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エルフの戦士 エステル は 街の野鍛冶 ソレックス の求婚を受け入れました。
温泉の鍛冶師 ミルファーク は エルフの戦士 エステル に投票してみた。
巨力の戦士 サイラス は エルフの戦士 エステル に投票してみた。
劫火の鍛冶師 ギャラン は エルフの戦士 エステル に投票してみた。
宿屋の女将 グレダ は エルフの戦士 エステル に投票してみた。
エルフの戦士 エステル は 宿屋の女将 グレダ に投票してみた。
街の野鍛冶 ソレックス は 宿屋の女将 グレダ に投票してみた。
竜王御前試合お手伝い ネジマキ は 温泉の鍛冶師 ミルファーク に投票してみた。
温泉の鍛冶師 ミルファーク に 1人が投票した(らしい)。
宿屋の女将 グレダ に 2人が投票した(らしい)。
エルフの戦士 エステル に 4人が投票した(らしい)。
エルフの戦士 エステル は村人達によってたかってぶち殺された。
街の野鍛冶 ソレックス は エルフの戦士 エステル との赤い糸の切断に失敗したようだ。
人狼は食い損ねてお腹が空いているようだ。
しぶとい奴は温泉の鍛冶師 ミルファーク、巨力の戦士 サイラス、劫火の鍛冶師 ギャラン、宿屋の女将 グレダ、竜王御前試合お手伝い ネジマキ の 5 人だと思っておこう。
最後の工程だ……!!
神鉄とそれから竜の鱗の準備できているか?
[ミコがコンテナの中の竜から頂戴した鱗と、それから小石程度の大きさの金色に輝く金属を持ってくる]
これがリーマン・ハンマーズの結晶であり、これがリーマン・ハンマーズの最後の作品だ。
[竜の鱗を繋ぎとして、神鉄を刀へと埋め込む]
―――せやァッ!!
[その、最後の一瞬は、半ばは意地のぶつかり合いであっただろう。
最後。
ロサに魔力の補助を加えた一撃は、エステルの魔力が集中した射陽を跳ね飛ばした]
―――ありがとう、エステル。いい戦いだったよ。
[敬意の言葉とともに、竜器の全てを失ったエステルに、ロサのその先端を突きつける。
竜巻が収まると同時に、それが、戦闘の終焉を告げたのだろう。竜王の宣告が先か、エステルの言葉が先か。試合の終わりが、告げられる]
― 御前試合 ―
[視界を奪う砂嵐の向こうから、その暴風に耐え前進するグレダの赤い服が見えた。>>0
ごつ、と硬く重い感触。
予想外の衝撃に左手は耐え切れず、チェーンクロスを取り落とした。
竜巻が消し飛んで、波の音と遠い歓声が響く中、眼前にデッキブラシが突き付けられる]
こちらこそ、ありがとう。
――私の負けだ。
[何も持たぬ両手を挙げる。
程無く、竜王が試合終了と、グレダの勝利を告げた]
−翌日−
[カタカタカタカタ]
竜王御前試合ノ!最終試合!
サイラス・ノーブライン対グレダ・ナクピアガ!!
決闘ノ環境ハ煉瓦の町並みトナリマス!
両名、遅レヌヨウ試合会場マデオ越シクダサイ!
両者ノ会場入リヲモッテ、試合開始ノ合図トサセテイタダキマス!!
−寸刻のあと−
…いや、強かった。
[掛け値なしの本音を込めて、そう漏らす。
最後のその一瞬まで退くことなく魔法に全霊を込めたその一撃は、押し切られたとて何の悔いもないほど。
それだけに、試合が終わったあと。
会場を出てから、エステルにもう一度、感謝を伝えたいところであったが、それは叶ったかどうか]
さ、試合もあとは明日でおしまいだ。
何はともあれ、ウチに帰ろうか。
[ミルファと、あるいはギャランとサイラスに告げて。
決勝戦の前には、少しばかり長いインターバルが設けられる。
そのことを補足して、宿への帰路についた]
せっかくだから、温泉の鍛冶師 ミルファーク は 巨力の戦士 サイラス に投票するぜ!
せっかくだから、温泉の鍛冶師 ミルファーク は 竜王御前試合お手伝い ネジマキ に投票するぜ!
おおおおおお!?
なんだあの竜巻は!!エステル殿の魔法か!!
なんと恐ろしい、あの可憐な姿からは想像も出来ん規模だ。
いや…だからこその戦士なのだろうが。
[彼女が生み出した竜巻>>4:70の軌道を目で追いながら、対する
グレダがどう出るのかを見守った。]
それでも動かぬか、グレダ殿は―――!!
[退いてどうなるわけでもないからと言って、自棄を起こして
いるわけでもない。まだあの状況を打破出来る…いや、
打破してみせるとの気迫で以って立ち向かうだろう姿が在った。]
─ 試合会場 ─
おわ……った……?
[巻き上げられていた砂の落ちる、雨のような音がする。
わたしは席にぺたんと座った]
終わった……。
[実際は短い戦いだったのだろう。
でも、わたしには丸一日くらいに感じた]
/*
…しまった。改めて読み返して確認したけど、最後の魔法を放った竜器は清流だったね…。
いかん、ケチをつけてしまった気がしてならない。
ごめんよエステル…
― 試合の後 ―
すまぬな、ソレックス殿。
負けてしまったよ。
[試合終了の宣言がなされた後、真っ先に向かったのは勿論相棒の所だった。
回収した竜器は、どれも酷い損傷はしていない。
ただ、エステル自身はといえば、右腕の動きが大分ぎこちなくなってしまっていた。
おまけに全身砂塗れである。
エルフ族らしい優雅さとは程遠い姿だった]
サイラス、さてどうしたものか!
俺達の決勝の対戦相手は、グレダ殿のようだぞ。
[竜巻が消える、そこで試合終了の合図が掛かった。
どちらが勝者でもおかしくないその戦いの中に、相棒は
何を見てどう感じただろうか。
男は反応を見るかのような物言いで、試合会場へと視線を
巡らせて、最後に相棒の顔を見下ろした。]
更新時間が24時間延長されました。
おっと。
そういえばそうでしたな!
うっかりしておりました、すぐ後に試合が来るのかと…。
それでは我々も一緒に戻る事にしましょう!
[相棒が男の問いにどのように答えたにせよ、今は何も返さずに
時間が出来たことを示すグレダ>>2とミルファークの後に付いて
宿へ戻ろうと歩き出す。
しかし、その際に相棒の耳に近付き囁いたのは
あまりにも緊張感に欠けた提案だった。]
サイラス、もし宿の手伝いなど何も用事が無ければ…
少し遊びに出ないか。
[時間が出来たなら、修理箇所を絞った武器の再調整も
行うべきだが、それはまた後からでも出来る。
明るい内にこの街を周り、その中でいくつか話もしたい。]
[ついでに…相棒の財布の細工もしておきたいし。**]
ほおおおおおお〜〜、すっげえ、竜のエネルギーのかたまりだ!
[エステルの放った魔法が、砂をまといながらグレダへ向かう。
グレダの姿は砂におおわれ見えなくなったが、やがて現れたのはエステルにデッキブラシの先端をつきつけるグレダの姿だった。]
年の功対決、すげー。
[悪気はない。]
どうしたものかなあ〜〜。
グレダさんにゃ世話んなってる分、精一杯がんばらねぇ失礼だよなあ〜〜。
[相棒の顔を困ったような顔をして見上げながら、情けない声で返す。
観戦中、ない頭をふりしぼって考えようとはしてたのだ。
だが結局は、でたとこ勝負でいくしかないと思って]
ここまで来たしなあ。
勝ちたいよなあ。
[気合いを入れ直すように、ぱん、と自分の頬を両手ではった。]
[みんなで連れ立って宿へ戻ろうかというときに、相棒から予期せぬ耳打ちをうける。]
お、……いいぜ!
試合始まってからはそっちばっかで、全然見てらんなかったしな!
[つられて小声になりながら、にやっと笑った。
そういえば、財布の盗難防止対策もしてもらっていないし*]
/*
あれだ
せっかくタッグなのに
・竜器がへぼくて戦士が力を発揮できない
・戦士がへぼくて竜器の力を引き出せない
の展開がないな。
昨日のログで見落としがあるかもしれんけど
ま、相方をdisるロールってやりにくいよね。
俺は鍛冶師がアレだから幾らでもできるけど、結局持ち上げるロールになったしな。
[ 砂塵の大竜巻、その大きさにうちながら信じられないと目を見張ります、けれど、けれどこの後の無い状況。
間違いなくエステルは切り札を切ったのでしょう、そうそう使えるレベルの代物では無い事位、簡単に分かります。 ]
[ しかし、その砂中を怯まず前に進んだ女将によって、その保持は阻まれて――
次にうちの耳に届いたのは、エステルの投了宣言でした。
思わず言葉が出そうになるのをぐっと飲み込んで、ぐじ、と潤み掛かっていた目元を袖でこするのでした。
泣きそうな顔なんて見せれない、と思ったのですがどれだけ誤魔化せているでしょうか。 ]
グレダ……おかえり。>>2
[まだ涙でうるうるしたまま、グレダを出迎えて。
最初の戦いと違って、なんだか、「おめでとう」は違う気がして。
考えた末に]
ありがとう。
[おかしいかな、とちょっと笑った]
インターバルがあるんだね……。
なら、少し、手直ししたいかな……。
[勝ちあがった候補を見れば、
たぶん、最終戦はサイラスさんたちだろう。
あんな大きな人を相手にするならば、それに合わせた調整をしたいと思った]
[わたしとグレダは間にカティちゃんを挟んで、手をつないで帰った。
アルゴルは、わたしとメリッサの間を、ころったした体の割には素早くついて来ている]
[なんだか平和な形だな、と思った]
ソレックス殿……。
[観客席に向かうと、目許を赤くした相棒>>+4の姿があった。
何も言わず堪えているかのような彼女の頭に、ぽふ、と手を乗せて]
ソレックス殿も、徹夜で竜器を造って疲れたであろう。
決勝までは少し時間がある。
何か美味いものでも――いや、先に湯浴みかな。
[さすがに汗と砂塗れのまま食事というのもないだろう。
何処かに入浴できる場所はないかと、ソレックスに訊ねた]
― 西の村・夜・星の見える丘 ―
出来たぞ。新しい竜器だ。
[リーマンは一昼夜時間を費やして、完成させた竜器をサイフラに差し出した。
【竜滅】のように無骨で、【聖没】のように流麗で、【無至】のように静謐で。
そして【アル=サイフラ】のように神々しい刀だ。
それお手渡すとリーマンはどっかりと腰を下ろす]
それ以上は俺には出来ない。
だが、もしかしたらそれ以上の物があるかもしれない。
だが、それ以上をお前が持つことはないだろう。
それは本来の意味で、お前だけのための竜器だ
[そのリーマンの顔には色濃い疲れが刻まれている。
髪のいくつかは白く染まり、頬はげっそりと痩せこけている。
でもその表情は清々しいものだった]
[感覚が完全に戻った両手を閉じたり開いたりする。
この竜器が出来た時、リーマンの体を苛んでいた恐怖心は完全に打ち払われていた。
確信しているからだ。この竜器とサイフラならばきっとあの邪竜を倒せると]
まあ、天才が本気で打った竜器だ。
これを持って負けるはずはないだろう。
[踏ん反りかえりつつ星を見上げる。
久しぶりに星を見た気がする。空を見上げた気がする。すごく綺麗な星空だ。
孤児院に居た時は空が近かったから、よく星空を見上げていた]
あ、そう、ありがと。
[新しい刀を受け取るとさっさと宿屋への道を戻る。
ほかに何も言うことなどない。
ただ一つだけ質問を投げかける。]
これがあれば俺たちは試合に勝てたか?
[星を見上げたまま、労いの言葉一つ無しか、と苦く笑う。
それからサイフラにあっさりと答える]
他の竜器ながらばともかく、それを使っては絶対に勝てないな。
―それから街に繰り出したわけで―
[一時宿に戻った後、何か宿の手伝いがあったならば
まずはそちらに専念し、時計の針が大きく回って落ち着いた頃]
ふむ、そろそろ出掛けても良い頃合か。
[積もる話もあることだし、と。
サイラスと二人並んで街へと出た。]
はっはっは、おいおい。さっきお前は言っていたが…
お世話になっていなくとも、対するからには精一杯力を
出し切って頑張らなくてはならんだろう!
そうだ、ここまで来たんだ。
俺は勝ちたいが…実際に戦うのはお前だ、サイラス。
俺は俺なりに万全を尽くす。
だからと言って、お前に絶対の勝利の約束を押し付けたりは
しないがな。
[その途中、話は第三試合終了後まで遡り>>9
あれだこれだと話す内に「グレダとどう対するか」と
繰り返していた。]
そうだな。
[足を止めて振り返る。
アサドは思っていた。この刀があれば勝てたはずだと。
最高の鍛治師が最高の竜器を作り上げた。自分がそれを振るうなら負けるはずがないと。]
間違えていた。
[そうだ、なんて間抜けで醜い思い違い]
それでだ。
俺はお前に決勝に臨むにあたり、いろいろと伝えておこうと
思っていたのだが…やめた。
その辺は俺よりもお前の方が見えているだろうしな。
[見ていないようで見ている相棒の視点を思い出して、
彼の閃きの妨げになりかねない余計な事は言うまいと]
グレダ殿の戦い、ミルファーク殿が造った竜器。
お前もしかと見ていただろう?
正直言うと…直前になって法や策を講じてどうにかなるような
レベルのものではない。
だから、最後まで真っ直ぐ行けば良いと思った!
