように、身を委ねていたけれども、
やがてココも静かにフリードリヒを見上げた。]
…………。
[にこにこと満面の笑顔。]
10人目、半死半生 リリー がやってきました。
半死半生 リリーは、共鳴者 を希望しました。
[音を鳴らしたのは、腕につけてある時計のようなもの。
病―突然の生命活動停止―が姿を現すとその音が示してくれる。
しかし意に介さずに、本を読んでいる。
死んでいないかのように。
だが、本人にとっては慣れたことで、かつ簡単なことだと思っている。放っておけば、再び生き返るのだから。]
──病棟の外──
甘えん坊ですねえ。
[ほんのりと笑うだけで咎める様な素振りはなく。
顔を埋めたココの頭をゆっくりと撫でて、ココが落ち着くのを待っていた。
ココの目尻に光が灯っているのに気付けば、態勢はそのまま、ハンカチーフを取り出し、そっと押し当てる様に触れさせて。]
ここに居ますよ。
[ココが此方を見るのを待つように、ココの顔を見て。]
…………。
[ココが顔を上げれば、同じくにこにこ。]
──病棟の外──
甘えん坊ですねえ。
[ほんのりと笑うだけで咎める様な素振りはなく。
顔を埋めたココの頭をゆっくりと撫でて、ココが落ち着くのを待っていた。
ココの目尻に光が灯っているのに気付けば、態勢はそのまま、ハンカチーフを取り出し、そっと押し当てる様に触れさせて。]
ここに居ますよ。
[ココが此方を見るのを待つように、ココの顔を見て。]
…………。
[ココが顔を上げれば、同じくにこにこ。]
あのね、僕、フリッツに話したい事が沢山あるんだ。
その中でもね、とびっきり特別の話があるんだよ。
[もうそれはフリッツにも少しは伝わっていただろうか。]
合わせたい子がいるんだ。
[にこにこ。]
― 601(999)号室 ⇒ 食堂 ―
[生命活動がお勉強という学習を終えた後、食堂の端側の椅子にちょこんと腰掛けている。3(6)をもくもく食べていた。
1:ジャガイモ
2:薩摩芋
3:里芋
4:ヘルシーなポテトフライ
5:ポテトチップス
6:緑色の芋]
おやそれは……、
前に話していたカフェで出逢ったというあの?
特別な友達が出来たとは聞きましたが、
さてはて。
どんな子に合わせて貰えるのか楽しみですね。
[抱擁を解き、人差し指を顔の前に一本立てて。]
それでは、その子に合わせて貰いましょうか。
[ココへのプレゼントを胸に抱え直すと、
ココの電子制御の車椅子の横に並んだ。]
人型の さぼてんは、おまかせ に希望を変更しました。
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