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強大なる諸侯が「そうせよ」と仰る事を、私のごとき卑小な淫魔が断れましょうや?
[口調こそ丁寧だが、声音には皮肉がたっぷりと込められている。]
[ウェスペルとクァルトゥス、それぞれに相対する時の態度と口調が全然異なっているのがいっそ滑稽なほどだが、当の本人はそれでも混乱しないどころか、全然不自然さを感じておらぬらしい。
どちらが地なのか──それとも地などなく、相手により個性さえも変えてしまうのが、淫魔の本性なのか。]
[ジュアンは柩の中からムスメを抱き上げ、彼女の頬にそっと己の頬を当てた。仄かに、あたたかい。]
[確かに、ムスメは柩で『眠って居た』――…悪魔であるのなら、完全なる『消滅』をもってその命の終焉を向かえるはずである。つまりこのムスメは、『死んで居た』わけではなく、『眠って居た』のだ。]
[柩の中から満ち溢れる、ジュアンの『魔力』の跡。勿論、柩の中で眠るこのムスメにも――…]
――…とはいえ、もう僕の魔力は消えかかってますけどねぇ……
[ムスメにかかっているのは2つの術であり、いずれもジュアンの《琵琶の音》によるものである。
ひとつは『催眠』――…その名の通り、聴く者を眠らせたり、術者の意図する精神状態に墜とす業。
そして、もうひとつは『老化の遅延』――…聴いた者の体内時間の進行速度を任意に変える業。
ジュアンはムスメに、永遠の眠りと、老化の遅延の業を施したいたのだった。]
[ザリチェの色は《蒼》のままで有るのに、変幻する淫魔の口調、動作、表情から、その本質は掴み難く思われた。]
“渇きの君”は、こう云った時でも退屈なのかね?
これに乗って行けば貴方と否応無く闘わされるのだろう。
闘うのは面倒臭い。
かと言って、諸侯のお一方に逆らって、行くあてなどあろうか?
[もう一方も当てにはならぬ、否、うっかり保護を受け入れられたらそれはそれで──とそれは口に出さずに。]
[遠い昔、ムスメは叶わぬ恋をした。彼女の身分では手の届かぬほどの、貴い相手に。手が届かぬと分かっていてもなお。
始めは、眺めているだけで十分だった。しかし、いつしかムスメは彼を欲しくなった。彼に関わるものが欲しくなった。彼が触れたもの。彼の持ち物。彼の服。――そして、彼自身を。そして彼女は、彼女に纏わりつく下等な悪魔に命じたのだ。
『あの人のものを奪ってきて』――…と。]
──退屈?
[少し頭を傾け、暫しの間考えるような素振りをした後、]
そうだな、どうやら退屈はしていないようだ……
それどころか、どのようになっても己は結局愉しむだろうと、
そのように思えてきた。
[顔を上げて笑う様はいっそ晴れ晴れとしていた。]
髪を。
――…先に髪だけ、戴きます。
[ぷつり。銀色の髪をムスメから抜き、ジュアンは己の持つ琵琶の弦にそれをあてがった。
それは、かつての《契約》故のこと。
彼女の願いを聞き入れるかわりに、ジュアンは琵琶の弦を、彼女の髪にする――琵琶にムスメの魔力を与える――ことを約束させたのだった。]
[次にかれはムスメが抱く服を奪い取り、それを自らの身に纏わせた。ムスメが恋い焦がれた男の服――かつて下等な悪魔だった頃のジュアンが盗み出した服――を着込むと、ジュアンはひとつ微笑んだ。]
―――…どうでしょう。似合っていますか?
[ムスメの身体を抱き上げ、そっと*くちづけた*]
[たとえ対象が幼く見えようとも、悪魔たるものが手心など加えようはずも無い。華奢な身体が硝子細工の寄せ集めの如き地面に引き倒され、白い肌には赤き線が幾つも刻まれる]
(このまま、
消えるのかな――)
[眼の青は、虚ろのいろ。
水面は静寂を保っていた。揺らぐことすら忘れたかのように。
感覚も失ってしまったのか、痛みは遠かった。
解けていく、消えていく。
存在するのは、そんな錯覚]
[ヴァイイ伯の屋敷の門扉のまえに、彼等《候補者》の名が刻まれた石板が突き立てられていた。そこには《候補者》では無いと云うザリチェの名も刻まれていた。
すでに脱落した候補者の名はそれと分かる様に変化していたが、まだ残る三者の名の刻み込んだ、あの青白い稲妻のような光は、後継者争いへの参加が決定付けられた者に対する、何らかの拘束力をしめしているのかもしれなかった。
今、青の宮の上空に現れた得体の知れない馬車もまた同種の──。]
[薄闇の中の綺羅よりも美しく、ウェスペルの瞳が強い黄金色に輝くのが見えた。彼らしい言葉が零れたことに、小さく微笑を浮かべる。
クァルトゥスの紅玉の髪が、頭上からの風に燃える様にたなびいた。]
[青の移り変わりは
光の下で色を変える宝石のようだった。
腑に落ちないことも数多い。
晴れやかにさえ見える笑顔を見、瞬きを1つ。]
─…是非にお越しを?…─
[彼等の後継者選びの《候補者》であると云う《契約》に同意している為か、拘束する呪力の強さ故か。頭上の馬車から再び呼びかける“声”が響いた瞬間、クァルトゥスは、目に見えぬ無数の糸が四肢に絡み、躯を吊り上げられた様な感覚を覚えた。
階段を上がろうとする己の脚を止める為だけに、薄汗がにじむ。
それは戯曲通りに踊らされる役者(ドール)になったかの様な感覚だった。だが、何故かクァルトゥスは昂揚感をおぼえた。
そこには、ザリチェと“闘う”可能性が、ザリチェ自身によって示唆された事も関与しているのかもしれなかった。]
退屈でないのなら、それは私には僥倖。
・・ザリチェ。
貴方の別の貌も興味深く。
森で貴方の渇きを満たしたくなった、その気持ちは今も変わらない…。
[低く囁く様な声でそう告げた。]
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