『要するにいつも通りで行こうぜという奴です。』
[スズメが一言で済ませてしまった。
苦虫を噛み潰したような顔を後ろに向け、そもそも話す事は
そちらではないと気を取り直す。]
[この刀はリーマンが植え付けらた恐怖を跳ね除けて作り上げた刀だ。御前試合に勝つためでも、自分の力を誇示するためでもない。
ただただ邪竜を倒すために作り上げた純粋にして最高の竜器だ]
[アサドは意を決する。できるかどうかはわからないが、自分には義務がある。
己が未熟さが招いた災厄を刈り取る義務が。
リーマンの想いと技に応える義務が。]
リーマン、馬を借りる。
明日の昼までには戻る。
次の日没が決戦だ。
[今度こそ背を向けて歩き出す。自分に足りないものを埋めるために。]
―宿を出ての散策で―
うーん。だよなあ。
ジミーとの戦闘んときに頑張ってないとかじゃねえんだけどさ、
俺のやり方はグレダさんに見られてるわけだし、
グレダさんの戦ってるとこみて、対策を考えてみようとしたけど思いつかねえし、
そんでも泣き言いってらんねえし、精一杯やんなきゃな〜〜ってさあ〜〜。
[髪の毛をぐしゃぐしゃとかき乱しながらぐちぐちと相棒>>14に返事をして]
勝ちてえよなあ。
うん、勝つよ。
だって、俺もお前も、今まですっげえ頑張ってきたもんな。
[それは約束というよりも決意に近い。]
[やがて話が盛り上がるうちに、唐突に相棒が何かを切り出そうとしてきたが>>15]
へ?やめたあ?
[やめられてしまった。
お前の方が見えている、という言葉にはしかめっ面を作って手を顔の前でふって「ないない」と]
ギャランの方が頭良いんだから、気づいたことがあったら教えてくれたっていいだろ?
でも、まあ……お前がそう言うんだったら、いっか。
[口を割れとせまっても受け流されるだけだろうし、相棒の判断を信じているから。
ふわあああ、と大きく伸びをして]
うん、俺は俺の出来ることをやり切るだけだ。
してねえとは思うけど、竜器もいつも通りの調整だけでいいからな。
お前の作る竜器は、いつもそのまんまで最高なんだ。
おうよ!いつも通り、まっすぐ突き進むだけだ!!
[スズメとギャランのやり取りに、あっはっは、と笑い声を飛ばしながら。]
[声をかけずにサイフラの背を見送る。
それからまた星を見上げる]
……あ、竜器に名前つけてなかったな。
えーっと、聖没して、竜滅して、無に至り、新生する。
だから新生かな。
いや生を星の字にして新星(スーパーノヴァ)とか良いかな?
[その時、サイフラの駆った馬の嘶きが聞こえた気がした]
……とりあえず【アサド】でいいか。
『アミナ樹の油を使うのは?』
……でも、あれは熱に弱いよ。
シュシュ椿油の方がまだいい気がする。
『それなら、リーマン・ハンマーズの店で見たわ』
あ……確か、1回戦で戦った……。
『女将さんのこと「姉さん」って呼んでたらしいわね』
えっ?
姉さん……って、姉弟ってこと?
え、え……?
[そんな雑談をしながら、
わたしはアズゥの歪みを直し、ロサを磨く。
簡単な作業なので、宿屋の一室だ]
あのね、
最後の人は、火の竜なんでしょう。
ちょっと思うんだけど……。
[きれいになったアズゥには、早速水を溜めて、
アルゴルが浸かっている。
本人は水漏れの確認と言っていたけど、たぶん普通の水浴び。
それをつついてカティちゃんが遊んでいる]
炉がものすごく熱く燃えてる時に、
そこに水を落とすと、ぼんってなるんだよね。
火も水も火事場には必ずあるから、注意するようによく言われるの。
あれ、使ったら魔法以上にすごいことにならないかなあ。
しかも、魔力が要らないっていう。
『でも、それは相手も同じでしょう。
たとえば、溜まった水に、熱した物を入れてもそういうことになるんでしょう?』
よほど大きなものだったらね……。
『それに、女将さんは魔力があるのだもの。
わざわざそれを使うより、魔法を使った方が早いわ。
どちらかというとそれは、魔力がない戦士向けの作戦じゃないかしら』
[うーんそうか、とわたしは返す。
ブラシの、ヒゲが抜けた部分を埋め直しつつ]
……でも、
メリッサとこんな話をするようになるなんてね……。
『あら。
確かに湖の町の蜥蜴人の中では、鍛冶師はそんなに地位が高くないけれど……。
でも、私も興味がないわけじゃなかったのよ』
[でも実際のところ、戦士視点の意見というは、貴重だったりする。
わたしはメリッサには細剣しか作って来なかったけれど、
メリッサ自身は細剣だけを使ってきたわけではないのだ]
……はい、はいそうですね。
終わったら何かうちも、気が抜けちゃいまして。
エステルさんもじゃりじゃりですし一回店に戻ります?
水浴びぐらいなら。
[ あれだけ大きい砂嵐の渦中に居たんだ、しこたま砂を被っているのは端々の汚れで分かるし、早く流したいのは誰でも同じだろう。 ]
……その、使ってみて、どうでした?
[ その道すがら、少し声色低く聞いて見ます。
やっぱりうち、気になります。]
−家路−
「おかえり」
[戻って、迎えられたその言葉に、おや、と眉を上げる。
次に浮かんだのは、満面の笑み]
ん、ただいま。
[戦いの場から戻ってきた。
それを迎える言葉の、なんて嬉しいことか。
思わずくしゃりとその頭を撫で、自分も自分もとせがむカティをくしゃくしゃにしながら、頷く]
ありがとうなんて言わなくていいの。
そういう時はね。
こうすんのさ。
[カティを撫でていた手を止め、ミルファの右手を挙げさせる。
ぱちん!自分の右手をその右手に打ち合わせた]
気付いた事、な。
具体的な策など浮んでいないが、そうだなあ。
グレダ殿は決して退かん。
意地でもどうにかしてみせる、切り抜けてみせるという気迫が
遠距離からでも感じられた。
それに対していらぬ考えは持つな、と伝えておこうか。
決して見くびるな、見下ろすな。
……それはお前が良く解っている事だろうがな。
[人を馬鹿にする、それがどれだけ愚かなものかは、実際に
その身に感じた事のある相棒も良く理解出来るはず。
人を心から見下ろした時に生じる隙は大きく、空しいとも。
しかめっ面を浮かべる彼へと>>17ひとつ、それだけ。]
やったね!ってね。
そりゃ、戦ったのはアタシだけど、勝てたのはミルファの作ったロサとパラとアズゥがあってこそさ。
いいかい。
この成果はアタシたちふたりのもんだ。
この勝ちは、アンタのもんでもある。
だから、いっしょに喜べばいいんだよ。
[とはいえすぐに考えを変えるのは難しいだろう。
だから、付け加えた言葉は、『憶えとくんだよ』だ。
これから少しずつでも、変わっていけばいい。]
ああ、最後のアレ、結構派手に食らったからねぇ。
竜のブレス食らったかと…いや、大した使い手がいたもんだ。
[戦士の扱う魔法はすなわち竜の力を引き出すものでもあって、理屈の上ならば竜のブレスを再現することも不可能ではない。
けれど、実際にそれをやって見せる戦士がいるとは。
それは同時に、それだけの魔力を顕現させる鍛冶師の腕前に直結するものでもあって。
本当に。よく勝てたものだ。我ながら]
明日はいよいよ決勝だからね。
念入りに頼むよ。
[手直しを。そういうミルファに、頷きで返す。
遠慮はしない。
ミルファに仕事を頼む。そして、自らもそれに恥じぬ働きをする。
戦士と鍛冶師は、そういった間柄であればいい。そう思う]
よぉーし、今日も晩御飯は奮発しよう。
好きなもの作ってあげるよ。
メリッサ、アルゴル。
アンタたちも遠慮するんじゃないよ?
サイラス、ギャラン、アンタたちもね。
[手を繋いだカティがぶら下がるように体重をかけてじゃれついてくるのをぶらぶらと引っ張り上げながら。
連れ立って歩く者たちに振り返り、念を押した]
話したいのはもうひとつあってな。
御前試合が終わった後の事なんだが、どうしたものかと
悩んでいてな。
……お、これは良さそうな素材。
[固いめのゴムが螺旋状に巻かれた紐状の何か。
屋台通りにてそれを発見して、丁度良いと適当な長さで
購入した。]
……聞いてくれるかな?
[びよん、とゴムを伸ばしては相棒に向けて離し。
何の為の物かと問われたならば、財布の細工の為のものだと
答えるだろう。]
うむ、ではそうしようかの。
[ソレックス>>+14に頷く。
それから、竜器の使い心地を問われて]
申し分ないよ。
シンプルではあるが、その分丈夫さと扱い易さに信頼がおける。
それに――
[目を閉じ、ふ、と笑みを漏らす]
正直に言って、最後は賭けであった。
魔法の力だけで、相手を押し留められるかどうかの、のう。
結果は負けてしまったが――何が起こったかは、そなたの目にした通りよ。
[竜の息吹を再現出来る戦士は、そう多くはいない。
本人の魔力のこともあるが、それ以上に全てをその一撃に賭けられるか、それを放つだけの信頼を竜器におけるかという精神的な要素も重要だ]
私はそなたを信じて戦えた。それが答えだよ。
−ミルファの部屋−
お、やってるね。
ほら、差し入れだよ。
[風呂を沸かしている間に、カティが祭りの屋台までお使いして買って来てくれました。
太目の串にとろりとまとわりついた飴菓子を、ミルファとメリッサ、それからアルゴルの口に一本ずつ放り込んでいく]
甘いものがダメならこういうのもあるからね。
仲良く食べな。
[告げて、パンの間に甘辛く味付けをしたヌードルを挟んだ主食on主食も置いておく。
ご飯はご飯、夜食は夜食。ただし祭りの間に限る。それがナクピアガ家の流儀だ]
そんじゃ、アタシは明日の朝ご飯の下ごしらえと洗濯物の片付けやってるから。
なんかあったら言うんだよ。
[告げて、ミルファの部屋を後にする。
ミルファに対して、条件として、家族と家があることを告げたのは自分だ。
ミルファがそれを受け入れた上で自分を戦士に選んでくれた以上、自分もそのことを曲げたくはない。
例え今日の試合がで消耗していたとはいえ。例え戦士としての大一番が明日に控えているとはいえ、宿屋の女将として、ナクピアガの家の母としての仕事をおろそかにはしたくない]
ひゃあ。
[右手がぱちんといい音>>22を立てれば、
変な声を上げたが]
……分かった。
[しっかりと頷いた]
任せておいて、グレダ……!
─ ちなみにメリッサ ─
『そう。じゃあ遠慮なく。
夕食はマロマロ鳥がいいわ。
リカ実の冷製ソースをからめて、銀胡椒でピリッとさせたものね。
着け合わせはニンジンとキュウリとモシモのサラダね。
ドレッシングはタルタル醤油で。
スープはマンモス骨でダシを取って、ベーコンとオニオンを入れた物がいいわ』
……メリッサは、ちょっと遠慮した方がいいと思うよ……?
ありがとう。
[口の中で飴>>27をころころしながら、わたしはお礼を言う。
両手がふさがっているので助かった]
あ……洗濯物はアルゴルが出来るよ……。
皆が上がったあと、お風呂に浮かべて置いたら、
アルゴルがきれいにして脱水までならしてくれるから……。
その後、わたしが干しておくね。
『全く、ミルファ君は、相棒竜をなんだと思ってるんだい?』
……やってくれるよね……?
『……今回だけだからね』
いらぬ考えなあ。
見くびりなんか、しねーよお。
お前も知ってると思うけどさあ。
[しかめっ面から力を抜きながら、相棒の言葉>>23に目を細めた。
男の大きな見た目と怪力に反比例して少ない魔力などから、
力で押切るだけの戦士だと嘲笑されたことも少なくない。
まあそー見えるよなあと思うから特に言い返しもしないし、
他人の戦い方に抱く憧れをを隠したりもしないが]
俺は戦士として誰かの上に立ったり、下にいたりすることはねえよ。
俺は戦士で、グレダさんも戦士だ。おんなじだ。
絶対に退かない。
[男にとっての事実と決意を、声に出した。]
へえ?
え、えっとおおお??
[先ほどのかっこつけた声とは一転して情けない声だ。
御前試合が終わった後のこと、という切り出し方に内心どきりとしてしまう。
飛ばされたゴムが胸元で跳ね返る。
落とす前にあわてて手でつかまえた。
懐から財布を出すと、相棒に預けて]
あ、おおおおおう!!もちろんいいぜ!!
どんどん話せ!!……うん!
[平静を装うとするが、どうしても声はどもるし視線は泳ぐ。]
[ 信じて遣えた、その一言だけでもうちは嬉しくて今度こそ本当に泣いてしまいそうです。
いや、そんな訳にはいきません。
またまたぐじぐじと、それこそ何度も擦って何とか、何とか普段と同じようにうちはこう言います。 ]
――折れず曲がらず錆びず、長く遣えるがうちのモットーですから。
魂たれ、です。
[ そう、おじいの代から変わらないモットーです。 ]
うむ。そう言ってくれると思った。ならば安心だな!
何があってもお前らしいお前で在れ。
戦い方に注文は付けない。
何故ならお前は…火山そのものだから!!
『鳴動する火山は、何者にも制する事は不可能ですからね。』
[相棒の答えを聞いて心底安心したか、少しばかり大人しく
していたが、熱気再び。>>32大分本調子を取り戻したようだ。]
いやいや、注文が細かいほうが分かりやすくって助かるよ。材料も一通りは揃うしね。
[本当に遠慮のないメリッサ>>30に、思わずくつくつと笑みをこらえながら]
けど、マンモス骨の出汁はこれから取ってたら間に合わないね。
ペラアゴの乾物でいいのが入ってんだけど、魚出汁は苦手かい?
[そうしていくつか聞いているうちに、ミルファから手伝いの申し出>>31]
おや、いいのかい?
そりゃ助かるけど…
でも、まずはミルファの仕事を優先しとくれよ?
[戦いの場が仕事の場である戦士と違って、戦っていない今が、鍛冶師の仕事の場だ。それを妨げはしたくない]
…それが分かってんなら。
お言葉に甘えようかねぇ。
[おそらくその申し出は、『ウチの子』としての働きの申し出でもあっただろうから。
だから、その気持ちは有難く受け取っておく]
『なーなー。カティはー? カティもお手伝いするー!』
お、なんだいなんだい。どんな風の吹き回しだい?
