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[振り向いたポーラの呼び声に、ほうっと息を吐く。]
ポーラっ!
[駆け寄り、ぎゅっと抱きついた。]
ねえ、心配したよ。どうしたの。何があったの?
[儚い笑みを浮かべるその表情を、きゅっと眉を寄せ見上げる。]
―――娘と、妹は、狂気に満ちた出会い。
―――少女と、乙女は、夢想的な出会い。
どちらも行き着く先は同じ。
だが―――
楽園は此処にあるという妹。
楽園を求める乙女。
二人の行き着く先は違う場所。
可愛そうなお嬢さん。
本当に可愛そうなのは――― 一体誰のことか?
ふふっ…いやね、だから姉さんは死んでなんかないわ。
姉さんは私とこれからも此処で暮らすの。
此処で幸せになるって、いったでしょう?
…ノア?貴女がいったんじゃない。
楽園じゃなくても。此処でも幸せになれるって。
私、今とても幸せよ。
[夕日に照らされる娘の顔はとても穏やかに]
もう変なこと言わないで。邪魔しないで頂戴。
私たちの幸せに、他の人間なんかいらない。
[吐き捨てる]
触らない方がいいわ。
私は魔女らしいから。
[スッと一歩後へ下がる。
それ以上は下がる余地も無いが]
ふふ。私がソフィーとアンジェラの幸せを壊したのですって。
ソフィーだって私の幸せを壊した一人なのにね。
[冷たい狂気を孕んだ答え]
もう、いいの。
赦しを求めたって得られるわけが無い。
幸せを求めたって得られるわけが無い。
だって。この世は楽園ではないのだから。
[チクリと小さく胸が痛んだ]
『私は、貴方を赦します』
遠く遠くに聞こえる声。
『例え、何があろうとも』
それは小さくて小さくて。
笛の音に掻き消されてゆく。
[ざぁと、血の気が引いた。
確かにあの時、そう言った。楽園でなくても幸せになれると。
それは間違ってはいない。だけど。だけども。
ああ今彼女を狂わせてしまったのは、紛れも無く自分自身が招いた結果でもあるのかと。
ずきりと、頭が痛んだ。]
・・・だからジェラールを殺したのか?
そしてお前は血まみれになったソフィーと、二人で生きていくのか?
[ソフィーが死んだ事を認識していない、いやしようとしない。
穏やかで、間違った事を幸せそうに語る娘は。
悲しいほどに、壊れていて。
[声色はさらに低くなる。]
・・・幸せは、誰の犠牲の上にも成り立ってはならない。
アンジェラ、お前は間違ってる。
どうしてソフィーの幸せを、考えてやれなかった?
どうして、ソフィーの幸せを、自分のものとして見てやれなかった?
お前は!お前が一番ソフィーを愛していたはずなのに!
[こんなにも、狂おしく壊れてしまうほどに。]
どうして、ソフィーの幸せを、認めてやれなかったんだ…!
[愛しているなら、彼女ごと、彼女の周りごと。包んでやって欲しかったと。
肩に込めていた手は力なく緩む。
いっそ夢であって欲しいと、心の片隅で思いながら。]
[抱きしめたその体を離され、残るのは寂しさ。
あ、と小さく声が漏れた。]
魔女……村の人たちが、そんなこと言ってた。でも。
ポーラは悪くない。
[強くかぶりを振る。]
だって、幸せになりたいと願うのは当たり前のことなんでしょう?
だったら、ポーラは悪くないよ!
[幸せを壊した、という言葉を聞き、顔が強張る。]
けど、それじゃあ。やっぱり。
今のポーラは幸せじゃないんだね……。
[悲しそうに言う。]
みんな、幸せになれるはずなんだよ。
だから、もういいなんて、言わないで。諦めちゃ嫌だよ。
私、ポーラのこと好きだもん。
幸せになってほしい。
この世界は、確かに駄目だよ。
……楽園の代用品でしかないもの。こんなところ。
[その表情は一瞬翳ったか。
けれどすぐにそれを消し、真正面からポーラを見つめた。]
だけど、本当の楽園なら!
みんな、当たり前に幸せになれるはずだから!
[嘲笑。]
ねえノア、それで本当に幸せになれると思ってるの?
そんな戯言、本気で言ってるの?
[空いた手でポケットを探り。
取り出した銃の口を目前の人に向け、一つ、放つ。]
あんまり下らないこと言ってると、
愚かなジェラールみたいになるわよ?
[放たれた殺気は相手の肩を掠める]
それとも、死にたい?
これが最後よ。私たちの幸せを壊すつもりなら、容赦しない。
[かちり。銃口をノアの目前に。]
この穢れた身には当然の呼ばれ方なのに。
[一瞬走った自嘲の色は、すぐに驚きに掻き消された]
私が、好き?
こんな不幸を呼び込むような人間を?
…私の幸せも、望んでくれるの?
[少女の声が誰かの声と重なった。
過ぎりかけた面影を塗りつぶすように。
ゆっくりと。滲むように、侵すように沁み込んでゆく]
本当の楽園…
[そんなものがあるのだろうか]
みんな、当たり前に幸せになれる…
[もしそれが本当なのなら]
私も、そこでなら幸せになれる、の……?
――っ!!
[肩を掠めた銃弾と痛みに、思わず肩を掴んだ手は離れ、体が揺らぐ。
銃声に、遠く近く、村人の視線と気配が、こちらに近づいてくるのが分かる。
ああ、と。
がらがらと、何かが音を立てて崩れてゆく。
それは自分の中にあった、見守っていた幸せの一つだったろうか。
銃を持ち、壊れたまま自分だけの幸せを求め、それ以外を傷つけ続けるこの娘は。
アンジェラは。]
アンジェラ・・・
[壊れてしまった、今の彼女は幸せなんだろうけれど。
その幸せは、彼女以外の全てを犠牲にしかねない。
自分に銃口が向けられたように。
誰かの声が聞こえる。だけど目の前の彼女には届いていないようで。
銃口は向けられたまま。]
[こく、と力強く頷く。すべての疑問を肯定する。]
ポーラも、幸せになれるよ。絶対。
だから。
―― 一緒に、楽園にいこう。
[もう一度、その手を取る。そこにあるのはひたむきな眼差し。]
[小さく、微笑んだ。それはいつかレオナルドに見せた、アンジェラに見せた、他人に分かる、心からの微笑み。
だけどその顔は今にも泣きそうで。]
アンジェラ。
[低く、だけど優しく名前を呼んで。]
私は、お前の幸せを邪魔したりしない。
[銃口が向けられて。避ける事もせずに。
一歩、彼女に近づいて。
その背をそっと、抱きしめた。
彼女の姉のように。彼女の姉の代わりに。]
私は、わたしはお前たちの幸せをずっと、祈っているよ。
[それは心からの言葉。]
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