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・・…──
[槍が、魔力を得て──内側からひかり輝いた。虚無の冷気が槍の周囲に蒼ざめた炎となって渦巻いている。
槍を支えるクァルトゥス義手も、それに呼応するようにどくりを脈打ち、暗赤色を生々しい赫──に変化させた。]
[墜ちる][墜ちる][落ちる]
[荒れ果てた地へ、墜ちる]
[奈落の底へと―――…墜ちる]
[胸に、瑠璃色の「姫」を抱いたまま――…]
[暫くその目で見ていなかった荒野へ――…墜ちる。]
[再び目を上げた時には、そこにあるのは濃艶な微笑。
青玉の煌く双眸はクァルトゥスを真っ直ぐに射抜いて毫も揺らぐことはない。]
……おめでとう、と言うべきか。
また貴方の野望に一歩近付いた訳だな。
貴方の封印が解ける日も近いだろう。
“堕ちたる魔槍”ではなく、真の名で呼んだ方が良いだろうか?
[少しく稚気のある、愉しげな色が声に加わる。]
[乾いた大地、乾いた風
――ジュアンの琵琶の音と同じ]
[ドロリ、ドロリ]
[瑠璃色の胴から《青》――これまでジュアンが略奪してきた数々の虹彩が、その形を維持できずに流れ落ちてゆく。
まるで、青いナメクジが這った後のように、幾つかの無惨な《青》の跡が、白い琵琶の胴にこびりついていた。]
[黒い炎に灼かれた肌からは、焦げるにおいと腐食の跡。それを瞬時に治す力も無いままに、ジュアンは小さく呻いている。]
[――声がする。
覚えている、
あれは湖の畔でわずかばかり顔を合わせた青色の淫魔の声だ。
気配を殺し、壁に身を隠したまま様子を窺う。]
[クァルトゥスから視線を外さぬまま、一瞬だけぴくりと眉を動かす。
しかし、それも一瞬のこと。
艶冶の微笑は変わらず、 ]
ところで。
話は続けても?
[ウェスペルが密かに来ている事には気配で気付いていた。
敢えてまだ声は掛けず──、またザリチェの「野望が近付いた」と云う言葉に答えることもなく、]
封印の効力はどうだろうな…。
ああ、私の名は、貴方が呼んでくださるのなら、ただ──クァルトゥスと。
それよりも、貴方の言葉を聞き逃してしまった非礼を詫びなくては。そして、・・もう一度は、あるのだろうか? とも。
[目を開く。――…微かに、ではあるが。]
[一面に広がる、乾いた大地。]
ああ………………
[唇が、動く]
―――――…久しぶりの、《故郷》ですねぇ。
[闇、荒れた大地。乾いた風。
己の琵琶の音と同じ「いろ」。]
―――…下等悪魔だった頃を、思い出しますねぇ。
[小さく、笑う。]
ではもう一度言うが。
まず。
私は《候補者》ではない。
二つめは。
私は貴方の館を襲ったのが誰であるか知っている。
──が、もう無意味な情報のようだな。
貴方は既にアーヴァインと邂逅し、倒しているようだ。
[どうせ見つかってはいるのだろう。
彼らは騎士――力持つもの。
クァルトゥスに至っては、また力を回復している様子で。
両目が揃っていたあのときの、
或いはそれ以上の力を感じさせる。
痛むか目を眇め、
左腕の傷を押さえたまま、
まだ動かない。]
[コロリ]
[目の前に転がる青玉――クァルトゥスが放った其れ――を拾ったジュアンは、困ったように笑った。]
これを―――…どうしろと。
[フッ……と笑うと、それにこびりついていた皮膚と毛髪を指で摘んで外してゆく。]
―――…瑠璃姫。
こんな《青》でよろしければ、捧げましょう。
[琵琶が光ることはなく、ただ無惨な姿を晒すのみ。それを特に不思議なものとせず、淡々とジュアンは青玉を清めている。]
[琵琶を横目でチラリと見る]
[―――魔力が無くなったのだと、悟った。]
そして、三つめ。
もう貴方も気付いているかも知れないが。
これは諸侯たちの罠だ。
[そこまでを一息に言い放ち、淫魔は笑みを収めて真摯な表情をクァルトゥスに向けた。]
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