『カティはミルのおねーさんだからっ!だから、ミルがおてつだいするならカティもするのっ!
おねーさんだからね!』
んー…あー…
[訂正しようかどうしようか、ちょっと迷う]
…まぁ、いいか。
[迷った末に、妥協した]
それじゃ、食堂の拭き掃除でも頼もうかねぇ。
食卓をぴっかぴかにするの。
お客さんも使う大事な机を綺麗にする大仕事だよ。
できるかい?
『まかされよー!!』
[そういうことになった]
[対して、一転して調子の狂った声を上げる相棒に>>33
笑いを堪えきれずに噴出してしまう。]
ぷっ……どうしたどうした!そんな情けない声を出して!
何、たいした事じゃない。
当初の予定では、御前試合が終わったら真っ直ぐに故郷へ
帰るという話だったな?
それをやめにして、旅に出ないかと言いたくてな。
手始めに雪を見に行ってみようかと。
[そこまでを一気に語り、受け取った財布を弄っては
ゴムを通す。後は適当な金具を造って取り付ければ良い。]
お前の力と俺の武器がどこまで通用するのかを知りたい。
故郷には無かったものがどれだけあるのかが知りたい。
ただ、これは俺の我侭だからな!
お前は無理に頷く事は無い。急な話だし、お前にとって
興味を誘うものでなければ断って構わないからな!
返事は試合が終わってからで良いぞ!
[自分自身は相棒の為に存在すると決めている。
だから彼が断れば諦めるつもりだ。]
せっかくだから、宿屋の女将 グレダ は 竜王御前試合お手伝い ネジマキ に投票するぜ!
せっかくだから、劫火の鍛冶師 ギャラン は 竜王御前試合お手伝い ネジマキ に投票するぜ!
さすがカティちゃん……。
や、カティお姉ちゃんね……。
[その様子がほほえましくて>>36、わたしはふふっと笑う。
どっちがお姉さんかは……うん、どっちでもいいや]
『ペラアゴね……。それでもいいわ。
代わりにおぼろメルティ昆布を浮かべてね』
─ そして ─
……グレダ、
試合の前に一旦全部触って見てね。
パラは少し削って軽くしたの。
最初は重くしようと思ったんだけど、サイラスさんは防御力も高そうだし、
ちょっとくらい重くなっても変わらないと思ったから……。
それならいっそ、軽くし、代わりに栓の形をシャープにして、
振り回しやすいようにしたよ……。
アズゥは逆に少しだけ厚くしたよ。
防御力は上がったはず……。
ロサは、ブラシのヒゲを増やしたよ。
前より精密に「集める」効果を使えるよ。
せっかくだから、巨力の戦士 サイラス は 竜王御前試合お手伝い ネジマキ に投票するぜ!
ん。そのくらいだったらお安い御用さ。
期待して待ってておくれよ。
[料理の腕前は、さほど悪くはないと自負している。特別得意でもないけれど。毎日自分たち家族の分と客の分、賄ってきた分だけの腕はあるつもりだ。
最後にメリッサの注文を受け取って]
そんじゃ、支度ができたら呼ぶからね。
ミルファは仕事のほう、がんばっとくれよ。
[言い置き、部屋を後にする。
決勝戦の前夜は、至って静かに更けていく]
……そうであったな。
[ソレックス>>+16の言葉に、く、と笑って]
あの若造が、言うようになったものだのう。
だが、根っこの所は、変わらぬままであったようだの。
[孫へと受け継がれたその信念に、懐かしむように目を細め]
おっと、しんみりしてばかりも居られぬの。
まずは体を清めねば。
[互いに話したいことはあるだろうが、立ち話というのも何だろう。
と、ソレックスを促すようにして『ブルースチール』へ向かうことにした]
おう!!火山だ!!
俺もお前もスズメちゃんも、火山だ!!
うおおおおおおおおお!!やるぜえええええええええ!!
[握りこぶしを空に突き出し、思いっきり吠える。]
[その勢いから反転、相棒の切り出す話をおろおろと待っていると
その様子がおかしかったらしく笑われてしまった。
続いた言葉に、体のこわばりをようやくといて]
旅かあ!!ああ、旅かあ!!
それって一緒に行くってことだろ!?
当たり前だぜ行くよ行く行く!!俺も北の方行ってみたいって行ったろ!?
ああああ〜〜〜、そっか〜〜〜、旅かあああ〜〜。
いやーてっきり
[「他人の武器も作ってみたい」などと言われるかと思った、のだが]
てっきり、あ、いや、……なんも考えてなかったわ!
バカだから!俺、バカだから!
[なんだか己の思考がてれくさくなって、あはははははと笑って誤魔化す。]
旅に出たらさ、もっといろんな奴と出会えて、戦い方とか、武器の種類とか、
どんどん知ってけるよな!!
よっしゃ行くぜ!!どんどん行くぜ!!がぜん行くぜ!!!
―負けた日の夜―
「…で、結局どうすんだ?」
[…綺麗に負けた、と言えるのだろうか。
負傷は軽い物ばかりで、身体を動かすのに支障はない。
竜器に関しても、ククリは完全には壊れていないお蔭で何とか明日までには修復できそうで…]
…受けようかと思ってる。
確かに、普段みたいに慣れた土地じゃ無いけど…
それでも、一応俺は戦士なわけだしな。
人とは戦えて邪龍とは戦えないとか、根本的に間違ってるだろ。
[話題に上るのは、声をかけられていた邪竜退治の事。
…王都の北に出たと言う、川の邪竜。
得意というわけではないが相手をしにくいわけでも無い。
一日ほど下調べに使って戦場や戦術を決め、
普段と同じように生還最優先で戦いを仕掛ける。
…やる事は、何も変わらない。]
そうですね、戻って手当てとか。
救急箱はありますから。
[ それでも折角なので戻る道中に屋台での買い食いをしながらに戻るのでした。
『ワガハイも食べたいのである!』とのペチりもありましたので。 ]
−それから−
ふむ。
[プラテァド・パラ、アズゥ・アセプタ、ロサ・エンクァガル。
決勝戦に向けて仕上げられた三つの竜器の、そのひとつひとつを実際に手で触れ、軽く振り回し、魔力を循環させてその感触を確かめる。
目に見える違いはさほどでもないが、それぞれがより手に馴染み、それぞれの働きに最適化されたことが、感触で分かった]
ああ、十分だ。
サイラスとギャランにゃ悪いが、負ける気がしないね。
[に、と笑みを浮かべて告げる。
元より負けるつもりなどはないが、それにも増して、これらの竜器は自信になる。
あとは、それを結果にすればいいだけだ]
明日の試合、勝つよ。
[ここまで勝ち進んできたのだから、と、思わないでもない。
勝ち進む上で、負かした者たちから、勝利を奪い取ってここまで来たのだから、と、思わないでもない。
けれど、それよりもなによりも、今は。
この竜器を仕上げたミルファの力を、皆に見せてやりたかったし、勝利の高みを、『ウチの子たち』に見せてやりたかった。
戦う理由は、それだけで十分だ。
武器と呼ぶにはいささか珍妙な竜器を背負い、明日、グレダは決勝の場に臨む]
―下調べの一日―
[…邪龍が居ると言う川まで数刻、
更に川から少し離れた所にテントを張るまでさらに数刻。
作業を終える頃には太陽はもう頭上を過ぎていて。
テントの中での昼食は、ちょっとわびしい保存食。]
…屋台に慣れた後だと、ちょっとつらいな。
「言うな。飲み水あるだけマシと思え。」
…火、使いたいな。
「文句は邪竜に言え。邪竜が川を溢れさせてっから燃やす物が無いんだし。」
[干し肉と固焼きパンだけの食事は、地味に心を荒ませる。
…せめて火が起こせればスープっぽくもできたけど、
川周辺どころか離れた土地まで湿っている現状じゃそもそも燃やせる物が無い。
テントの中で二人して、深く溜息を吐きだした。]
ああ、そうだ旅だ!
……てっきり?
[何か、引っ掛かるものがあった。>>44
何も考えていないと言う、これは確実に何かを隠した様子。
しかし、追求はしない。
今の彼の言葉、その態度が全てだからだ。]
試合が終わってからで良いと言ったのに、もう答えか!
よーし、ならばその為の準備もせねばならん!!
一回りして遊んだ後は、急ぎ戻って試合の準備に掛かるぞ!
旅の荷物の点検は任せろ、おやつは買い込むなよ!
[財布の細工、それから武器の再点検。
そして―――]
うむ、頼んだぞ。
[利き腕の負傷はさすがに放置は出来ない。
筋を痛めた程度であるから、消炎の薬草などを使えば数日で完治はするだろうが。
ちなみに買い食いには当然参加した。
戦えば腹が減るものだ。
試合に参戦しただけあり多少のおまけを付けてくれる店もあって、ありがたく頂戴した]
『ところで、あの重りはいつ外すんですか。』
今晩に決まっているだろう。ベルトと腕の分だけだがな。
ブーツの分は踏ん張るのに有効でもあるからな。
[今までの時間を共に過ごす中で、悪戯に付けた重りの数々。
それを夜なべをしながら外す事が、本日最後の男の仕事となる。]
−決勝戦当日・試合会場前−
[呼び出されるのを待つこともなく、ここに立っていた。
背には、ミルファとカティ、アルゴル。メリッサはどうだったろう]
さて、そんじゃ行ってくるよ。
[ちょっとそこまで、と続いてもおかしくないような気軽さで告げる。
気負う必要はない。できることを、できる限りやりきるだけだ]
―――宿屋『煙る水かき』亭の戦士、グレダ・ナクピアガ!!
今日は勝つためにここに来た!
御前試合の勝利を、竜王様と、ウチのミルファに捧げるために!
全身全霊で以って戦うことをここに誓う!!
[戦士の、ここ一番の大舞台を前にした口上を声高に告げ、そうして、試合会場へと足を踏み入れた]
―最終試合・煉瓦の町並み―
うおおおおおおお!体がすっげえ軽い!!
こんなに軽いのは何年ぶりだ!?!?
やっぱ美味しいもん食べて良く寝るとちがうなあああああああああ!!
[まさか今までさまざまな部位に重りがしこまれていたとも、そしてそれが昨晩にはずされていたともしらず。
がっしゃんがっしゃんと飛び跳ねてから、ポケットから紙を取り出し]
ええっと……
大盾は、火風、ロギ!
戦鎚は、火山鳴動、スルト!
連接棍は、溶岩流、ユミル!
[あんちょこを読み上げ、再びポケットにしまい、]
グレダさん、よろしく頼むぜ!!
うおおおおおおおおおおおおお!!やるぜえええええええええええええええ!!
[三つの竜器をたずさえて、戦いの舞台へと]
さてっ…と。
[こんこん、と、ロサの感触を確かめるように担いだ肩の上で動かしながら、辺りを見回す。
レンガの町並み。
王都の町並みとよく似ているようで、その実、王都のどことも違う家々。その配置。
ここでは、地の利は働かない。
幸いにして、井戸や水路、広場の噴水など、水場もちらちらと見え隠れしている。
特別不利、ということもなさそうだ。家々のひとつひとつには薪置き場が設けられ、火を起こすにも困らない様子を見るに、どちらが有利、不利といったものではないのではないか。そう思える]
[その日も、豪勢な夕飯の後には貸し工房に引っ込んでは
竜器の徹底的な修理に打ち込んだ。
少し重さを増やそうかと思ったりもしたが、流石にやめた。
しかし互いが修行に励んでいた頃……
「これが持てたら初めての武器はお前にやる」
と言って、悪戯で基本の戦鎚よりも89kg増したものを
渡した所、平気な顔をして持ち上げていて
「あっ、これまだまだいける」
と調子に乗ったのを思い出して、少しばかり悪戯心が
疼いたのは秘密にしておきたい所だ。]
―戻りました―
……うーんと、これで良し。
動かしてみてどうですか?
[ 怪我自体は大げさでないから、薬草を柔らかい布で抑える湿布のような処置をしました。
まぁ見た目が今一なのは愛嬌で許してほしいです、うち。 ]
―決勝戦・観戦席―
フ。
やはり軽いみたいだな。
『1kgとはいえ、それをいくつも付けて生活していたんですから
当然でしょう。貴方も酷い悪戯をするものです。』
何、俺達には必要なことだ。
俺だってきちんと付けているのだから。
『本当に貴方達は馬鹿ですね…あ、褒めてませんから。』
[相棒の姿を遠目に見ながら、満足そうに頷く男。
対するグレダの方も万全のようで、男の笑みは更に明るくなる。]
─ 決勝戦当日・試合会場前 ─
[思った通りの組み合わせが発表される。
グレダとサイラスさん……これで、竜王御前試合の最強の戦士と鍛冶師が決定するのだ]
グレダ……。>>49
行ってらっしゃい。
一番前で、見てるから。
[ぎゅ、とアルゴルを抱っこして、そう伝えた。
いっぱいいっぱい言いたい事はあったけど、どれも違って、
巧く言えなくて、だからシンプルなことだけ]
―夕方、仮設拠点―
…動かないな。
「状況?それとも邪竜?」
ソレどっちも一緒に動くだろ。
…しっかし、最後の目撃情報だとこの辺に居るはずなんだけど…
「…邪竜の習性って、姿と同じなのかね?」
[相棒のよく分からない言葉に、相棒龍と一緒に首をかしげる。
…そもそも言葉の意味からしてよく分からないし。]
「いや、さ。今回の邪竜、蛇みたいな姿で鱗は目立たないって話だったからさ。
…少なくとも、蛇だったら水中に住む事はあんまりないわけだ。」
[カティちゃんはわたしの服を握っている。
なんかここ数日で、カティちゃんがこのポジションにいると安心するようになってしまった。
不思議な感じだ]
[メリッサは会場のどこかへ消えて行った。
タッグ解消の組み合わせが、何人かいるようで、そういう鍛冶師に声をかけてみるそうだ]
[試合開始だ。]
[初めて使ったときよりも、連接棍がよく手になじむ。
大盾も、戦鎚も、使えば使うほど体の一部のように感じる。
大盾を背に背負い、戦鎚と連接棍を構え、
たったったと駆けながら地形を把握する。
石の廃墟で戦ったように周囲のものをいたずらに壊しても、
逆に己の足場を悪くするだけか、とは思うのだが。]
よっしゃ。
暴れるぜ、スルト!!
