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[入口の傍で、使用人が何かを取り落とした。美しき淫魔、ザリチェに見惚れていた所為だった。ドーム天井の室内に金属音が大きく反響した。
クァルトゥスは、今まさに──淫魔の紅唇がウェスペルのくちびるを奪おうとしたその瞬間、振り返った。
傍らに在ると思ったウェスペルが遅れていると云う理由で。]
[どくり]
・・ウェス
[泉の水が、泥ごと貪欲な妖魔によって吸い込まれてしまう瞬間に似た音が響いた。]
[ごぽり]
[振り返ったクァルトゥスの貌には、爛々と光る紅玉(ルビー)の瞳が二つあった。]
――……!
[吐息もかかる間近、
身を退くが 伸ばされた手、絡め取られる。
宝石の様な唇が近づき。
顔を背けようとしたとき、
暗赤色が閃いた。]
[白い腕が撓り、黒衣の魔の細身の身体へと回される。
蜘蛛の糸、絡め取られた揚羽蝶。
紅玉の唇がまさに触れなんとした刹那、こちらに伸ばされた暗赤色の義手に。
淫魔はくるりと体勢を入れ替え、ウェスペル自身を盾にするようにその背後へと回った。]
[ククク、とさも可笑しそうに喉を鳴らす。]
何をお怒りか?
貴方にとってウェスペル殿はそれほど大事なものなのか。
[揶揄する嗤いを乗せて赤い戦魔に尋ねる。]
その間にも淫魔の手は休むことなく捕らえた魔の身体をまさぐる。
何を、きさま、戯言……ッ、ゃ
[堪えるようにきつく眼を瞑り、唇を噛んだ。
指は酷く繊細で残酷に、感覚を目覚めさせていくようだ。
魔力と引き換えに快楽を。
眇めた視界に入った、
炎のような瞳は緋色――双眸]
クァ、ル――…ッ
[義手はザリチェの腕からウェスペルを奪う様に抱き寄せた。]
・・・否。
[己の屋敷で「淫魔に近付くな」と云った言葉を指していた。
クァルトゥスは、抱き込んだウェスペルに噛み付く様にしてくちづけた。
強引に唇を割り、舌を吸う。
快楽によって魔力を奪われた事を咎める様に。
そして、空気を求めてくちびるをひらかざるを得ないウェスペルの喉奥に、何か──激しく脈打つあたたかい塊を流し込んだ。《それ》をのみ込むまで、重ねた唇を離さない。]
[己の名を呼ぼうとしていたウェスペルの声が途切れた。]
…敵巣で、“渇きの君”に力を奪われてどうする。
だから(気をつけろと)云ったろうに。
飲み込んだか。・・ウェス。
…それは、私の三つ目の心臓だ。
使え。
[唇を離したクァルトゥスは、
──吼える様に嗤い、ウェスペルを突き放した。]
な、……!?
[力の抜けた体は為すがままで、
息を吐くまもなく唇を奪われた。
クァルトゥスを掴んで自分を支えるようにしながら]
――ッ、ぅ、ん
[息が出来なくて思考に靄がかかる。
滲んだ涙、
こくり、と。
流し込まれるまま なにものかを 嚥下した。]
――ッ!?
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