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[足場が不安定な中であっても止まらずに駆けるグレダに
追撃に対する防御をと願ったが]
『大丈夫ですよ、ほら。』
[スズメはあくまでも冷静に熱い。
嘴の示す先、起こった熱風の及ぼした影響に男は目を見張る。
そして同時に、例えようも無い嬉しさがこみ上げて来て
ほんの少し目頭が熱くなった。]
――私の故郷は、『禁域』と呼ばれる森でのう。
泉を棲み処とする竜と、その加護を受けたエルフだけが住んでいて、他の者との交流がない土地であった。
この王国とも離れた場所であったから、竜に関する考え方が、こことは随分と違っておったのだよ。
私の故郷には、『武器』としての竜器がなかったのだ。
[言いながら、故郷にいた頃の生活を思い出す。
エルフ族は魔力が高い。
そのため魔法の媒介となり生活を便利にする類の竜器は、むしろ他の地より豊富にあったかもしれない。
ただし、それを竜に向けるなど、誰一人考えもしなかった]
森の自然を護り、悪い心を抱くことなく過ごしていれば、竜が邪竜に変ずることはないと考えていた。
逆に言えば、竜が邪竜と貸したなら、それは何らかの罪の報い――その時は、里や森と運命を共にせよ、とな。
[実際には、長い年月の積み重ねもまた、竜を邪竜へと変化させる。
しかし、それはひとつの里に歴史が生まれるには、十分な期間であった]
里が他者の侵入を阻んだのも、『悪い心』の持ち主が入るかもしれないと考えてのことであった。
無論、私も里の教えを信じていたし、働ける歳になってからは森の警備に当たることもあったよ。
だが、その時にのう。私はある男――鍛冶師に、出会った。
[脳裏に浮かんだのは、試合の間保管してもらっていた竜器のこと**]
それが魔導弓『光陰』の制作者。そして私の、夫となる男であった。
―夜、仮設拠点―
…鰻で無かった事を喜べばいいのか、
十中八九捕捉されてる事を嘆けば良いのかどっちだろうな。
「…少なくとも、捕捉されて即攻撃ってのが無かった事を喜べばいいんじゃないか?
…まぁ、近かったら多分叩き潰されてたんだろうけど。」
[此方を睨んだ上で川に戻って行った邪竜を見て、
テントを片付けながら溜息を吐く。
…今は襲ってこなかったが、既にこちらは見つかっている。
そのままテントを張って居たら、下手したら川が此処まで伸びてきかねない。]
「…で、あれをどう見る?」
外見的には蛇型の普通の邪竜だな。
鱗が目立たないって話だったのは、水を体表に纏って膜を作ってるからだ。
襲ってこなかった理由は、土に触れて膜が剥げるのを嫌がったんだろう。
…最も、膜が攻撃のための物か防御のための物かは不明。
現状の分析はこんなとこで。
「…で、対処法は?」
あっちの攻撃手段も分からん以上は微妙だな。
魔法にしても、水の邪竜に水の魔法ってそもそも効くと思えん。
「…つまり、やる事は単純か。」
…膜を如何にかして短剣を突き刺す。
うん、単純すぎて嫌になるがね…
[…それをどう実行するか、が問題なのだし。
二人そろって、小さく溜息を吐いた。**]
その手はもう見せてもらったからね。
[複数の水球に対する対処として、『ロギの嚔』は十分に想像できる範囲。
むしろ、それを誘うために水球を無数に分けたと言ってもいい。
水は、熱されて乾く。わずかばかりの水ならばそれで終わっていただろう。
けれど、サイラスに向かっていたのは無数の水球。
熱され、蒸発し、気体となった水は行き場を失い水蒸気となってあたりに充満する。
と同時に、水の気化熱はロギの熱量を大きく減衰する]
パラ、頼むよ!
[水気、湯気を留めるのがパラに込められた魔法。
殺到する熱風は水気に熱量を奪われ、空中に圧し留められた水蒸気が壁となってふわりとした温風へと有り様を変える。
とはいえ、吹き飛ばされてくる瓦礫を推し留める効果までは、水と水蒸気の壁に期待できない。
アズゥで防ぐか?
否。足を止めての打ち合いでは余りにも不利。
回避する?
否。水蒸気が視界を塞ぎ、飛来する瓦礫を見つけることは困難だ。
ゆえに、避けるのではなく、逃れる。
瓦礫が飛ばされることの予想できる範囲の、そのさらに上方まで。
『ロギの嚔』の、その発動に気がついたその瞬間に、最初の跳躍は始まっていた。
足場は、水だ。
エステルとの試合でその頭上を取ったときと同様にして、水かきの足でロサが作り、パラが留めた水塊を足場に、跳躍を繰り返す]
ッ!
[その途中。宙へと逃れようとする肩めがけ、瓦礫のひとつが飛来する。
けれどそれは予想できた痛みだ。
声を上げずにこらえ、跳躍のためにからだを動かすなかで損傷を確認する。
よし。
痛みはするが、動かないわけではない。肉と、あるいは血管を痛めはしただろうが、筋と骨はしっかりと動く。
そのはずだ。
サイラスは、地面を揺らしこそすれ、破壊によって重量のある瓦礫を作り出しはしなかった。
今飛来するのは、街中に雑然と置かれた、比較的小さく軽い有象無象。それを知ってこそ、『ロギの嚔』を誘ったのだから]
お返し、させてもらうよっ!