うおおおおりゃあああああああああ!!
[移動しながら地に思い切り戦鎚を振り下ろすたび、地震が引き起こる!
その地の下に流れてたと思わしき水路から、ぷし、ぷし、と小さな水しぶきがあがっていく。]
[試合会場には、不思議な街並みがセットされていた。
どこのものでもない町。人が住んでいないのに、住んでいたような形跡だけがある町だ]
『どこかにある地形をコピーする魔法じゃないかな?
これがそうだとは断言できないけれど、
そういう魔法があるというのは聞いたことがあるよ』
……へえ。
わたしの他にも、攻撃魔法じゃないのを込める鍛冶師がいるのね……。
『何言ってるんだ。そんなの当り前だよ。
自分だけなんて思わない方がいい。
試合じゃない場所では、竜器の上限なんて決まってないだろ。
一本くらいはそんな物を打とうかって気にもなるさ。
……ましてや、竜王付きの鍛冶師ならね』
[わたしは恥じ入って尻尾を巻いた]
それで?
[邪竜なんだから普通の生物の生態考えても仕方ないと思うんだが…
どうせ暇なのだし、退屈凌ぎも兼ねて話の続きを促す。
…まぁ、とりあえず最初の言いたい事は分かった。
この相棒龍、普通の動物には似てないからな。和むけど。]
「…はい。細長くて、鱗が目立たない川に住む魚で思い浮かぶのは?」
…ちょっと待て。アレだとしたらサイズが根本的におかしくないか?
「…いや、さ。確かアレって夜行性の魚だったなぁと。
おまけに、湿ってさえいれば陸でも普通に生きられる。」
いやいやいやいや。邪「竜」だろ?邪「魚」じゃないんだし…
「…まぁ、無いとは思うけどな。
単に、話に聞いた大きさのアレだったら竜っぽいなと思っただけだし。」
…蛇みたいな姿の邪竜であってほしいと願うよ。切実に。
― 相棒の家 ―
[ソレックス>>+22に言われて、数度右腕を曲げ伸ばしする]
うむ。痛みも和らいでいるし、問題ないよ。
ありがとう。
[少し不恰好ではあるけれど、大事なのは見た目ではないし、何より相棒が施してくれた処置だ。
笑顔で礼を言い]
はて……これからどうするかの。
[御前試合という当座の目標は達成したものの、優勝には手が届かず。
大きく漠然とした目標はあるが、そこに至る道筋はまだついていない]
ソレックス殿は、何か希望はあるかのう?
[結局、相棒の方にそう問いを投げることにした]
ふむ。
[駆けるサイラスを見やる。戦槌を振り下ろしながらの進行は、地を揺らし、水を吹き上げさせている。
意図するところは読み取れないが、無意味ではない。
そう思っておくべきだろう。
サイラスは、その機転でジミーを下したのだから]
そんじゃこっちからも…
[ずぉあ…。
手にしたロサに魔力を込めれば、さらに効率の上がった『集める』魔力によって、地から噴出した水、噴水に湛えられていた水、宙を漂っていた水、そうしたものが掻き集められ、空中に水塊を作り上げていく。
腰に下げたパラへと魔力を込める。
集めた水気が、ひとつの大きな水塊となる、その前に。
中程度の無数の水球を、空中へと形作る]
行くよっ!!
[ロサをアズゥへと持ち替え、宙に浮かべた水球たちめがけ、振り回す。
第一回戦で、アサドとの試合の初手で見せた、水塊の射出。
それと同じ要領で、今は、無数の水塊がサイラスへと打ち出されていく。
サイラスの膂力とギャランの竜器ならば、破壊も防御もたやすいだろう。
けれど、それでいい。
自らの撃ち出した水球たちのあとを追うようにして、地を揺らすサイラスの元へと、駆け込んでゆく。
揺れる足元が多少心もとないが、パラとロサの魔力があればなんとでも対処は可能だろうと。
そう信じ、今は足を進める*]
……うーん、うちもそもそもお祭りに出る事が目的でしたし。
これと言っては無いんですけれど。
[ 実績と信頼、その足がかり。
御前試合という晴れ舞台、実績は先の試合で見せたとおり。
まぁ贔屓目に見てエステルさんの強さが合っての物ですが、これから先少しはうちに任せてくれる人も出てくるのではないでしょうか。
そうして、信頼を得ていけたらな、とうちは思うのです。
竜器を創る事が出来ると、うちの自信にも繋がりましたし。
だから、その行為にはうちは応えなければいけません。 ]
――その、ちょっと前にエステルさんの出る理由、聞いたじゃないですか。
そしてさっきも言ってくれましたよね、うちの造った竜器を信用してくれたって。
だから、だから。
ちゃんと、全部。教えてください。
そのくらいの権利は、うちにあるはずです。
エステルさんの『相棒』、ですから。
[全ての水がグレダのもとへ集められ、無数の水球がこちらへと打ち出されてくる。
水路から水も吹き上がらなくなり、新たにわき出す様子も無いことを確認して戦鎚と連接棍を背にさした。
薪と思わしき木はしめり、火をおこすには向かないだろうが
そもそも男は魔法で火をおこすことができないので気にしていない。]
うおっとっととおおおおお!!!
[大盾の湾曲した方を相手に向かって構え、そこで水塊を受け止めて行く。
直撃はさけられているものの、男の周囲はみずびたしだ。
ふんばっているとはいえ、男の背がじりじりと壁においやられていく。
グレダは集めた水球をほとんどこちらに向けているのだろう。
がん!がん!と戦鎚と壁が激しくぶつかりあう音がする。]
[だからこそ、今!]
行くぜロギイイイイイイイイイイイ!!
思いっきり吹き飛ばしちまえええええええええ!!
[大盾の術『ロギの嚔』を発動すれば、
強烈な熱風は瓦礫を吹き飛ばすと同時に、一瞬で水を乾かしていった!*]
うむ、そうか。
[駆け出しらしい答えに頷く>>+26。
結果は少し残念だったけれど、強敵相手に善戦することで、きっと竜器の素晴らしさを宣伝することは出来ただろう]
少しでも役に立てたなら良かったがの。
[そう呟いた所で、ソレックスに問われて>>+27]
そうだな、そろそろ頃合いであろう。
少し長くなるが、聞いてもらえるかえ? 『相棒』。
[言って、椅子に座り直した]
……はい、何時間でも付き合います。
[ 同じく椅子に座りなおして、聴く姿勢に。
ロンディーネも頭の上の定位置ですが、姿勢は神妙そのものでした。 ]
……サイラス!!
『口出ししないのでは無かったのですか。』
うむ、口出しはしない!!
だが名を呼ぶくらいは許せ!!
[相棒が戦鎚で地面を叩く度に吹き上がる水しぶき。>>57
一体何を思ってそうしているのか、全く想像が付かないが
男は信じる。
決してそれが無駄ではないことだと。]
やはりグレダ殿は何ものにも臆する事無く向かい来る!
そしてそういう時は…次の一手を既に行おうとしている。
頑張れよ、サイラス…!
[足場が不安定な中であっても止まらずに駆けるグレダに
追撃に対する防御をと願ったが]
『大丈夫ですよ、ほら。』
[スズメはあくまでも冷静に熱い。
嘴の示す先、起こった熱風の及ぼした影響に男は目を見張る。
そして同時に、例えようも無い嬉しさがこみ上げて来て
ほんの少し目頭が熱くなった。]
――私の故郷は、『禁域』と呼ばれる森でのう。
泉を棲み処とする竜と、その加護を受けたエルフだけが住んでいて、他の者との交流がない土地であった。
この王国とも離れた場所であったから、竜に関する考え方が、こことは随分と違っておったのだよ。
私の故郷には、『武器』としての竜器がなかったのだ。
[言いながら、故郷にいた頃の生活を思い出す。
エルフ族は魔力が高い。
そのため魔法の媒介となり生活を便利にする類の竜器は、むしろ他の地より豊富にあったかもしれない。
ただし、それを竜に向けるなど、誰一人考えもしなかった]
森の自然を護り、悪い心を抱くことなく過ごしていれば、竜が邪竜に変ずることはないと考えていた。
逆に言えば、竜が邪竜と貸したなら、それは何らかの罪の報い――その時は、里や森と運命を共にせよ、とな。
[実際には、長い年月の積み重ねもまた、竜を邪竜へと変化させる。
しかし、それはひとつの里に歴史が生まれるには、十分な期間であった]
里が他者の侵入を阻んだのも、『悪い心』の持ち主が入るかもしれないと考えてのことであった。
無論、私も里の教えを信じていたし、働ける歳になってからは森の警備に当たることもあったよ。
だが、その時にのう。私はある男――鍛冶師に、出会った。
[脳裏に浮かんだのは、試合の間保管してもらっていた竜器のこと**]
それが魔導弓『光陰』の制作者。そして私の、夫となる男であった。
―夜、仮設拠点―
…鰻で無かった事を喜べばいいのか、
十中八九捕捉されてる事を嘆けば良いのかどっちだろうな。
「…少なくとも、捕捉されて即攻撃ってのが無かった事を喜べばいいんじゃないか?
…まぁ、近かったら多分叩き潰されてたんだろうけど。」
[此方を睨んだ上で川に戻って行った邪竜を見て、
テントを片付けながら溜息を吐く。
…今は襲ってこなかったが、既にこちらは見つかっている。
そのままテントを張って居たら、下手したら川が此処まで伸びてきかねない。]
「…で、あれをどう見る?」
外見的には蛇型の普通の邪竜だな。
鱗が目立たないって話だったのは、水を体表に纏って膜を作ってるからだ。
襲ってこなかった理由は、土に触れて膜が剥げるのを嫌がったんだろう。
…最も、膜が攻撃のための物か防御のための物かは不明。
現状の分析はこんなとこで。
「…で、対処法は?」
あっちの攻撃手段も分からん以上は微妙だな。
魔法にしても、水の邪竜に水の魔法ってそもそも効くと思えん。
「…つまり、やる事は単純か。」
…膜を如何にかして短剣を突き刺す。
うん、単純すぎて嫌になるがね…
[…それをどう実行するか、が問題なのだし。
二人そろって、小さく溜息を吐いた。**]
その手はもう見せてもらったからね。
[複数の水球に対する対処として、『ロギの嚔』は十分に想像できる範囲。
むしろ、それを誘うために水球を無数に分けたと言ってもいい。
水は、熱されて乾く。わずかばかりの水ならばそれで終わっていただろう。
けれど、サイラスに向かっていたのは無数の水球。
熱され、蒸発し、気体となった水は行き場を失い水蒸気となってあたりに充満する。
と同時に、水の気化熱はロギの熱量を大きく減衰する]
パラ、頼むよ!
[水気、湯気を留めるのがパラに込められた魔法。
殺到する熱風は水気に熱量を奪われ、空中に圧し留められた水蒸気が壁となってふわりとした温風へと有り様を変える。
とはいえ、吹き飛ばされてくる瓦礫を推し留める効果までは、水と水蒸気の壁に期待できない。
アズゥで防ぐか?
否。足を止めての打ち合いでは余りにも不利。
回避する?
否。水蒸気が視界を塞ぎ、飛来する瓦礫を見つけることは困難だ。
ゆえに、避けるのではなく、逃れる。
瓦礫が飛ばされることの予想できる範囲の、そのさらに上方まで。
『ロギの嚔』の、その発動に気がついたその瞬間に、最初の跳躍は始まっていた。
足場は、水だ。
エステルとの試合でその頭上を取ったときと同様にして、水かきの足でロサが作り、パラが留めた水塊を足場に、跳躍を繰り返す]
ッ!
[その途中。宙へと逃れようとする肩めがけ、瓦礫のひとつが飛来する。
けれどそれは予想できた痛みだ。
声を上げずにこらえ、跳躍のためにからだを動かすなかで損傷を確認する。
よし。
痛みはするが、動かないわけではない。肉と、あるいは血管を痛めはしただろうが、筋と骨はしっかりと動く。
そのはずだ。
サイラスは、地面を揺らしこそすれ、破壊によって重量のある瓦礫を作り出しはしなかった。
今飛来するのは、街中に雑然と置かれた、比較的小さく軽い有象無象。それを知ってこそ、『ロギの嚔』を誘ったのだから]
お返し、させてもらうよっ!
[降らせる声は頭上から。
ロサの魔力に呼応して、水蒸気となって散った水気が集められ、サイラスの頭上で再び水塊を為す。
そのことは、視界が晴れていったことでサイラスにもすぐに知れただろう。
だから、隠すこともせず、声を降らせた上で。
熱風に熱され、熱を帯びた水、否、湯が、今度は一塊の巨大な水球となって、頭上からサイラスめがけて叩きつけられた**]
どおりゃ!!
