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サイフラは?
[部下の男に訊ねると、彼は重々しく答える]
「まだ動ける状態ではありません」
そうか……。
[Sクラス相手と言えどサイフラさえ居れば、とも思ったが、あれだけの魔法を使ったのだ。その反動は並みのものではなかろう。今、無理をさせるわけにはいくまい]
― ホテル・サイフラの部屋 ―
[寝たままのサイフラのもとへ行くと、挨拶もそこそこに本題を切り出す]
聖没と無至はちょっとの間返してもらうぞ。
ちょっと邪竜を討伐することになってな。俺自ら出向くことになった。
どうもお前とこの双剣は相性が悪いみたいだしな。
[そこで言葉を切り、ちょっと思案してから言葉を続ける]
相手はAクラス相当。
コンテナの竜が邪竜だった時と同じくらいだな。
多少骨は折れるが、まあ俺ならばそれほど危険でも無い相手だ。
じゃあお前はちゃんと体を回復させておけよ。
またこき使わせてもらうからな。
[打撃部の重さは、子ども一人分ほど。そこに遠心力が加わるのだから威力は推して知るべし。
がんがん周囲の障害物をぶっ壊し続けるが、相手は現れず。
様子を見られているのか?
警戒して大盾を構えれると同時に、フ、と影が頭上にかかる。
大盾をかざせば、カン、と音がして何かが落ちる。
瓦礫か、相手が持ち込んだ何かか。]
― 王都 ―
[馬をゆっくりと、王都の門がある方向へと歩かせる。隣には同じく馬に乗ったミコ。後ろにつき従うは部下の男と、抱えの鍛冶師が数名である。
まだ祭りの真っ最中だ。人通りが多く、少々馬を進ませ難い。
今頃は第二戦が行われていることだろうか。
おそらく戦士と鍛冶師達が互いにしのぎを削っていることだろう。
西の村までは馬を走らせれば割とすぐの距離だ。
リーマンとて、御前試合を観戦したくないわけでも無いので、討伐が早めに終わせれば、観戦に赴くつもりだ]
結構、鉄板の試合もありそうだしな。
[非公式だが、御前試合では賭け事も行われている。まあ当然と言えば当然だが。
やがて、門の前に到着すると、ミコと部下たちに号令をだす]
これより俺たちは邪竜の討伐へと向かう!
相手はSクラスの難敵だ!
気を引き締めていくぞ!
[『おう!』と言う部下たちの野太い声とミコの『おーう』と言う少し気の抜けた声。士気は高い。
王都の門が開かれた]
[…投げた板は相手がかざした盾に防がれた。
だが、盾を頭上に翳せばどうしても視野は狭くなる。
奇襲するなら、今が絶好の機会だろう。]
(…ま、そもそも抜けるかどうかわからないけど…
其処まで深手は負わないと思うんで勘弁でっ!)
[声は出さない。位置を知らせるから。
上も取らない。影で相手に気付かれるから。
可能な限り察知されないように、狙うは右腕の関節で、
片腕を負傷させれば武器を振る速度が鈍ると判断して奇襲をかける。
撒き散らされていた瓦礫が、踏まれて小さく音を立てた。]
[部屋の扉が閉まる音と共にアサドの目蓋がゆっくりと開く]
馬鹿な奴。
聴こえてると解ってて話しかけたんだろ?
