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ー廊下ー
[クルークを見つける。髪を掻きあげ、横を見た…ような気がした。ツカツカ音を立て、クルークに近寄る。]
こんなところにいましたか。昨日の朝帰還しました。
[淡々と業務を果たすように話しかける。いつものような話し方など忘れてしまったかのように。]
…"無断で"外へ出たことについての謝罪と、"結果報告"に来ました…。
[あくまでも、無断でいったことになっている…はずだ。目を閉じ、息を整え、報告を始める。]
エリ……いえ、"裏切り者"の説得、奪還を目的にしていましたが…止むを得ず、殺害しました。
また、一緒にいたクロ…じゃない…連合軍の者1名の射殺。以上です。
…今から何かの任務ですか?
――ん、
[どれくらいの時間が経ったのだろうか。
そもそもここに、そんな概念があるのかは分からない。やがて目を覚まして起き上がれば、たくさんの花があって一瞬どきりとする。]
(え、あ……そっか。エリィが造ったのでしたね)
[疲れて記憶が飛び飛びだ。
まだクロロはいただろうか。自分の周囲に赤いチューリップがいっそう多く咲いていることに気付けば、そっと苦笑を浮かべる。]
[物音がして後ろを振り返ると、きょとんとするエリィの姿。花畑を眺めて状況を理解したのか、苦笑を浮かべるエリィに]
おはよう。エリィ。
[そっと、エリィの頭に載せたのは花で作った冠。
クロロはこういう作業は不得意だが、素敵な花畑を造ってくれたエリィにお礼がしたいと…エリィが寝ている内に試行錯誤をして、作ったもの。花畑の様々な種類の花を使った、不恰好だが、彼なりの想いを込めて作られた冠。
笑顔で冠をプレゼントしてくれたクロロをみて、エリィはどう思うだろうか。]
[人の声に>>32肩を揺らしそちらへと振り向けば、見慣れない軍服姿の千早が。
ご苦労さまです、と言いかけた所で口を閉じる。
外向きには彼女は無断で単独行動をした事になっていた。]
……もう少し遅ければ私が探しに行く所でした。
単独行動は問題ですが、裏切り者については、
…よくやりました。
参謀長には私から報告しておきましょう。部屋で休んでいるといい。
[やっぱりか、と諦めたような笑みを浮かべながら彼女へと指示を出す。
千早にも、彼女にも悪い事をした。そんな考えが浮かぶ前に無理やり沈め、小さく息をすい、はく。
少しだけ、息が苦しいのは気のせいだ。何時ものクルークの顔を張り付けて音を出す。]
えぇ。久々に前線での任務ですよ。
そういえば、アレクシス補佐官に会いませんでしたか?
[ちらり、と千早の瞳を見つめながら、事務的なトーンで問いかけた。]
え……クー、ちゃん…?
[おはようという声が聞こえて振り向けば、そこには確かに彼の姿>>+13。
大きく目を見開いて、思わず夢ではないかと疑った。
ぺちんと自分の頬を叩いてもやはり意識はそのままで、これが現実であることを知り。
――同時に、彼が死んでしまったことを察した]
………あの人に、ですか…?
[思い浮かべるのは千早の姿。ああ、また。
また、護ることが出来なかった。
少し顔を俯かせて問いかけると、頭に何かが乗せられたのを感じて思わず手でそれに触れる。]
―お花の、冠?
[作ってくれたのだろうか。自分の為に、これを。
そう考えると嬉しくて、微笑んで『ありがとうございます』とお礼を告げた]
……アレク!
[表へ出れば、最小限の荷物を抱えなぜか困った様子のアレクの元へ駆け寄っていった。
――身辺整理が済んだ、ということなのだろうか?]