[戦鎚が壁と打ち付けられてひびが入っていたから、男が肘鉄を入れればぼろりと崩れた。
ぐるりと後転してその場を逃れる。]
ちぇー、全部は乾かせなかったかあ〜〜。
[それでも、最初の頃よりは水は減っている。
水蒸気となり会場中に満ちてはいるが、全てを再び水に戻すには会場の外から全体を冷やせばならないだろう、……と、思うのだが。さて。
温まった空気にふう、と息をつく。暑い場所での戦闘は慣れたことだ、むしろ体があたたまって動きやすい。]
[グレダの声は頭上から聞こえる。
巨大な水球は、右方のドアから空き家の中に入ることで難を逃れる。]
[ドアを締める際に足にお湯がひっかかった。まったく凍り付いたり何だり忙しい足である。
が、動きは止めず、空き家の階段を上り、窓から屋根の上へ。
位置はちょうどグレダの真横か。
連接棍を手に取り、真横になぐように打撃部を繰り出す。]
─ 決勝戦のその裏で ─
戻ったぞ。
[結局、目当てのモノは見つけられなかった。
しかし、思わぬ収穫もあった。]
リーマン、今日の討伐はお前も出ろ。
指揮官じゃない、戦士としてだ。
─ 王都・昼前 ─
[邪竜退治を生業とする戦士、それも一流の戦士を求めて王都まで引き返したアサドであったが、何のツテもアテもなくそう簡単に見つかるものでもなかった。
刻限が迫る中、ハンマーズ本社に戻ったアサドはリーマンの部下にアテがないかと尋ねた]
「高名な戦士ですか?」
[社員は何を言ってるんだという呆れたような表情で答える]
「いるじゃないですか、すぐ近くに」
ふむ。
[壁に穴が空くのは見えた。サイラスは屋内へと逃れようとしている。
見えたのはそこまでだ。
集めた水が間に挟まり、サイラスの姿は見えなくなったし、そうして集めた水は、今から止めるわけにも行かない。
叩きつける。
そこにサイラスの姿はない。
分かっていたから耳を澄ませた。
獣の耳が、金属の鎧がぶつかり合う音、背に負ったスルトが鎧にぶつかる音、ユミルの関節となった鎖が立てる音を捉える。
登ってきている。家の中を、だ]
がんばるねぇ。
[見ていたところ、サイラスの足の速さは常人の域を出ない、といったところであったように思う。
そのサイラスが、こちらの滞空時間のうちに家の中を登ってこようとするのは生半のことではないだろう。
ならばこちらも、手をこまねいているわけにはいかない。
サイラスの到達までの間に、ロサをくるくると回し、可能な限り、空中に散った水気を集める。
とはいえ、サイラスの推測は正しい。
一気に拡散した水蒸気を掻き集めるには時間がかかるし、こちらもすでに大技を二つ使ったあと。
質量を武器にできるほどの水は、集められない。
しかしまぁ、それと引き換えにロギの熱風をやり過ごすことができたのだから御の字だろう]
うむ、出迎えご苦労。
[落下する時間の中、横合いからユミルを繰り出すサイラスに、大真面目な顔をして軽口を叩く。
繰り出される棍棒の唸りは凶暴なほどの重量を示し、一撃加えられれば致命的なのだと否応なしに示している。
受けるわけにはいかない。
連接棍の間接は、こちらが受けに回れば、その防御の手をたやすくかいくぐる。
空中で体を捻り、反転して頭を下に。サイラスが上ってくるまでの間に集めた水の一部を足元、つまりは上方に集め、パラで留める。
ぱしゃんっと蹴って落下の速度を増し、横なぎに振るわれるユミルを下方にかいくぐる]
ふッ!!
[たった今くるりと反転した勢いをそのままに、自らの上方を抜けていくユミルの先端へ、内部に水を溜め込んだロサをぶつけ、加速させる。
連接棍の扱いが難しいとされるのは、ひとえにその関節の挙動に難儀するからだ。
攻撃のために振るった先端を、さらに叩いて加速させれば、その勢いを止めるのは使用者であるサイラス自身にとっても難しいだろう。
追撃はあったか否か。
いつでも空中で跳躍できるようロサとパラに意識を集中させて、サイラスの挙動に集中する。
そして、かなうならば加速した落下の勢いそのままに、地上へ。
自らの着地には、先刻叩きつけた水を集め、クッションにすれば問題ないだろう。
問題は、サイラスがどう追いついてくるか。
屋上から跳躍して追って来たならば、着込んだ金属鎧、背負った重量武具、そして巨漢である自身の体重が生み出す衝撃を支えきれず、先刻スルトに叩かれ、ひび割れた地面は崩落を引き起こすだろう。
階段を走って追ってくるならばその間に再び、多少なりと水を集めておくことができる。
さて、サイラスはどうするか。そこに、意識を集中させた**]
[男の持つ竜器は、さきほど起こした爆風で熱され、高温になっている。
あの爆風は水を吹き飛ばすことも目的だったが、竜器に熱を孕ますためでもあった。
そうでなければ術を発動させても威力が半減する。
ジミーとの戦いの時には大盾をあたためる準備ができたのだが、今回はてっとりばやく爆風ですませた。]
ひひっ。
[こちらに気づいて声をかけてくるグレダ>>73に得意げに笑みを返すが、連接棍をふるう手によどみはない。
反転してよけたグレダは、連接棍の先端である打撃部をねらってデッキブラシで叩くが、その瞬間を狙って術を発動させる。]
『ユミルの』……『癇癪』っ!
[十分に熱せられた連接棍は“溶岩流”の名にふさわしく、打撃部と鎖部分がどろりと赤く溶けた。
あやしく揺らめくマグマは、とたん、どっ!と勢い良く噴いてリーチをのばす。
その勢いは、かんしゃくを起こしてわめき叫ぶ巨人族のよう。
ちょうど接していたデッキブラシはマグマにからめとられ、内部の水をあっというまに熱す。
金属製であるならば、あっというまにデッキブラシ全体もマグマと同じ温度に至るだろう。
そして、ぐんにゃりと溶けるだろうか。薄ければ薄いほど元の形を保てない。
男の魔法の有効時間は、例によって一瞬である。
打撃部にデッキブラシを接合させたまま、鎖はもとの長さへ。]
うおおおおおっ!
[それでも連接棍の軌道は変わり、男はつられてバランスを崩す。
屋根の上から、先ほど自分でひびを入れた地面の上へ。]
ぶっこわれちまえええええっ!
[落ちざま、連接棍をぐいとつりあげるように動かし、
打撃部と、くっついたままのデッキブラシを背後の家の壁にたたきつけた。
いまだグレダがデッキブラシを握っていたままでも、手加減をせずに彼女ごと。
男が落ちる勢いはとまらず、背中から地面へと落ちる。]
[だが、先ほど地を叩いて分かったことがある。
ここには地下道があるのだ。]
うおってって……寝てる暇はねえっ!
[背中から地下道へ落ちるが、痛みも無視して立ち上がり、大盾を構えて連接棍を引き戻す。
天上は男の頭すれすれの高さだ。
おそらくは大きな町の再現なのだろう、侵略者から民を守るために、煉瓦づくりの頑丈な家が並んでいるのだ。
そしてこの地下道は、水路をひくための工事に使ったり、いざという時の逃げ道にもなる。
相手は耳が良いのだ、さんざん叫んでうるさがられたから分かっている。
おちてきた瓦礫を拾って投げながら地下道を移動すれば、硬質な音が会場中に響き渡る。]
うーむ。
[ある程度休みを取り、顔色は良くなったが、しかしリーマンは机に向かい渋い顔で唸っていた。
机の上にあるのは真っ赤な今回の収支額の紙だ。
相棒竜のミコは隣の椅子でうつらうつらと船をこいでいる。
例え、こう言う切羽詰まった状況と言えども、会社のことはしっかり考えねばならない。
それが会社の代表という物である。
リーマンの肩には500人の社員の生活がかかっているのだ]
だがまいったな、これはどう考えても……。
[その時、サイフラが音もなく部屋へと入って来た。
ミコがビクッとしてから、目を覚ました]
どうした?
[リーマンはサイフラに訊ねる。しかしこの男はどうして常時気配を消して動くのか……]
戦士として討伐に出ろだと?
[サイフラの言葉に驚き、鸚鵡返しに訊いてしまう。
リーマンは過去、天才剣士としてかなりの実績を積んできた。
単独での邪竜討伐も何度も成功させている。
しかし、それもリーマン・ハンマーズの代表に就任してからは、主に部隊の指揮とサポートに回っていた。
ごくたまに剣の調整のために、一人で出ることはあったが、それとてAクラス以上の相手ともなれば部隊を再度編成しなおして出直してきたのだ。
要するに全盛期に比べれば、一人の剣士としてはかなり勘が鈍っているのだ。
それがAクラス程度と言うならば、まだ良いが、相手はSクラスをさらに超える化物だ。
果たして、今のリーマンが通用するのか?
現に不意を打たれたとは言え、一撃でリーマンはあの邪竜に敗北しているのだ]
むう……。
[だがしかし、とも思う。
他のリーマン・ハンマーズの精鋭はほうぼうに散っているので、呼び出すのに時間が掛かるし、犠牲を増やすことになるので使いたくはない。
王都に遣える者も、かつてはベテラン戦士として慣らした者たちだが、邪竜討伐に関してのブランクはリーマン以上にあろう。
それにこの祭りで邪竜が活発化する時期に、王都の守備をおろそかに出来るとは思えない。
ようするに、今すぐに使える精鋭の戦士はリーマンと言うことになる。
かくて、サイフラの提案にリーマンは頷くことにした。
こうなれば毒を食らわば皿までよ……と言う心もちではあるが]
[っっっぱぁん!!]
[音にしてしまえば軽いもの。けれど、その内実は、赤熱して溶けたロサが弾け飛んだ音だ。
水蒸気爆発>>70>>65>>20。
金属さえ急激に溶解するほどの高温にさらされた水は、爆発的に気体となって衝撃を巻き起こす。
しかも、先刻の抑えるものがなにもなかった、広い空間での爆発とは訳が違う。
ロサの内部で限界まで高められた内圧が、ロサの溶解とともに一気に弾け飛ぶ。
その衝撃は同時に溶解していたユミルをも巻き込んだものとなっただろうし、さらに同時に、溶解したロサの、溶けたその破片が散弾のように高温の蒸気とともに周囲へと襲い掛かることにも繋がった]
……っぅっ!!
[気づいた瞬間に手を離し、距離を置くことに専念すればよかったのかもしれない。
けれど、できなかった。ほとんど無意識の働きといっていい。言葉にしてしまえば、たった一言。
ロサを手放すのが、惜しかったのだ]
うっ…くっ…つぅっ…!
[サイラスとユミルの確認まではできなかった。とっさに自らの急所を爆発から守っただけで精一杯。
ロサが比較的薄く作られていたために、散弾となって飛び散った破片が小さくて済んだことが不幸中の幸いだったと言えるだろう。
体中あちこちに裂傷を作り、ロサを握っていた両の手の平にやけどを作りながら、それでもまだ体は動く。戦いは続けられる]
…くッ!!
[ガツンと拳が叩いたのは、密に詰まった石の壁。
辺りを見回してみれば、先刻のレンガの町並みからは景色が一変している。サイラスの姿も見えない。
サイラスの起こした崩落に巻き込まれた結果、地下道へと落ち込んだらしい]
なに、やってんだいアタシは…!
[どのような攻撃であっても対応できる。その自負は確信めいたものだったはずなのに、蓋を開けてみれば慢心に相違なかった。
その結果、ロサを失い、サイラスまでをも危険に晒した。ほんとうにまったく、なんてザマ]
[ごっ!]
[腰からパラを引き抜き、自らの額にぶつけるようにして、合わせる。
留める力を持つパラが、逆立った今の気持ちを静めるように。
分かっている。パラの魔力はそうした効用のあるものではない。まじないのようなものだ。けれど、それは同時にミルファークの作った竜器でもある。
背で待つ者、この場に立たせてくれた者を思い出す。
今はなにに縋ってでも冷静さを取り戻さなくてはならない。
これ以上の無様を、見せるわけにはいかないのだから]
…ッし、まだまだ。こっから取り返すよ。
[言葉にしてみれば、同時に熱を持っていた頭が冷めていく。
手の平と、全身の裂傷が痛む。
甘んじて受け入れなくてはならない。それは、ロサを失った痛みだ。 無駄にしないためにも、負けるわけにはいかない]
…どうする?
[考える。先刻のサイラスの笑み。
手の内も分からないままに手を出した迂闊。
それは間違いないが、同時に、サイラスはそれを読んでいたともいえる。だからこその『自信』、だったのだろう。
『受けた上で返す』呼吸は、すでに読まれていると見たほうがいいのだろう。
やりようを変えなくてはならない]
………。
[考える。その耳に、サイラスの立てる瓦礫の騒音が響いてくる>>78。
居場所を知らせているのか、その逆にかく乱しているのか、あるいはもっと別の、次への布石か。
獣の耳を伏せる。
彼らの大声に耳を畳み、ミルファが怖がっていることに釘を刺しこそしたものの、うるさがったことはないのだ]
……。
[静かに佇み、瓦礫の立てる音の中に異変が混ざらないかどうかに畳んだ耳の内で神経を集中させる。
そして同時に、パラへと魔力を込めた。
ここは、地下道。そして、地下水路。
第一試合の滝壺において、流れ落ちるその水が尽きることがなかったように、流れる水は一定の流量を保ち、地下で流れていたらしい。
地表に現れたその一部が火山の爆風に吹き飛ばされても、地下にはまだ水が流れている。
その水を、塞き止める。
ロサを使って器用に集めるようにはいかない。
けれど、元来がその目的で作り上げられたパラは、直径にして5m程度の水を塞き止める魔力の力場ならば、たやすく作って見せる。
狭い地下水路を塞き止めるには、十分に過ぎた。
サイラスが、次の手を打つ音を聞くのが先か。
そのサイラスと直接出くわすのが先か。
あるいは、通路の一面が水に満たされるのが先か。
今はただ、水を留め、溜め込みながら、耳を澄ませる**]
さて、どっちに勝つか投票しておこうか。
ってもどっちが有利かとかはよくわかんないな。
まあサイラス好きなんで、サイラスに入れておこうかな。
『サイラス』
ふぅ。
『グレダ殿は思った以上の、歴戦の戦士と見ました。
その彼女に対し力と本能、そして僅かな経験で立ち向かえる
サイラスもまた、立派な戦士です。』
うむ!
なにより…あれから一度も縮こまっていない。
どれだけ不利な形勢になろうとも、だ!
今姿が見えなくなったが、それでもあいつは
笑っているのだろう。
嬉しい事であり、有難い事ではないか!
[有難い。それは対戦相手のグレダに、ジミーに。
そして、それぞれの鍛冶師達に。
巨大な水球の襲来>>67そ寸での所で避け、ひと時姿を消した
相棒の動向を思いながらも、上空に跳ぶグレダの様子にも
注視する。]
『早い。』
階段を一段抜かしで走ったか?それとも…重りを外した効果か?
