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[投げたククリは外れたか弾かれたか、それともまともに当たったかか。
少なくとも、盾を動かさなかったと言う事は反応できなかったか…]
…反応する意味も無かったかのどっちかだよなぁ。
[ため息交じりにぼやきつつ、痛んだ竜器を鞘へと戻す。
上着のポケットに手を入れて、出すのは二本のジャマダハル。
右手に竜器、左手に武器。先ほどと同じ構え方。
ただ、先ほどと違うのは…]
…そんじゃま、切り替えて行こうかね!
[…間合いを取らず、魔法を使わず。
一気に間合いを詰めにかかる事。]
[立ち上がったまま後ろ手に握った連接棍を、こちらに突進してくるジミーの方へ一直線に伸ばす!
しかし、男の技力は決して高くはない。
ジミーは動いているし、せいぜい打撃部が彼の髪の毛の数本を奪う程度だろう。]
[ ――さて、3つ目の竜器、弓の製作です。
エステルも一番扱いたいものでしょうから、本来なら一番最初に造るべきだったのでしょうけど。
何といいますか昨日見せてもらったあの弓に、気後れしてしまっている感じです。
だから、どうしても手を付け辛くて。
けれどそんな弱音を言っていてはいけません。
届かないなら届かないなりに。
うちらしく、造ればいいだけです。
彼女が遣っている場面を、想像して。
イメージを追い求めるように。 ]
[ ふと聞いた理由は、口調は軽いけれどうちにとっては途轍もなく重いもの。
けれど。
けれど。 ]
それじゃロンディーネ、始めるよ。
[ 焼硬鋼の角灯、中の青い炎を燈して。
鋼に向かって、鎚を振り下ろします。 ]
――魂、たれ。
[ 古い鍛冶小唄を、口ずさみながら。
それにしても何時の間にかおじいの真似してたら、覚えて癖になっちゃったよね、うちも。 ]
『あれは、動かないのか動けないのかどちらでしょう。』
わからん。
俺はジミー殿の何かトラップのようなものが来るのかと
身構えてしまったぞ!
しかし真正面から行くか。
これはサイラスにとって分が悪いな、当たれば致命傷だが
それまでが大変でな!
『以前は10の内3(10)は外していましたものね。
今回はそうならないよう祈ります。』
[離れた所からグレダの声援が聞こえる。>>61
双方等しく応援すると決めている男ではあるが、相棒への
声援にはやはり嬉しくなる。
だから…どうだ、あれが俺の相棒だ!と心の中で叫び、
胸を張って仁王立ちを続けていた。]
[理由を聞いたソレックスの反応はどうであったか。
表面上は、冷静に受け止めてくれたように見えた。
それ以上の言葉は交わさぬまま、店を後にして]
まったく――駆け出しの子に、どれだけ荷を負わせるのかの、私は。
[期待の表れと言うには、少し余計なものをさらけ出し過ぎてしまった気がする。
全てを捨てて何も持たぬ一戦士にはなり切れない所は、我ながら未練がましい]
今手にしているのは、正真正銘、私のためだけの竜器。
だから私は、この竜器のための戦士にならねばならぬ。
[あの子に語った目的のためにも、それが一番必要なことだ。
竜器そのもの、そしてそれから引き出す魔法の力。
それらの扱いを意識しつつ、まずは訓練施設へ向かい――]
― 観戦席 ―
[結局御前試合の観戦席に辿り着いたのは、試合が始まってしばらく経ってのことであった。
先のイメージ通り、怪力で武器を派手にブン回し、相手を容易く近づけないサイラスに。
素早さと武器の軽さをいう利点を持って、敵の攻撃を果敢に掻い潜るジミー。
見た目の豪快さゆえサイラスが押しているようにも見えるが、体力や魔力は無限に続く訳ではない。
勝負が決したとはまだ言えぬだろう]
ジミー殿ー! 隙は必ずある、そなたの技量ならきっとやれるぞー!!
サイラス殿! 皆がそなたの戦いを注視しておる、その調子だぞー!!
[二人と交わした剣と言葉を思い、それぞれに声援を送る。
ソレックスとの約束の分、少しだけジミー寄りにはなったけれど]
・・・何のぉっ!
[…連接棍は、確かに避けにくい武器だ。
だがそれも懐…先端が折り返せない間合いに入ってしまえばただの棍。
いくら腕力が有れど、加速するだけの距離が取れない間合いに入り込んでしまえば…]
…とか考えても入るまでが一苦労なんだよなっ!!
