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─ 馬車協会・応接室 ―
ありがとうございます。
これで資材の安全な運搬ルートを確保できます。
[リーマンは格式ばった動きで、向かいに座る初老の男に頭を下げた。
初老の男は「いや、なになに」と手を挙げてそれに応じる。
それからちょっとした世間話をした後、やがてリーマンは席を立った]
― 酒場 ―
ふう、やれやれだな。
[協会から幾らか離れた店に腰を下ろし、首元を緩める。
祭りの最中とは言え、こう言った根回しをしていかなければならない。
必要なことではあるが、面倒ではある]
― 酒場 ―
次はどこに行く予定だった?
[リーマンが相棒竜のミコに訊ねると、予定の書かれた紙を手渡してくる]
ふむ、あらかた回ったか。
一旦、ホテルへ行ったほうが良いかも知れんな。
おそらくサイフラもホテルに着いているだろう。
[サイフラにはホテルの名前と大体の場所、それから「ちなみに『ホテル』と言うのは旅人が宿泊するための施設だ」と伝えてはいる]
― 祭りの中・大通り ―
[大通りは相変わらず活気に満ち溢れている。
その中をリーマンは手に持った名簿を眺めながら、器用に人ごみを避けつつホテルへと歩いて行く]
どうしたものかな……。
[絶対に挨拶に回らなければならないところには、すでに回った。それから挨拶に行き易い場所も回った。
しかし残されたのは数軒がリーマンの頭を悩ませていた]
[行き難い場所の一つは、リーマンの剣の師匠の所だ。
。師に対しての反発を要因の一つとして、会社まで立ち上げてしまったリーマンだ。別に悪いことをしたつもりもないが、しかしリーマンとしてはやはり行き難い場所だ。
そしてもう一つは、とある宿屋だが]
「………」
[相棒竜のミコが不思議そうに、リーマンの表情を覗き込んでくる]
なんでもない。
[リーマンはミコにそう言ったが、しかしその表情は晴れなかった]
─ 『煙る水かき』亭 ─
[宿の主はまだ戻っていないみたい。
とりあえず、宿の入り口で二人分の名前を記帳する]
お部屋はどこを使うかとかは……、
お母さんでないと分からないよね?
[本当に、全然お客さんの気配がないようだ。
やっぱり何か出るんじゃないのかな……?]
あ、メリッサだめだよ、勝手に入ったら……。
[メリッサは疲れた、もう歩きたくないと言いながら、
勝手に一室に入ってしまう]
飲み物?
ちょ、ちょっと待ってね……。
カティちゃん、何かないかな……?
─ 鍛冶屋『ブルースチール』 ―
へー、刀ってそうやって作るのか。
あれ?刀じゃないの?鍛冶屋だよね、ここ。
[串焼きを手に棚に並べられた日常品を眺めながらソレックスへと声をかける]
ふーん、面白いね。剣でも刀でもないの竜器なのかこれ。
いや・・・あれ?違う?なんかちょっと違うな。
まあいいや、ここってリーマンの店であってる?
ちょっとアイツとはぐれちゃってさ。
[ …。
……。
………。
あ、うち今ちょっとフリーズしてた。
ウインク>>108でとりあえずは我に返りますがまた怒られそうです。
まだちょっと信じられないけれど本当に?と口に出すことだけはしない。 ]
そう言う事でしたらうちも是非、なんですが。
もし宜しければその刀子でお試しいただいてからでも、その方が確かでしょうし。
またお越し頂いたときに返して頂ければ結構ですし。
[ 大切な『お祭り』だ、それならば可能な限り納得していただきたく。 ]
あ、ハイ。
ソレックスです、ソレックス・セレスト。
それではまたのお越しを――。
[ かろりん、と扉をくぐるその手前、そう言えばまだ自分の名前を言ってなかった事を彼女に言われて思い出して、やっぱりまだヌケてるんだなうち。だと思うのでした。 ]
[ そして扉が完全に閉まれば、思わず口元が緩んでしまったのですが――。 ]
んふんふ。
んふふふふhべらっ!