『ありえない話ではありませんね、彼なら。
気合で駆け上がってきた、を追加して下さい。』
[グレダの滞空する間に階下から一気に駆け上がったか、
相棒の姿が上から見え、>>69身を乗り出さん勢いで覗き込む。]
―――…そうだな。
もしやすると、どれも正解かも知れん。
来るぞ。
[しつこく食い下がるリーマンの部下たちを麓に帰し、残った戦士は二人だけ。不安げなリーマンの表情に少し失敗だったかもしれないと思いつつも背中の長刀に手を掛ける。]
言っておく。
誰かと組んで戦うのは初めてだ。
[と、ここに来て告げる]
[作戦は至って簡単だ。邪竜の咆哮に耐えられる精神力を持った戦士、つまりアサドとリーマンのみで挑む。欲を言えばもう少し戦力はあったほうがいいのだろうが、無いものが急に沸いてくることはない。揃った材料で挑むのがアル=サイフラの流儀だ。]
足を引っ張るなよ。
まず、お前がいけ。
それを見てから俺が行く。
[冗談ではなく真剣な眼差しでソラを見上げる。]
気負うなリーマン。
俺たちが死んでも誰かが倒す。
『しかし、貴方も本当に意地悪ですよね。
扱い難いだろう連接棍を敢えて持たせるなど。』
言うな、スズメとて解っているのだろう?
扱い難くとも、扱いきれないものではない事くらい。
だからお前も不定形な溶岩流の性質を与えたのだろうに。
[グレダがその扱い難さを突いたか、連接棍の先端を叩いたのを
認め>>74ゆっくりと男は頷く。
慌てたり落ち着いたりと、こちらはこちらで忙しい。]
『まぁね。あっさりと扱いこなせるものよりも、苦悩しつつも
自分なりの使い方を見出してもらえるものを与える方が
私としては燃えますから。
まあ…ここまで扱うタイミングを計っているとは予想外
でしたけれど。』
[視線の先では、相棒の追撃。>>76二つめの魔法を発動させて
連接棍の長さを変えていた。]
やれやれ、一企業のトップがたった二人で現場に立つことになるとはな。
[そう言って双剣を構える。
右手には『風塵』左手には『風神』。両方とも風の属性に特化した竜器である。
ここまで来たからには、覚悟を決めるしかないが、やはり少し不安が残る]
まあ、戦いながら勘を取り戻していくしかないか。
お前も足を引っ張るなよ。
[>>+41サイフラの言葉を背に受けて、徐々に降下してくる邪竜に向かって走る]
[リーマンがこの戦いで為すべきこと、それは陽動である。【アル=サイフラ】でダメージを与えられなかったその邪竜の装甲。これに対して、双剣では相当の魔力と勢いを込めて攻撃を叩き込まなければダメージなど与えられない。
かといって、そのような全力攻撃を繰り出すのは少々リスクが勝ちすぎる。
ならば、リーマンのフィールドであるスピードを活かす]
――知っているか? 天才は空も飛べる――
[自己暗示を兼ねた呪文の詠唱をする。
すると、双剣から風が吹き出し始めた。
その風の勢いを使い瞬時に加速して、邪竜へと肉薄する]
せえあああ!!!
[そして風を纏った斬撃を邪竜に加える]
『ギィィィン!!』
[邪竜の鱗と双剣が、甲高い音を上げる]
かってぇ!!!
[攻撃を加えた右手がビリビリとしびれる。
再度、攻撃を加えるが、やはり左手が痺れるだけでダメージをほとんど与えられていない]
しゃれにならんなこれは……ってうおっとぉ!
[邪竜が腕を振り回して来た。リーマンは双剣の出力を使い、すんでのところで離脱する]
勘をとりもどすのに、あと30秒程度かかりそうだな。
鈍ったもんだな俺も。
[そう嘯く]
[男は笑っていた。
デッキブラシが弾けとんで壊れ、男のふるった連接棍は家の壁を壊し、男の落ちた穴をふさいだ。
見えたのはそこまでだ。
グレダはどうなったのかは分からないが……
確信している。無事であると。]
─ 観戦席 ─
グレダ!
行って! そこ!
きゃあ! 避けて!
[届かないと分かっていても、叫ばずにいられなくて]
あっ、あっ!
[駆けまわる二人の戦士が、遠くなる。
障害物の多い地形は、戦いづらいだろうが、
観戦しづらくもあって]
[男は対人戦闘の経験が極端に少ない。
それはこの巨体と怪力のせいで、故郷の仲間たちから手合わせを避けられ続けたからだ。
「力だけのバカと戦っても仕方ない」―そう言われ続けた。
そうか、そりゃそうだよなあ、と。そう返事をするしか無かった。
それに男だって、邪竜以外のものに全力をふるう気にはなれなかった。
壊してしまうのでは、取り返しのつかないことになるのでは、と、無意識に恐れていたからだ。]
[だが、ジミーとの戦闘を経て理解した。
全力を出さないとこっちがやられる。本物の戦士は強い。手加減は不要。
それは男にとって、すごくうれしかったことだった。]
[グレダは戦士だ。強い。
見くびらず、見下さず。男は相手の強さを信じている。
だからこそ得意げに笑ってしまう。誇らしくて。
信じられる相手と戦える。こんなにうれしいことはない。]
[防具に覆われていない頬や耳に細い傷がいくつも出来て、そこから血がしたたっても。
痛くないのは強がりではない。持ち前の鈍感力もあるし、戦闘の楽しさが優先されるから、
痛みになどかまってられない。]
!
[先ほどの場所から離れて暫く、真っ暗な道に頭上から光が差し込む。
地下道に水がたまりつつあることにそこで気づく。]
まだそんな魔力あったのかよ〜〜、ちぇー!
[グレダの仕業だろう。やはり無事だった。
その水にのみこまれる前に、地上へと向かう。
井戸の中にとりつけられた足場をよじのぼって。]
[気づかぬ間に相棒に仕込まれ続けた重りは今はなく、男の脳内認識よりも速く体が動く。
が、水はもっと速く満ちてくるか。
あわてて水に大盾をむけ、水の勢いを借りて井戸から地上へと脱出する。
せっかく熱を持たせた竜器は冷えた。この状態で術を解放しても威力は半減するだろう。
大盾と戦鎚を構え、グレダを探して駆ける。]
[サイラスの姿が建物の中に消えた……と思うや、
宙を行くグレダと窓の間でやりとりがあり、
そして]
きゃあー!
[ロサが爆発した。
何を言っているか分らないと思うが、
そうとしか言えないような事が起こった]
いや……グレダー!!
[わたしは見て居られずに顔を覆ってしゃがみこんだ]
もうだめ……!
わたしの道具なんてやっぱり不良品だったんだ!
グレダが……、
グレダが死んじゃった!
せっかく見つかったのに……私の道具を使ってくれる相棒だったのに!
サイラスも死んじゃった!
御前試合で人死にを出してしまうなんて!
ふざけんな!!
[サイフラの理解の早さを怒鳴りつけながら、それでも攻撃を繰り返す。
竜が腕を振ってくる。頬を攻撃が掠めるがどうにか掻い潜り、側面に移動して斬撃。
尻尾を叩きつけてくる。ギリギリのところで風を使って飛翔し、目をねらって斬撃。
噛みつき攻撃が来る。余裕を持って回避し、首筋に斬撃。
最初はすんでのところでかわすのが精一杯だったが、邪竜の一撃を回避し、邪竜に一撃を加えるごとに、その速力と反応はどんどんと上がっていく]
よし、アジャストは十分だな。
ここからさらに加速する。
[リーマンは邪竜の周囲を、竜巻のように回転しながら舞い。連続攻撃を加える]
わたしは鍛冶師失格だ!
……資格を取り上げられて、町に戻されて、
誰の役にも立たない子として一生過ごすんだー!
[わたしが傍目も憚らずに泣いていると、
アルゴルがちょいちょいとわたしの足をつついた]
『あー、ミルファ君。
お取り込み中悪いんだけど。
……まだ誰も死んでないからね?』
『ギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリ!!!』
[リーマンの攻撃の音が、連続で響き渡る。
素人や並の戦士が見たならば、リーマンが邪竜を圧倒しているかのように見えたかもしれない。
常軌を逸した速力で動きまわり、一方的に攻撃を加えているのだ。
しかし、その実はギリギリの攻防だ。この戦いは確実に死と隣り合わせ。ほんの少しバランスを崩すだけで終わる。一撃でもまともに喰らえば、そこでリーマンの命は終わるのだ。
さらに言えば、やはりこのままでは有効な打撃を与えられない。
それに動きの勘は取り戻せたが、やはりスタミナと言う点については全盛期よりも衰えを感じる。この動きはそれほど長くは続けられない]
(仕方ない賭けに出るか!)
サイラス!!グレダ殿!!
[軽い、何かが弾けるような音>>80は小さくとも良く響き、
男達の居る観戦席まで届いた。
その軽さか大した事はないのだろうと思っていたのだが]
…む、むぅ…サイラスはちょっとくらい高い所から
突き落としても平気だが……。
『グレダ殿もご無事だと思われますが…
ただ、負傷は免れないかと。』
[大会運営の方では、姿の見えなくなった二人の様子を写すべく即座に対処が取られている。
じきに地下の様子も見える事だろう。]
というか、ミルファーク殿!!
勝手に相棒を殺すんじゃありませんぞ!?
グレダ殿もそうそう殺して死ぬようなお人ではありますまい!!
[離れた所から聞こえた嘆き>>95に首だけを向けて必死の抗議。
なんというか、相棒とはまた違う方面のネガティブ思考の
持ち主のようだ。]
/*
万が一に相棒さんが縮む事があれば、一言だけ叫ぶ!
ああしろこうしろとはアンフェアだから絶対に言わないけど、
名前を叫ぶのと…
「お前は!!一人なんかじゃないだろう!!」
で〆るつもり。
意味も根拠も何もない、でも縮こまる必要なんてないんだよ
と何がなんでも励ましたかった気持ちの表れです。
― 過去語り ―
[そこまで話した所で、こほん、と咳払いする。
要するに馴れ初めの話である。
よく考えたら、そういった話を誰かにするのは初めてかもしれない]
あやつは――当時はまだ契約を交わす前であったのだが――何故だか『禁域』の森の竜に目をつけたようでのう。
どうにかして竜の棲み処まで辿り着こうとしていた所を、警戒中の私が発見したのだ。
本来なら、すぐさま追い返さねばいけない所だったのであるが。
[ううむ、と恥ずかしげに唸る]
当時の私は若かった。
そして、エルフ族は長命ゆえに、若者の数が少なくてのう。
その……興味を持ってしまったのだ。
耳の短い、無謀な若者が、何を考えてこの地を訪れたのかのう。
[幸いにも、彼は交渉になる可能性も考えて、片言ながらエルフ語の練習をしていたらしい。
古く難解な言い回しの残る『禁域』のエルフ語は、同じエルフ族にすら度々通じないことがあったのだが、彼は互いが理解できるまで辛抱強く会話を続けてくれた]
この国では常識である戦士の存在、竜器の力に関して知ったのは、その時が初めてであった。
そして、何より驚いたのは、邪竜を元の竜に戻せるということだったよ。
幼い頃から何度も聞かされていた恐ろしい滅びの物語は、回避出来るものであったのだ。
私は喜び勇んで、村の大人たちに話しに行ったよ。
だが―― 千年以上もの間語り継がれてきた理は、小娘の話一つで変わるものではなかったのだ。
[待っていたのは、邪教の考えに染まったことに対する罵倒と蔑み。
そして、それをエステルに対し吹聴した、侵入者の排除であった]
私は自宅に閉じ込められてしまってのう……あやつに危機を報せられず後悔の念に駆られておったのだが、そんな所にあやつはひょっこりと現れた。
どうやら、こうなることもある程度予測しておったらしくての。
家から出してくれたあやつに、私はある取引を持ち掛けたのだ。
『森の竜が棲む場所まで、私が案内する。
その代わり――私を森の外に連れ出しておくれ』
どうやら皆、侵入者の真の目的には気付いていなかったと見える。
目的を果たし森を脱出した後、私は先の話は本当なのか、と問うた。
すると彼は、その手で試してみるか、と言ったのだ。
その日から私は戦士になり、彼の相棒となった。
[そこからの話は、戦士と鍛冶師の物語としてはごく有り触れたものだ。
邪竜との戦いに、モンスターの討伐。
御前試合という最高の舞台における悲喜こもごも]
御前試合の観客席で、一際声を張り上げていた坊主が、いつしか鍛冶師の一人として参戦していたこともあったのう。
[楽しく充実した日々は、あっという間に過ぎ去っていく。
エルフの時間感覚からすれば、本当にあっけなく]
共に歩んでいたはずなのに、少しずつ足並みが揃わなくなっていく。
時折立ち止まり振り返ると、その距離の広さに愕然とするのだ。
そしてついに――彼が永遠に、歩みを止める時が来た。
他種族と共に生きるなら、いずれは覚悟せねばならぬことよ。
だが、だからと言って、別の伴侶を探そうという気にはなれなかった。
それは、鍛冶師についても同じことでの。
このまま戦士をやめ、辺境でひっそりと生きていけばよい。
そう思っていたよ。
[だが、その先を余生と一言で片付けるには、エルフの寿命は長過ぎた]
――かつての故郷を訪ねてみよう。
そう思い付いたのは、ほんの気紛れのようなものであった。
百年も過ぎれば、あの頃のほとぼりも冷めていよう――そんな打算もあったかもしれぬ。
ともかく、私は夫の遺した武器を携え、『禁域』へと出向いた。
だが……そこには、かつての面影はなくなっていたのだ。
[草木が枯れ荒れ果てた森。
水がなく、土が剥き出しになった泉。
『禁域』があるはずの場所で目にしたのは、そういった光景であった]
邪竜の痕跡だ。
私には一目でわかったよ。
そしてその場所には、当然ながら村人の姿はなかった。
[本当に森と運命を共にしたのか、それともこの地を捨て何処かへ去ったのか。
それはエステルにも確かめようがなかった。
ただ、確かなのは、『禁域』がもうこの世に存在せず。
エステルの故郷は、永遠に喪われてしまったということ]
[このままでは陽動として不十分。こなすべき仕事はキッチリとこなすのがリーマンの信条だ。それに天才の自分がこの程度の邪竜にてこずっているという事実にムカついてきた]
――地を這う風!――
[リーマンは一瞬、風の放出を止めて、力を溜めた。そして再度一気に放出。
そして地を滑空しながら足を切り払う、と見せかけて、]
――天に舞う風――
[大きくジャンプ。邪竜の顔側面を走り抜けるようにして、逆手に持った剣に最大限の風の魔力をこめた斬撃を見舞う]
――リーマン・スラッシュ!!!!――
――救われる可能性を自ら拒んだのだ、自業自得の結末なのかもしれぬ。
ただ、私は思ったのだ。
もしも百年前、私が彼らを説得していたなら。
もしくは、もしももう少しだけ早く、私が戦士としてこの地を訪れていたなら。
私は、故郷を喪わずに済んだのかもしれぬ、とな。
[『禁域』の教えを受けたものは外の世界を拒み続ける。
そうした『禁域』の異変に、外の人間が気付くのは容易ではない。
それを可能とする者は、『禁域』から外の世界へ自ら踏み出した、エステルに外ならなかった]
長くなってしまったのう。
これが、私が再び戦士を志した理由であるよ。
[ソレックスは退屈していないだろうか。
気遣わしげな視線を彼女に送った*]
『ズバァ!!!!!』
[邪竜の右目に大きな裂傷が生まれる。今度ばかりは有効なダメージを与えた]
いまだぞ!!