[伸ばされてくる連接棍が、頭を掠めた事に寒気を感じつつ走る。
ジャマダハルは殴る感覚で扱う刺突剣。
…突撃する勢いを込めて打ち込む一撃は、果たしてどれほど威力を出せるだろうか?]
………南無三っ!
[叩き込むのは竜器の方で、狙うは連接棍の手元部分。
…本来狙うべきは多少ずれても当たる胴体などだが…
胴に打ち込んだとしても、下手をすれば鎧に弾かれて終わりだろう。
それなら、厄介な武器の破壊を狙ったほうがまだマシという判断だった。]
[目論みどおり、連接棍はジミーに当たらなかった。
それでいい。]
……来いよ。
[狙いは、彼の後ろに放置されていた戦鎚。
鎖部分が鎚の柄に巻き付く。
のけぞりながら吊り上げれば、ジミーの背後に戦鎚が迫る!]
[どっと歓声が上がって、わたしは会場を見る]
あっ……。
[攻撃のやり取りに、わたしは思わず手を止めた。
武器が振るわれる度に、きらっと光を反射する]
グレダならどう戦うんだろう……。
[試合の行方よりもそう言う事が気になった]
[人の目は後ろにはなく、鎖が何かに巻き付く音は聞こえてもそれが戦鎚だとは気付かない。
だからこそ、連接棍を突き折るべく右腕を打ち込み…]
…コイツ喰らって、へし折れろぉぉっ!
[果たして、届いたのはどちらが先だっただろうか。]
お、仕掛けたね。
[ジミーがサイラスへと駆け、サイラスの連接棍がジミーへと迫る。
得意とする間合いは互いに近接。
決着が近いと見ていいだろう]
ああ、大したもんだよ、アンタの相棒は。
[ふと視線を感じて顔を上げれば、少し離れた席にいるギャランが映る>>67。
相棒である戦士を誇るかのようなその仁王立ちに、それを認める頷きで応じた。
実際に、大したものだ。
試合会場に立つサイラスの姿は、以前に時折見せた情けなさの欠片もなく、迷いなく竜器を振るっている。
自分があの場に相対していたとして、手ごわかったことは間違いないだろう。
だからといって負けるつもりはないけれど]
[ 弓の材質や造りは、原形があるので迷うことは有りません。
サイズとか細部は、採らせて貰った寸法で微調整は必要ですが。
後は、可能な限りうちの理想を追いかけるだけです。
幾度も幾度も、芯になる鋼を叩き鍛えて。
その心材に真正銀と白竜鋼の合金で挟み込むようにして、叩いたり削ったり形を整えて。
弦は少し考えましたが、陸クジラのヒゲに伸縮鉄の鋼線を仕込んだ物で。
採算度外視気味ですが、今は言いっこなしです。
少しでも勝ちあがれば、王都から補助が出ますし。 ]
[ 最後に全体を磨き上げて、仕上げます。
あの弓のような魔力の運用効率を上げる文様彫刻に関する知識がうちには無い分、下手に弄くるより省く方が確実と外見はプレーンな仕上がりに。 ]
…………ふぅ。
どうかな、ロンディーネ。
[『聞く相手はワガハイではない、が。』
『自分を信じればよいではないか。
そうで無ければワガハイが認めた甲斐が無い。』
何時もの様に傲岸不遜の態度ですが、今回ばかりはロンディーネも満更ではない様子なのでした。 ]
なっ……!!?
『―――――…!?』
[相棒の行動に、>>71思わず仁王立ちを解いた。
まさか持ったばかりの武器でもう一つの竜器を絡め取るなどと、
少し頭の要る戦い方をするとは思っていなかったのだ。]
『……同じ事を考えていましたね、貴方。』
い、いや、信じていたぞ。
[色々と気まずかった。]
うん。
[グレダなら、「うまいこと」やりそうだと思って、
わたしは口元で笑う]
あんな大きな人に立ち向かう、あっちの人もすごいね。
― 回想・訓練施設 ―
[ロンディーネは鉱山の竜。
その性質を最大限に発揮するのは、金属に関わる魔法――]
うむ。
上等であるな。
[左手で投げては受け止め弄んでいるのは、鎧の関節の留め金部分。
満足げな笑みを浮かべて]
これならば、弓のこともきっと心配いらぬ。
想像通り――否、それ以上のものを造ってくれるはずだからのう。
[呟き、竜器を仕舞って訓練施設を後にした]
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