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[クロロは、エリィの屈託のない笑顔を見て、なんだかあたたかい気持ちになる。]
うん。僕は花が触れないから、エリィが綺麗な造花を作って僕にくれた時には、凄く嬉しかったんだ。
僕が触れても壊れることのない花、それを作れるエリィは本当にすごいと思うよ。
[この花はエリィに貰ってからずっと、肌身離さず持ち歩いている。何か辛いことがあったとき、これがあれば元気になれる気がするから]
[のんびりと孤児院の周りを洋菓子をパクつきながらうろつく。
風は凪ぎ、月明かりが煌々と夜を照らす。]
静かねぇ…
[けれど何か胸騒ぎがする。昼間読んだ悲劇があまりにも心に刺さったからかもしれない。
一抹の不安を覚えながら、アルフは残りの洋菓子を口に放り込んだ]
[>>236から連続して、一連の出来事を思い出す。子供部屋は複数人で一部屋だったから、迷い込んだグレンが鏡を手にしたのはそこまで不思議ではない。部屋から持ち出した、その手鏡そのままに彼が変身してしまった理由は、彼にしかわからないけれど。全くらしくない、水色の可愛い手鏡になったまま、随分と長いこと消息不明だった。その間自分の持ち物の方も見当たらなかった。気に入っていたつもりは毛頭なかったが、身近なものが一つ消えると不安になったりするらしい。しばらく魔法の制御が難しくなって部屋を燃やしかけるなど、自分にとっても苦い思い出である。ちなみに燃やしかけたのが正しくグレンと手鏡のあった部屋だったので、あわやの事態に自分が冷や汗を流した珍しい事例でもある。
彼が鏡の思念を覚えてたら……なんだか癪だなあ。自分の心を見られてたなんて。と考えてから、壁の女神像を見上げる。
僕は、女神さまだなんて信じないよ。自分しか信じない。"貴女"が僕を助けてくれたことなんて、なかっただろう?そっちが干渉してこないなら、こっちだって知ったことないさ、あんたのことなんて。
[独り言のように呟いて歩き出す。]
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