[降らせる声は頭上から。
ロサの魔力に呼応して、水蒸気となって散った水気が集められ、サイラスの頭上で再び水塊を為す。
そのことは、視界が晴れていったことでサイラスにもすぐに知れただろう。
だから、隠すこともせず、声を降らせた上で。
熱風に熱され、熱を帯びた水、否、湯が、今度は一塊の巨大な水球となって、頭上からサイラスめがけて叩きつけられた**]
どおりゃ!!
[戦鎚が壁と打ち付けられてひびが入っていたから、男が肘鉄を入れればぼろりと崩れた。
ぐるりと後転してその場を逃れる。]
ちぇー、全部は乾かせなかったかあ〜〜。
[それでも、最初の頃よりは水は減っている。
水蒸気となり会場中に満ちてはいるが、全てを再び水に戻すには会場の外から全体を冷やせばならないだろう、……と、思うのだが。さて。
温まった空気にふう、と息をつく。暑い場所での戦闘は慣れたことだ、むしろ体があたたまって動きやすい。]
[グレダの声は頭上から聞こえる。
巨大な水球は、右方のドアから空き家の中に入ることで難を逃れる。]
[ドアを締める際に足にお湯がひっかかった。まったく凍り付いたり何だり忙しい足である。
が、動きは止めず、空き家の階段を上り、窓から屋根の上へ。
位置はちょうどグレダの真横か。
連接棍を手に取り、真横になぐように打撃部を繰り出す。]
─ 決勝戦のその裏で ─
戻ったぞ。
[結局、目当てのモノは見つけられなかった。
しかし、思わぬ収穫もあった。]
リーマン、今日の討伐はお前も出ろ。
指揮官じゃない、戦士としてだ。
─ 王都・昼前 ─
[邪竜退治を生業とする戦士、それも一流の戦士を求めて王都まで引き返したアサドであったが、何のツテもアテもなくそう簡単に見つかるものでもなかった。
刻限が迫る中、ハンマーズ本社に戻ったアサドはリーマンの部下にアテがないかと尋ねた]
「高名な戦士ですか?」
[社員は何を言ってるんだという呆れたような表情で答える]
「いるじゃないですか、すぐ近くに」
ふむ。
[壁に穴が空くのは見えた。サイラスは屋内へと逃れようとしている。
見えたのはそこまでだ。
集めた水が間に挟まり、サイラスの姿は見えなくなったし、そうして集めた水は、今から止めるわけにも行かない。
叩きつける。
そこにサイラスの姿はない。
分かっていたから耳を澄ませた。
獣の耳が、金属の鎧がぶつかり合う音、背に負ったスルトが鎧にぶつかる音、ユミルの関節となった鎖が立てる音を捉える。
登ってきている。家の中を、だ]
がんばるねぇ。
[見ていたところ、サイラスの足の速さは常人の域を出ない、といったところであったように思う。
そのサイラスが、こちらの滞空時間のうちに家の中を登ってこようとするのは生半のことではないだろう。
ならばこちらも、手をこまねいているわけにはいかない。
サイラスの到達までの間に、ロサをくるくると回し、可能な限り、空中に散った水気を集める。
とはいえ、サイラスの推測は正しい。
一気に拡散した水蒸気を掻き集めるには時間がかかるし、こちらもすでに大技を二つ使ったあと。
質量を武器にできるほどの水は、集められない。
しかしまぁ、それと引き換えにロギの熱風をやり過ごすことができたのだから御の字だろう]
うむ、出迎えご苦労。
[落下する時間の中、横合いからユミルを繰り出すサイラスに、大真面目な顔をして軽口を叩く。
繰り出される棍棒の唸りは凶暴なほどの重量を示し、一撃加えられれば致命的なのだと否応なしに示している。
受けるわけにはいかない。
連接棍の間接は、こちらが受けに回れば、その防御の手をたやすくかいくぐる。
空中で体を捻り、反転して頭を下に。サイラスが上ってくるまでの間に集めた水の一部を足元、つまりは上方に集め、パラで留める。
ぱしゃんっと蹴って落下の速度を増し、横なぎに振るわれるユミルを下方にかいくぐる]
ふッ!!
[たった今くるりと反転した勢いをそのままに、自らの上方を抜けていくユミルの先端へ、内部に水を溜め込んだロサをぶつけ、加速させる。
連接棍の扱いが難しいとされるのは、ひとえにその関節の挙動に難儀するからだ。
攻撃のために振るった先端を、さらに叩いて加速させれば、その勢いを止めるのは使用者であるサイラス自身にとっても難しいだろう。
追撃はあったか否か。
いつでも空中で跳躍できるようロサとパラに意識を集中させて、サイラスの挙動に集中する。
そして、かなうならば加速した落下の勢いそのままに、地上へ。
自らの着地には、先刻叩きつけた水を集め、クッションにすれば問題ないだろう。
問題は、サイラスがどう追いついてくるか。
屋上から跳躍して追って来たならば、着込んだ金属鎧、背負った重量武具、そして巨漢である自身の体重が生み出す衝撃を支えきれず、先刻スルトに叩かれ、ひび割れた地面は崩落を引き起こすだろう。
階段を走って追ってくるならばその間に再び、多少なりと水を集めておくことができる。
さて、サイラスはどうするか。そこに、意識を集中させた**]
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