[実際のところ聴こえていた。アサドが動けないのは"じぶんの扱える本来の魔人化を超えた力の行使"の反動であり、怪我などではなく、筋肉の断裂すらも起きていないのだ。ただ大幅な緩急の訪れに身体を上手く操れなくなっているだけであった]
下手な嘘だなリーマン。
Aクラス?何人もの戦士を抱えているお前がそのためにわざわざあの双剣を持っていくものか。
[アレを扱ったアサドにはわかる、アレは間違いなく歴史に残る逸品だ。ただアサドはその扱い方を間違えた。
アレは意識して魔力を抑えないと戦士の魔力を根こそぎ竜の力に変えてしまうものなのだ。そのためいつも通り全力を出そうとした意思に反応してアサドの魔力を全て魔人化に費やしてしまい、結果として魔力の枯渇を引き起こした。]
伝えないとな「お前は間違いなく最高の鍛治師だ」って。
[身体の自由が戻るまでどれぐらいだろうか。]
無茶はするなよリーマン。
お前の命は何人もの人間を支えているんだからな。
[ホテルの天井を見つめ、今は静かに身体を休める。
動けるようになればいつでも飛び出していけるように。]
― 回想・孤児院時代・初めて竜を見た時 ―
[リーマンのもっとも古い記憶は、孤児院で血の繋がらない兄弟たちと貧しい食事を採っていたことだ。
孤児院での生活はその日に食べる物も困るようなものだったが、楽しかったと言う記憶のほうが多い。
先生は優しかったし、兄弟たちも楽しい連中ばかりだった。
孤児院ではとある宗教を信仰していた。宗教と言っても先生が考えた聞き分けの悪い子をちょっと脅かすような『ごっこ遊び』に近く、ただ『神様』と言う漠然としたものに敬意を払おうというものだった。
神曰く、兄弟とは仲良くしなさい。
神曰く、好き嫌いしないで食べなさい。
神曰く、レイチェル先生が結婚出来ないのは、男に見る目がないからだ。
本当にただの遊びのようなものだった。
それでも、ここは竜の王国。その信仰は超自然として形を為した]
――わあ!?
[ある日、山で山菜を採っている時に、荘厳な顔つきをした銀色の竜と遭遇した。
最初は驚き、ほうほうの体で逃げ出した。
怖くて怖くて孤児院で大泣きした。
だが、恐怖心以上の好奇心でもって、その竜と何度か会っていくうちに、その竜が孤児院を守ってくれているのだと気付いた。
その竜は『孤児院の想いが結晶と化した竜』だった]
― 回想・数年前の契約竜探し ―
[自分と契約できる幸運な竜を探す旅である。
自分にふさわしいと思い描く竜は、まず金色の鱗を持っているべきだ。
飛竜タイプが望ましい。やはり竜は空を飛ぶ姿こそ美しい。
翼が六枚にもなるものもいるらしいから、それを狙いたい。
その旅の途中で、かつて育った孤児院を訪れたのはちょっとした気紛れだった。
卒業してからは、一度も立ち寄ったことはない。
いつの間にか、無駄な記憶の一部として。
無意味な記憶の一部として、心の片隅に放置していたのだ。
いや、それどころか生まれがハッキリしないと言うことをコンプレックスとして、忌避するようにもなっていた。
だから近くに来たので、あくまでついでと言う形で寄っただけだ]
[しかし山の中の孤児院は廃墟と化していた。
事情を知る者に聞くに、別に大きな不幸があったわけではない。
ただ、スポンサーが手を引いただけ、ただお金が無くなっただけ、それだけの話だった。
大人になったリーマンが、強く感慨を受けるような事柄ではない。
色々と事情があるのだ。
もと居た孤児達もちゃんと他の孤児院に引き取られたそうだし、不幸なことなど何もない。
大人で、理解力の高いリーマンは『そうなのか』と思っただけだ]
[だが、何かに衝き動かされるように、リーマンは山の中を歩いた。歩き続けた。
三日三晩、歩き続けた後。
『やはり居ないか』と理解し、山から出て、廃墟となった孤児院のそばで倒れ込んだ時。
孤児院の半分崩れた屋根の上。
ボロボロに鱗は剥がれ落ち、薄汚れている。
片目が潰れているように見える。
翼もところどころが破れている。
しかし、荘厳な顔つきはそのままの。
あの時の銀色の竜が佇んでいるのを見つけることが出来た]
[隙が出来るのを相手は待っている。男と同じく近距離戦闘が得手なのか。
瓦礫の崩れる音が、耳に入った。]
唸るぜ、ロギぃ!!