[確実に邪竜を怯ませた。そう思った。しかし、邪竜が大口を開けてリーマンの方を向いていた]
(ブレスが……来る!!!)
[リーマンは空中に飛び上がった状態で、そして最大の攻撃を敢行したばかり。風を使った機動で逃れることも、風の防御術も使えない]
(攻撃を焦りすぎたか)
[邪竜が轟風のブレスを放った]
サイフラーァ!キッッック!!!!
[───ゴスッ!!!
蹴りが入ったその反動で後方へと跳ぶ。
蹴られた側も当然同等の速度で吹き飛ぶことになるだろう。
……リーマンの身体が。]
ふえ……?
[アルゴルに言われ、遠くのギャラン>>98にも言われて、
わたしは耳を動かす]
[観客に耳裏を向けて、会場に耳を澄ます。
グレダがいつも代わりに気を使ってくれたように、
わたしの耳はとても良くて……、地下からの物音を拾う事が出来た]
ほ……ほんとだぁ……、
よか……よかった……、
うわぁぁぁん!
[邪悪なる風の塊がリーマンへと迫る。
自分が死ぬことを即座に理解し、走馬灯でも見ようかと覚悟を決めたその時、サイフラの足がリーマンの顔面にめり込んだ]
ぶほっ!
[ブレスは吹っ飛ばされたリーマンと、蹴りを放ったサイフラの間を過ぎ去っていき、]
『ドゴォォォォォォォン!!』
[近くの巨大な樹木を一つなぎ倒した]
リーマン、一人で燥ぐな。
[着地と同時に長刀【スーパーノヴァ】を抜き放つ。]
……確かこうだな
[ブレスの終わり際に刀を縦に竜の膝へと走らせる。
──キン!
金属を擦りあわせたようなカン高い音が走る。]
……違うな。
[どうにか着地を決めて、リーマンはサイフラに文句を言う]
今攻撃を仕掛ければしとめられただろうが!!
あと助けるならもうちょっと優しく助けろ!!
……。
[仕留められたというリーマンに対して苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる。]
まずは……次は……。
[喚くリーマンへは一瞥もくれずに竜へと切り込んでいく。横に縦に斜めに。だがその結果は以前と変わらず邪竜の鋼鉄のような鱗に阻まれ傷一つつけることができないでいる]
こうじゃない……なら。
[アサドの動きは明らかに鈍かった。自己強化魔法を用いて瞬発力を高め、長刀がダメージを与えられるギリギリの距離を見切って斬りつけ、一瞬にして相手の間合いから引き下がる。緩急自在の動きこそがアサドの持ち味であった。
だが今はその動きにキレがない。
まるで初めての邪竜討伐に参加した新参の戦士のように間合いもタイミングも全てがちぐはぐのまま刀を振るっている。
とうぜんその体には致命傷は避けているものの多くの傷が刻まれていく。
御前試合ですらもその身には一つの傷も負わなかったというのに。]
膂力:10
速力:60(100)
技巧;30
体力:10
魔力:50(10)
()内は風発動時。
ただし全力行動後は動きが取れない。
フフ……ハハハ……。
[だが笑っていた。アサドは確かに笑っていた。
そして、鳴りつづけて甲高い音が……止んだ。]
──نحن!!
[次の瞬間に聞こえたのは竜の咆哮。いやそれは悲鳴に近い叫び。
遂にアサドが水平に振るった長刀が邪竜の指一本を斬り飛ばした。]
なにをやっている?
[サイフラには聞こえぬ声音で、呟く]
(もしかして、剣に欠陥でもあったのか?)
[いや、それは絶対にない。あれはリーマン・ハンマーズ500人の結晶ともいえるべき、会心の作だ。
サイフラを助けこそそれ、その足を引っ張るようなものではない]
しかしいったい……えっーい。
[考えるのをやめる。いまは少しでもサイフラから邪竜の狙いを逸らすのが先決だ。
そう考えて、邪竜へと向かおうとした時]
な……?
[あっさりと、サイフラが邪竜の指を一本切り飛ばした]
むっ?
ミルファーク殿は二人の様子が分かるのか!
元気で居ると良いのだが、もしも分かるのなら
中継が入るまで教えてもらえませぬか!!
どんな小さな事でも構わない!
[一方、スズメは信じきっているからかどうかは
わからないが、先日サイラスから貰ったアイスキャンデーが
いたく気に入ったようで、自ら歩き売りを引き止めては
購入していた。
その間に、大会運営によって蜃気楼の如く別の場所の
光景が浮かぶ魔法が発動された。
少々ぼんやりとしているが、見えないよりは良いだろう。]
むっ?
ミルファーク殿は二人の様子が分かるのか!
元気で居ると良いのだが、もしも分かるのなら
教えてもらえませぬか!!どんな小さな事でも構わない!
[一方、スズメは信じきっているからかどうかは
わからないが、先日サイラスから貰ったアイスキャンデーが
いたく気に入ったようで、自ら歩き売りを引き止めては
購入していた。]
/*
メモを見て、ちょいと運営からの中継のあれやそれは置き。
きっとド派手に地下から出て来てくれるって信じてる。
[リーマンには見えていただろうか?
アサドの刃が邪竜の"穢れ"を切り裂いたのが。
竜を殺す為、元の竜ごとその身を斬り捨てるアル=サイフラの剣術。だが、たしかにアサドは竜の核ではなく邪竜の穢れだけを切り裂いた、その一撃が見えただろうか。]
ようやく……できた。
[魔力の運用がそもそも違う。竜器たる【アル=サイフラ】の刀としての力を増すのがアル=サイフラの技ならば、これは竜の王国の戦士が使う邪竜を祓うための技。
その技をを今アサドは初めて使って見せた。
それはリーマンが邪竜の目を裂いて見せた技と同じ魔力の使い方。
アサドはリーマンを師としてその技を盗んで見せたのだった。]
(とにかく陽動を……)
[リーマンは風を使い、邪竜に攻撃を開始する。
だが、攻撃を繰り出しながらも、疑問符がよぎる。
理解こそ己が力と認識しているリーマンだが、分からないのだ。
あの攻撃の質が……。
いや、本当は理解している、そうであろうと、そうなのだろうと、だが本来は「無理」なことなはずなのだ。
普通は出来ぬはずなのだ。だがこの男はやってのけているのだ]
この短時間に攻撃の質をかえただと?
[十年以上培った剣の質を、わずかこの短時間で塗り替えてみせたのだ]
きゃあ?!
ギャランさん声が大きいです……。
[わたしはしゃがんだまま、耳をぺたんとする。
地下の音は一度途切れた]
[すると……]
[ぱぱっと上空が光ったかと思うと、
何かが浮かび上がってきた。
一瞬鏡かと思ったが違った。
……それぞれ別の地下水路らしき場所にいるのは、
グレダとサイラス]
……あ……!
あれ!
難しいものだな。
[もちろんリーマンから技を盗んだといってもリーマンと同じことができるわけではない。
だがその性質は限りなく近く、邪竜の穢れを払うに十分な威力を発揮した。]
根から断ち切るほうが幾らも簡単だというのに。
[だがこの竜にはそれが通じない。それはこの邪竜が人々がアサドにみた恐怖の具現化だからだった。
同質の力を持つのならば当然勝つのは元来の力が強い方であるのが道理。
そして人の力が竜の力にに勝ることができないのも道理だった。
故に、アサドは振るう技を変えた。]
[無論、容易なことではない。
如何に器用であろうとも、如何に才気に溢れようとも、生まれてより叩き込まれた技を捨てることはできない。
だが……アサドの手にはリーマンの鍛えた刀がある。
リーマンがアサドの為に、アサドだけが使える、アサドの刀がその手にはある。
その形、その重さ、刀の全てがアサドの為だけに整えられた竜器が今アサドの手にはある。
そして───竜器とはそれと鍛えた鍛冶師とその相棒竜の性質を色濃く宿す物である]
(ふむ。来ない、か)
[水で満ち満ちた地下水路の中。水圧は上がり、パラで支えるのにも限界が近かった。
アズゥの魔力で水を弾き、確保した空気で息継ぎをしながら、最低限の魔力で水を塞き止める。
元来水中に潜ることには適した体だ。全身が水に浸かったところで問題はない]
できりゃあこの場で…ま、そりゃ贅沢ってもんか。
[ロサを失い、水を自在に呼ぶことができなくなった以上、水に満ちた場でやりあうことができれば理想的、ではあったのだが。
地下水路が水で満ち、瓦礫の音が聞こえなくなって幾許かの時間が流れている。
今頃、井戸や噴水、地表の水路、そういった場所から水が溢れ出している頃合だろう。
まさか、サイラスが溺れているなどとは欠片も思わない。
サイラスは賢い男だ。
ここまで戦えば、その事実はほとんど確信に近い]
…っ…ぁー…あとちょっとだけ、保て。
[アタシの体。アタシの魔力。
水に浸かっても、泳ぎに困らない。息継ぎに困らない。けれど、全身の裂傷から血液は流れ出る。
パラの魔力で流血を押さえ込んではいるが、水を塞き止めるのと平行しては完全とは行かない。
限界が、近い。
水はすでに満ちている。仕掛けるならば、今]
頼んだよ。アズゥ。
[最後に残したなけなしの魔力をために溜めてアズゥに込める。
溜め込み、引き絞り、一気に放出する。
アズゥの魔力が水を弾く。
狭い空間に満たされた水は、一気に弾かれたことで圧力の逃げ場を求めて急速にその衝撃を伝播させる。
風呂の配管でたびたび起こり、配管をダメにしてしまう厄介な現象で、名を、ウォーターハンマーという。
その伝播する衝撃を追うようにして、グレダもまた水中を泳ぐ]
[町並みのあちこちで、ウォーターハンマーに叩かれ、井戸や噴水など、小さな出口から打ち上げ花火のように水柱が噴きあがった。
その柱のひとつに、グレダの姿があった。
上空から見渡し、見つける。街中を駆ける赤い男の姿]
さぁ。
[魔力はもはやすっからかん。水柱のかく乱もどれだけの効果があるものやら。
けれどそれで負けると言う気はしない。
あとは、パラとアズゥ、そして自分の腕と足を信じるばかり]
行こうか!
[アズゥを上空へと放り上げる。
手に持つのは、パラの鎖、その一本だけ。
水柱の水を蹴り、頭上からサイラス目がけ、落下する。
反撃は当然あるものとして警戒しながらも、狙うは武器を握るその手。
竜器自体の破壊が困難であるならば、叩き落して戦闘力を奪う]
[ 永い永い一人の戦士の物語。
その数分の1ぐらいしか生きていないうちにとっては、さながら英雄譚のよう。
後悔もうちが理解するには遠いけれど、守りたかったり取り戻すために動く気持ちは分かる気がする。 ]
……聞かせてくれて、ありがとうございます。
[ ずっと押し黙ったままだったけど、エステルが言葉を切ったときに漏れた言葉は、この言葉だった。* ]
お、おぉ。これは失礼。
二人の身を案じるあまり、ついつい!
[少し声の調子を落とし、ミルファークを宥め。
少しばかり下を向いていたその間に、観戦席より僅かに
見上げる所に何かの姿が浮かび上がった。>>101]
……あれは。
[ミルファークの示す先を見ると、まだ目が慣れていない為
二つの影が動いているのは確認出来た。恐らく、あれは相棒と
グレダなのだろう。]
『ひとまずは無事だという事が分かりましたね。』
うむ。
ミルファーク殿も一安心というわけだ。
[さて、試合はこれからだ。]
[リーマンは少し呆れた面持ちで、サイフラの横に並び応じる]
ああ、食事の時間までには終わらせよう。
[そこからは一方的な展開だった。
リーマンの動きに邪竜が反応すればアサドがその隙に斬りつける。
その逆も同様に。
まるで幾度も共に戦った息の合うコンビのように、その動きは一切の合図を必要とせずお互いの動きをサポートしていた。
だが……相手は死を司る邪竜。
どんなに優勢でもどんなに完璧な動きをみせようともソレは人には到底成し得ない揺るぎない暴力の塊。
その一撃が二人の身体に触れ得なくとも、その咆哮が心を折らなくとも、二人の命を確実に削りとっていく。]
おいリーマン。
強すぎるぞこいつ、なんか知恵は無いのか?
[疲労とダメージの蓄積、そして失血によりその顔が青ざめてきたアサドがリーマンへと声を掛ける。
このまま続けていたら恐らく勝つのは二人だが、それは『続けられたら』という前提に基づくものである。]
ヒュー、ヒュー、ヒュー……。
あ"ーーしんどい。
[リーマンは青ざめてを通り越して、すでに死人のような顔つきだ]
もう、あれだ。
一気に、決めるしかないかな。
[話の途中から、ソレックスは押し黙ったまま聞いていた。>>+71
駆け出しの相棒にとっては重過ぎる話だっただろう。
それでも、彼女は真剣に耳を傾けてくれていた]
こちらこそ、ありがとう。
取り留めのない話を聞いてくれて、のう。
[英雄の人生には栄光が、或いはそれに見合った悲劇がある。
しかしこれは、ただ全てを喪ってしまうだけの話だ]
大層なことを考えはしても、道程もまだ見えぬでのう。
[御前試合に出たのも、足りないものを見付けるか補うためというのが本当の所であり、明確に先へ繋がる理由は実はないのだった]
おっ!?