[ 『浮かれてるんじゃねえ』とのお達しでした** ]
−Side・カティ−
『アルに、メルに、ミル。
おぼえた!』
[それぞれにアルゴル、メリッサ、ミルファークを指差し確認>>99。名前が長いと憶えにくいから勝手に短くしたけど、それが悪いことなんてちっとも思っていない、満面の笑みをにぱっと浮かべる]
『おにもつ。おもちする?』
[アルゴルを下ろしたミルファークは、ずいぶんと荷物が重たそう。
お客様の荷物は持ってあげたら喜ばれるって、常連のおっちゃんが言ってた。
かーちゃんは、うちではそんなサービスしてないって叱ってたけど。
喜ばれたほうが褒めてもらえていいのになー?って思ったから、手を差し出す]
『…いいの!?ありがとなミル!ミルいいやつ!いいやつな!』
[道中りんご飴を買ってくれるミルファークは、ほんとにいい人だと思った]
−→『煙る水かき』亭−
『ごとうちゃくあそばした!』
[連れてきた二人と一匹に告げる。
告げる間にも記帳を済ませ、メリッサのほうはすたすたと部屋へと引っ込んでいってしまう>>115]
『うん。かーちゃんでないとわかん…な…ああああ』
[部屋はかーちゃんでないと。言われてやっと、かーちゃんとはぐれていた事実に思い当たる]
『…のみもの!あるよ!そちゃですが!』
[かーちゃんに怒られるのはこわいから、現実逃避ができるならすぐに飛びついてしまうのだ。
あわあわと樽のように木を組み合わせたコップを引っ掴み、奥の厨房に飛び込む。
お風呂に常に新鮮な水が入れられるように、『水かき』亭には傍らの小川から水車で常に水が引き入れられている。 その綺麗な水を汲み上げて、簡素なお茶の用意を始めた]
−Side・おかん−
ああ、忘れてたんならよかったじゃないか、気がついて。
[鷹揚に応じながら。
ぱたり。耳を畳んで、轟音…もとい、咆哮に近い、男…『相棒』、あるいはサイラスと呼ばれていた男が呼んでいた名で言えば…ギャランの大声の音量を調節する>>104。
なんとなくではあるが、大声を発するタイミングが分かるようになって来た。
竜の吐き出すブレスと似たようなものだ。事前に息を吸い込んだら耳を畳む。昔取った杵柄が、よもやこんなところで役に立つとは]
腕慣らしに訓練施設を使うならあっち。
竜器の調節に鍛冶場使うならあっちだからね。
あんまり慌ててまたサイフ失くすんじゃないよ?
[ついでにと、御前試合の参加者御用達の設備を指さし示して言い添える]
それじゃあね。
開祖のお導きのあらんことを。
[一般人には余り聞き慣れないその定型句は、人種の中で始めて竜と契約を結んだことで伝説となった『始まりの鍛冶師にして始まりの戦士』の加護を祈るもので、昔気質の戦士の間で伝わる、武運を祈った旧い別れの言葉だ。
その言葉を、ひらりと振った片手と共に言い置いて、グレダはその場を立ち去った]
…おや、まぁ。なんだいお客さんかい?
驚かせちゃったならすまないね。
もうひとつおまけで謝らせてもらうと、今、ウチ、休業中なんだよ。
店の売りの風呂場が壊れちゃっててね。
大方ウチの娘に引っ張られてきてくれたんだと思うんだけど、今はお客とってないんだよ。
悪いけど、余所の宿屋を探して紹介するから…
[言いつつ思考を巡らせてみても、生憎と紹介できる宿はすぐには思いつけない。
さてどうしたものかと考えながら、思考と視線を巡らせた**]
大丈夫だよ、
荷物持ちは慣れてるから……。
[おちびちゃんの提案>>119は、笑って断る。
一応仕事道具でもあるから]
[りんご飴で喜んでくれて、ほっとした。
子供の笑顔っていうのはいいね。
メリッサはあまり好きじゃなかったみたいだけど]
お茶淹れてくれるの?
ありがとう、偉いね。
[お茶のめどがついて、ほっとしつつ、
わたしはメリッサが選んだ部屋に戻って、荷物を下ろす]
服着替える?
髪梳いてあげようか?
[まずはメリッサの荷物を……と思った所に、
入口の方からすごいどなり声>>122が聞こえて、
わたしは慌てて顔を出す]
『お風呂が出るっていうからここにしたのよ。
話が違うわ』
[休業中>>123だと聞いて、わたしは尻尾を垂らす。
メリッサも怒り出すし、どうしたらいいか分らずに、おろおろして]
『やれやれ。
女将さん、とりあえずその壊れた風呂というのを見せてくれないか?
ぼくを見てくれたら分かる通り、この子は鍛冶師さ。
何か力になれるかもしれないよ』
[こういう時に頼りになるのはアルゴルだ。
足元から首をあげてそんな風に提案しつつ、すんすんと匂いを嗅いで、
ちまい両手足で、勝手に歩きだす]
― 鍛冶屋『ブルースチール』 ―
[こちらの申し出に、少女>>117はしばしぽかんと固まっていた。
急に舞い込んだ仕事の話、無理もなかろうと微笑んで]
うむ、ではそうさせてもらおう。
受付が終わる前には戻って来るでな。
[少女の申し出に頷いて、刀子は一旦受け取ることにした。
そして彼女の名乗りを受ければ頷いて]
ソレックス殿か。覚えておこう。
では、また後ほど。
[と、手を振り店を後にした所で]
む? あれは先程の戦士……か?
[先程大男の前に立ち塞がっていた剣士の姿>>116を見掛けたのだった。
彼もパートナーがいないのだろうか、と首を傾げるも、こちらからは声は掛けず横を通り過ぎた**]
─ 『煙る水かき』亭・風呂場 ─
『うん、これはダメだな』
[アルゴルについてたどり着いたのは、立派な大浴場。
……に、ガツンと刻まれた大きなひび割れ>>18。
一体どうしたらこんな壊れ方するんだろう。誰か喧嘩でもしたのかな?]
[でも、お風呂が壊れた、ということから、配管が壊れた程度の事かと思ったら、
これは想像以上だった。
わたしは、金属以外の素材はお手上げなのだった]
野宿は嫌だよ……。
な、なんとかしてよ、温泉とお風呂なら似たようなものでしょ。
アルゴルぅ〜〜!
[わたしは思わずアルゴルを捕まえてガクガク揺さぶる]
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