[大盾の上辺を両手でつかむと、遠心力を味方につけてその場で己の身ごと回転する。
大盾で風をあおれば、熱風が男の周囲に生まれる。
その回転へ下手に刃を差し出せば、それは使い物にならなくなるだろうか]
― 現在・馬上で思う ―
[ある日、剣の師匠がリーマンに言った。お前には足りないものがある、と。
その師匠の言葉に反発し、色々なことに手を出し、手を染め、自分に足りないものなどないと、証明する日々。
だが何かをやればやっただけ、何かを突き付けられていく感覚にとらわれた。
いや、理解力の高いリーマンには本当は分かっていた。
理解力が高い故に自分はただ、出来ることが広いだけなのだ。
そして広いだけで深いことは何ひとつ出来ないのだ。
そして自分はだれでも出来ることを、ただこなすことが上手いだけなのだ。
昨日のサイフラとグレダの戦いで、リーマンが早々に勝負を諦めたその時、サイフラは魔力を失った刀を手に、あの絶対の不利を覆そうと諦めることなく戦っていた。
何が何でも自分の意思を貫く、と言うその想い。
理解力の高さゆえに『無理』『無駄』を簡単に断じて捨ててしまうリーマンには、その何かを覆す意思の力が圧倒的に不足していた]
[リーマンは考える。
別に出来ないことを出来ないと知ることが、悪いことだとは微塵も思わない。
事実、深いことが出来ない自分だが、その自分ほどにこの社会に貢献している者がどれほど居ようか?
雇用を増やし、治安を良くし、邪竜も祓っている。
効率的に可能性を取捨択一することによって、違った可能性を延ばすことは悪いことではない。
だけども自分が捨て続けた『無理』と『無駄』の中に、輝く何かがあったことは疑いようはなく。
それをどうにか取り戻そうと、あがき続けている。
ボロボロの孤児院の竜と契約したのも、本来は非効率的であり、無意味。
サイフラが倒した竜を、わざわざ延命させて復活させようとしているのも、無理であり、おそらくは無駄である。
そうすることで取り戻せるものではないし、取り戻したとて『そうなのか』と理解するに終わるだけなのだろうが]
ちっ・・・しくったっ!
[…足元に気を配っておくべきだった。
音を立てた瞬間後悔するも、伸ばした腕はもう戻せない。
無理に引いて腕を痛めるよりは、浅くても切り付けて退こうとし…
巻き込まれた刃が、折れた。
熱風を感じるより先に盾の回転に巻き込まれ、
薄いとはいえ脆くはないはずのククリナイフが簡単に圧し折られた。
咄嗟に手を離し、全力で下がったのは思考の結果では無く直感。
現に、回転から離れても巻き起こされた熱風が…]
…よりにもよって、火気込められた竜器かよ…
どんだけツキが無いんだ。この試合。
[…自身の竜器に宿るのは、川の竜が込めた水気のみ。
本来ならば水剋火が成り立ち多少なりとも楽にはなったはずだ。
だが、この試合場がそれを逆転させる。
火の気は試合場の土の気を高め、土の気は水の気を剋する。
間接的に火気に水気が剋されるという逆転が起きている。
最も、相手はおそらく意識してやってはいないのだろうけれど…]
とりあえず、あの回転止めないと手出しできんかっ!
[…八本用意した武器は二本が砕かれ、
竜器も環境によりだいぶ出力が削られている。
それでも少なくとも、あの回転を止める程度はできると残ったククリを握りしめる。
竜器一本のみを握りしめ、左手を当て地面へと向けて…]
…水よ、来いっ!!
[水を出すだけならば、対して魔力は消費しない。
相手の足元に向けて流す事も、竜器の向きを変えるだけで良い。
…本命は、これからだ。]
…水気、霜走りっ!
[出した水に竜器を当て、水気の性質である「寒」を呼ぶ。
相手の足元が凍って滑るか、熱気が水を蒸発させるか。
果たしてどちらが速いやら。]
― 西の村 ―
さて、着いたぞ。
[農作物が美味しく育ちそうな村だが、いかんせん田舎くさい。割かしシティボーイなリーマンとしては、都会の王都のほうが性に合っていそうだ]
食事を終えたら、すぐに準備に取り掛かるぞ。
[まだ昼を少し回ったくらいだ。討伐する時間は十分あるだろう]
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