[突然、あちこちから水柱が吹き上がる。
大盾を持つ腕を伸ばして水をはじいていると、頭上に大きな影が。
タライが振ってくる!]
どうりゃっ!
[大盾でぱん、とタライを払うやいなや、チェーンが大盾を握る左手首に巻き付いてくる。
グレダの風呂栓だ。
タライの影にかくれて、グレダが頭上から振ってきたのだ。]
綱引きだったら負けねえぜええええええ!!
[手首をぎちぎちと締め付けられ、痛くないわけが無い。
眉根をよせるが、笑みは崩さぬまま。
大盾を足下に落とし、チェーンをにぎって思い切り引き寄せる。]
[ギャランさんのおかげで、いつの間にか泣く事を忘れていた。
わたしはアルゴルに手を着いて立ちあがり、
空の映像に見入る]
グレダ……何してるんだろう……。
危ない事じゃないよね……??
[溜められた水が噴き出す。
井戸や亀裂から噴き出す水柱は、すでに肉眼でも見える]
あ……!
>>107
これは……。
タライは時間差で、後で落とすつもりだったんじゃないかな……?
タライは投げたけども、>>105
盾にした描写も、ぶつけた描写もなかったような……。
ま、でもしろんたまならなんとかするでしょう。
[そして再び接近するふたつの影]
[ロサはもうない。
3つの竜器が、複合でお互いをお互いを高める美しい三角形はもうない。
でも……]
それでも、
グレダは負けないんだから……!
かなり邪竜の動きも鈍った。
ここはこっちがジリ貧になる前に決める。
最大攻撃でいくぞ。
[呼吸を整えて、大きく息を吸いそして詠唱する]
そうかい。
いや、あたしは負けるよ。
[思い切り引き寄せられたならば引かれるままに、跳ぶ。
腕力で勝負ができるなどと思ってはいない。
けれど、思い切り肉薄し、鎖をもう一方のサイラスの腕に絡みつかせることを試みるくらいはできるだろうし、困難であればすぐさま跳び退るくらいのこともできるだろう。
戦士としての自らの資質のうちで、最も優れた箇所は足であろうと自負しているから。
跳び退った先にあるのは、先刻弾かれたばかりのアズゥ。
握りこめば手の平でやけどが痛む。
けれど、振り回す分には支障ない。
大盾を手放したサイラス目がけて、横なぎに振りぬく]
―昼、邪竜の住む川辺―
…ふむ。昼間は此処まで接近してもやっぱり出てこない…
夜行性の邪竜、って事か?
「…もしくは、単に夜の方が有利だからってとこだな。
蛇型の邪竜は、視覚以外でこっちを探知するのが多いし。」
…そうだとしても、この距離までくりゃ出てくると思うんだけどなぁ。
[言いながら、地面にククリを当て水分を奪う。
…表土を乾かすぐらいしかできないが、
なるべく乾いていた方が邪龍の膜を剥すのには都合がいい。]
「…問題は、どうやって引っ張り上げるかだな。」
力勝負じゃ勝ち目は無いし…注意引いておびき出すしかないか。
[上手くいくかどうかが問題だけれど、現状他に手は無くて。
溜息一つ吐きだして、邪竜が出てくる夜を待つ。]
[風を使い、邪竜に側面に回りこみながら言い放つ]
やめだ。
仕事のつもりでいたが。
ここからは天才剣士として戦おう。
悪く思うなよ。
今ここで貴様を祓う。
[ある音節をまるまる真似してアレンジする。
すると剣を持つ手にあり得ないほどの力が漲りはじめる。
あくまでこれはサイフラが使っていた技の物真似である。
本質は全く違う。
上辺だけをコピーして、自己暗示にかけたのだ。そしてコピーと言えどその効果は絶大だった。
その上で、自分自身の術を使う]
……む。
[意趣返しだろうか。確かにリーマンはアサドの言葉をある程度理解していたはずなので試合で口にした言葉の意味もわかっていたのだろうが。それは確かにアル=サイフラの"呪法"によく似ていた。]
お前、性格悪いぞ。
『一発必中シュトルム・カイザー!!!』
[逆手に持った双剣の片割れ『風神』を、いまだ傷ついていない邪竜の片方の目へと投擲する。
轟音を伴い。狙いは過たず邪竜の目へと食い込んだ]
もう一発!!
[さらに『風塵』を構えて突き刺さったままの『風塵』にぶつける。
すると風が炸裂し、邪竜の顔面をずたずたに引き裂いた]
[そして、リーマンはその場に大の字に倒れる。
それから叫ぶ]
術の反動で動けん!!
早くしとめろー!!!
出ないところされるぞ!!!
[不満を漏らした分だけ遅れながらアサドも同じ意味の節を違う音で口にする。]
أستقيل.
على الرغم من أنني خطة العمل.
أنا أحارب كمحارب من هنا.
لا أعتقد سيئة.
أدفع بمختلف هنا الآن.
[御前試合とは違う、とても静かな魔力がアサドの身体を優しく包み込む]
『しかし、試合開始から随分と大きな事象が起こっています。
そんな事は無いと信じていますが』
縮む、か。
そんな事もあるかも知れない。
しかしだ、あったとしても……俺達は竜器と共に
あいつの傍に在り続ける。
あいつは…一人なんかじゃないんだよ!!
だから、きっと。
[大丈夫だ、折れる事など決して無い。
根拠も何もあったものではないが、それが励みになれば良いと
腕を組んで試合の様子をじっと見守っていた。]
[パラが跳ね、アズゥが薙がれる。
その動きが]
……グレダ、怪我してるの……?
[最強の戦士を決める、最終決戦だ。
苦戦するのも当然だろう。
わたしは指を強く握った]
……グレダ……!
うひゃ!?
[跳び退いたグレダがタライを握り、こちらへと振りぬく。
男も一歩さがり、足下の大盾の下辺を思い切り踏んづけた。
湾曲している大盾は、踏みつけられた勢いで直立し、タライを防ぐか。
右手に握った戦鎚で左手をぶんなぐれば風呂栓を壊せるだろうが、さすがにそれは痛いでは済まない。
だから後ろ足で踏ん張り、チェーンをグレダごと振り回す。]
/*
こいつ、相棒さんの事を信じているのかいないのか。
たまーに矛盾した事言うよね…。
さて。
原稿しながらちょいちょい見ておりますけれども、
本当にえすさんが戦士で良かった…。
わたしだと本当に負けに行ってしまうだろうからなあ。
多分これ、何日目かの灰にも置いたような気がする。
[次の瞬間アサドの身体は竜の正面にあった。
だが邪竜のその動きを捉えすでにその咢を大きく広げる]
……のろま。
[咢を閉じようとする動きよりもなお速く大地を蹴り高く跳ぶと、竜の目に突き刺さる『風神』の柄を蹴りらにその高度を上げ竜の頭上の真上へと舞い上がる。]
على ضوء ذلك
[上昇の速度がゼロとなる、跳躍のその頂点で掲げた刀の刃が白く伸びる。]
[まるでただしゃがみ込んだだけかと錯覚するほどの静な着地。
片膝をつき顔は俯いたままで表情を窺い知ることはできない。
だが振り下ろした刀は水平に地面スレスレでピタリと止められている。
そのままの姿勢でアサドは動かない。
──1秒。
──2秒。
──3秒。
そうして大地に倒れ伏したのは邪竜の大きな体だった。]
っと。
[大盾が立ち上がり、アズゥの一撃をしのぐ。けれどそれは、手で持って支えられたものとは違う。
しのがれ、弾かれた勢いでもってくるりと回り、上辺を蹴り飛ばせば転がっていってしまいそうなものだ。
あるいは踏み留められたままだったか?
今は、それを確かめている余裕はない]
っとと。
[パラの鎖ごと、振り回されようとしているのだから]
っと。
[その力に、逆らわない。小さな体で飛び回り、棒を振り回し、空中で反転することは、もはや体に染み付いている。
振り回されるままに身を委ね、叩きつけられる前にその力をそらす。
振り回されれば振り回されるほどに、サイラスの腕に鎖が食い込む道理だ]
私の最強の竜器は……、
貴女だよ、グレダ!
貴女が居なくなったら、わたしは悲しい!
……だから怪我しないで!
無理しないで!
なんとなく、しろんたま、最後の最後は負けたいと思ってるんじゃないかと思うので、
そういう流れを投げて見る。
[大盾からは足を離せば、ふたたびどしりと地面に横たわっている。
大盾を踏み続けている余裕は無い。
相手はタライを握ったまま、なすがままに振り回されている。チェーンを離してこない。]
そんじゃー……よっ!!
[気を取り直してチェーンを握り、そこに戦鎚の鎚状になっている方の先端をつけ、
すりつぶすように壁へと押し付け殴った。
はたして程度の強度があるのか分からないが、どのみち壁は破壊される。]
……。
『頑固ですね、応援したいでしょうに。』
俺の声は響くからな!
二人の戦いの妨げになってしまう可能性は大いに考えられる。
俺が口にして良いのは、あいつの名だけだろう。
[しかし、それも今は言う時ではないと
双方の攻防戦を目を細めて見ている。]
しかし、見つめるしか出来ないのは結構辛いな。
『だから言っているのに。』
―夜、邪竜の住む川辺―
[…昨日と同じように、邪竜が川から顔を出す。
ただ昨日と違うのは、乾いた地面。
そして、自分が川のすぐ岸辺に居る事。]
攻撃時に全身を出す事はせず、
基本的に攻撃は尾での叩きつけと薙ぎ払い、と。
…首がこっちを向くわりに攻撃してこないのは、
隙狙いか単にこっちの場所把握のためかどっちなのやら…
[…邪竜の攻撃を避けながら、分析は続く。
叩きつけられた尾に切り付けてみたけれど、
表面の水に阻害されて邪竜本体まで竜器は届かなかった。
水が攻撃のために動く様子も無いし、
どうもこの水の膜は完全に防御のための物らしい。]
わたしは……、
わたしは……、
今、とても幸せだよ。
わたしの竜器を使ってくれる人が居る。
私を認めてくれる人が居る。
世界がこんなに広いなんて知らなかった……、
ここには、確かにわたしの居場所がある……!
…となると、凍らせて動きを阻害するって案も有りはするけど…
そもそも凍らせる余裕が無いんだよなっ!
[振られる尾は、動きが遅く攻撃範囲も限定されている。
ただ問題は、その尾しか此方が攻撃できる部位も無い事で…]
…ジャマダハルなら膜は抜けるけど、腕を引きぬく余裕が無い。
ククリなら捕まる事は無いけど、今度は膜を抜けない、か…
[…砂の上で尾を避けながら、ため息交じりに小さくぼやく。
地面に大分水分を吸われても、胴の方から水を送れば膜は減らない。
…ああ、確かに堅実な策だ。堅実すぎて嫌になる。
コイツは、何処までも持久戦をする気だと言う事なのだから。]
…ははっ
[振り回されながら、その耳に、観客席からの声が届く。
もういい、と、ミルファは言った。
怪我をするな、無理をするな、と。ミルファは叫んでいた。
けれど、その前に、ミルファの最強の竜器は、自分だと、そう聞こえた。
…まぁ、見てなって。
気を抜けばすぐにも霞みそうな頭の端で思考する。
アンタの最強の竜器は、そりゃあ最強なんだから、負けはしないのだ、と。
いなくなったりなどはしないのだ、と。怪我なんてしたところで、それはちっとも無理なんかではないのだ。と。
信じろ。と。
それを、戦いの姿で以って示そうと。そう思う]
おや、連れないじゃないか。
アタシをほっといていいのかい?
[サイラスが狙いをパラのチェーンに絞ったのを見て取って、握っていたその鎖を離した。
単純な形状であると同時に、ミルファが作り上げた合金の輪だ。
余分な負荷がかかりさえしなければ、竜器はともかくレンガの壁などに負けはしない。そう信じる]
脳震盪くらいは覚悟しなっ
[その声とともに、握ったままだったアズゥを振るい、チェーンを狙わんと壁を砕く、サイラスのこめかみに狙いを絞った]
/*
…っと、そろそろ決選投票しとかないとまずいかな?
(たしか、灰で墓下が投票する形式だったと思うし)
…負傷の度合い的にサイラスさんのが優勢っぽいし、サイラスさんに一票入れとこう。
――――サイラスッ!!
[グレダの盥が相棒のこめかみを狙った、その時。
男の大きく、鋭い声が飛んだ。
悲観などしていない。
しかしその呼びかけの意味する所は危険を報せるもの。
決して折れない、彼は勝ち笑うのだと信じているにも
関わらずだ。]
[さすがに体力は限界だ。
強がりで笑い続けるが、本音を言えばもう一歩も動きたくない。]
……サイラスっ!てめーもちったぁ応援しろよお!!!
[だから今、いつもの相棒の激がいちばん聞きたい。]
[出来た隙をグレダが狙わないわけが無い。
彼女が、そのタライをふるわないわけが無い。
ひゅ、と風の音が耳に入る。
戦鎚の先端、チェーンを叩いていない方はピック状になっている。
頭をうつむけ、そこに全ての意識と、最後の魔力を向かわせる。
相棒が、製作を一番得意とする鎚。]
『スルトの』
[邪竜を相手に使えば、生命エネルギーを吹き飛ばす魔法。
それ以外のものに使えば]
……『咆哮!!』
[噴火時の衝撃波を模したそれは、無機物を通り抜け、肉体に強烈なしびれを起こし、麻痺させる魔法。
それは、巨人族に耳元で怒鳴られるかのような。]
ばかやろう!!
試合の邪魔したくないから黙ってんだよ!!!
それに、俺はお前の傍に居るだろうがあああああああ!!
[吠えた。
応援しろと言われたら、叫ばないわけには行かない。
例え、どのような結果となるにしても。]
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