−3d夜・自室−
[どういう説明がなされていたのやら、同僚達にやたらと心配され今日は仕事をしなくていいとまで言われてしまった。ソファに仰向けに寝転んで、考え事に耽る。
結局あれから自室に戻って様子を見ていたが、アレクは戻ってこないらしい。それどころか、彼が裏切ったのではという噂さえ流れ始めていた。滅私奉公ともいえる働きを見せていた彼が、そんな簡単に帝国に反旗を翻すとは思えないが、事実彼は単独で行動したまま行方知れず。現実的に考えれば、戦闘で負傷したか捕虜として捕えられたか。あとは裏切ったか。彼の実力を思えば前者は考えにくい。]
……礼を言いたいだけなのに、こんなに悩ませられるなんてな。
[いつまでも気になってしまうのは、自分が誰かに貸しを作ることが珍しいからだろうか。何だか誰かに弄ばれてる気分にさえなる。]
今度会ったら覚えておけよ。
[八つ当たりのように呟いて、天井に伸ばした手を握った。
翌朝早く、彼が人知れず戻ってくるとは予想だにしていなかった。]
−4d夜・自室−
[ここ二三日は同僚から始終病人扱いで、謹慎処分と変わらないような生活になってしまった。珍しく時間が有り余っていたので、室内に散乱した資料やメモの整理に精を出してしまう。
結果机に積まれたのは、表面的な仕事の裏で、少しずつ集めていた女神についての調査を記した手帳が山程。大抵は頭に刻み込むためか、その場で何らかの結論を見出すために筆記することが殆どなので、使い切ったものは雑に放っておいてしまう。気付いたら、こんな数になっていたのか。中身をざっと確認して、必要なさそうなものはその場で燃やした。残った数冊の表紙には、指先で女神の紋章を焼印して引き出しにしまう。本が隅に積まれているなど物の多いのは変わらなかったが幾らか片付いた部屋を眺めて、多少の満足感を得て就寝する。]
−朝・廊下−
[日付が変わっても、アレクシスの帰還の連絡はない。とりあえず、誰かに軍上層部が何を考えているのか聞いてみよう、と思い立って自室を出る。
廊下を歩いていれば、クルークを見つける。隣にいるのが千早だと知って、つい顔が引き攣るが、とにかく声を掛けてみようと口を開く。]
クルーク。ちょっと聞きたいことがあるんだけど……。
[上司に対する態度ではなかったが、彼は怒るだろうか。彼が問いかけに答えたなら、アレクシスについて尋ねただろう。用がないので、あえて千早には話しかけなかったが、反応があったなら応えるだろう。]
あぁ、シエラ。どうしました?
[丁度千早に頼みごとという名の任務を言い渡した所。
久々にシエラの姿を見た気がするが、この広い本部内で顔を合わせないなんて珍しい事でも無い。
ゆるりと首を傾げながら彼女の要件を聞こうとしたものの、時計が視界に入ると動きを止めた。]
…すいません、少し急いでいるので歩きながらでも良いですか?
心当たりが多すぎて、どの事を聞かれているかもわかりませんし。
[シエラからの許可が下りれば、足を動かしながら要件を聞いただろう。]
ー3d深夜ー
[たん、たん、と軽やかに太い枝を蹴り飛び移る。静かな夜に、遠い遠い何処かから誰かの戦う音が聞こえるのに気付き立ち止まった。
近い、と真っ暗な空を見上げる。風に運ばれる微かな硝煙の匂いに知らず瞳の色を濃くして、風上を探した。]
…あっち、かなぁ
[また他の木目掛けて跳び、時折肌を擦る小枝を鬱陶しそうに払いのけながら移動する。移る木が無くなれば、だんっ、と鈍い音を立てて飛び降りる。と、誰かから飛ばされた殺気に気づき。]
…っ!!
[勢いを殺しながら立ち止まり、携えていたロッドに手を添え辺りの様子を窺う。状況を把握しようと視線をあちこちに彷徨わせていると、姿を隠していたらしい誰かが暗闇から自分を呼んだ。
目を凝らして見れば、ここらに派遣されていた隊の部下で。思わず漏れた気の抜けた溜息は、交代で火の番をしていた兵の「ハタタガミ様も一緒に」という声に掻き消された。]
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はたたがみは霹靂神と書いてはたたく神のことであり、激しい雷という意味
名前どうするか悩んで、雷使いだからこれでいいやって漢字だけ変えました
暁寿とかなんかすごいめでたい名前でもいいかなって思ったけど、秦田上気に入ったのでこれで良かったなと思っている
遅いし皆知ってるしでマジどうでもいい情報
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