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―崩壊した館にて―
[時折零れた“ころしてやる”、という声も
あまく掠れて殺意も何もあったものではなかった。
退廃の宴に飲まれるまま意識を手放して、
どれほどの時間が経過したのか。]
[―――目覚めて最初に見た、噛み締めていた指の傷跡に
宴がまざまざと蘇る。]
……っ
[額を手で覆って、俯き陥る自己嫌悪。
眉を寄せる。頬が熱いのは気のせいだと言い聞かせた。
立ち上がろうとして、
まだ上手く力が入らないことに愕然としたようだ。
これではかつての二の舞どころの話ではない。]
――おい―
[何か尋ねようとした声が掠れていて、
口を噤んでしまう。
ウェスペルは、それでもなんとか身を清めようと
*動こうとするだろう*]
[ジュアンを水音の響く水琴窟の深奥に迎え入れた時、ザリチェは深い歓喜の歌声を上げた。
奥処より生まれた振動は、脈動する共鳴胴で増大されて、掻き鳴らす奏者自身の《指》をも包み込んで甘美な旋律で満たした。
寄せては返す音の波は、クレッシェンドにクレッシェンドを重ね、際限なく高まりゆく。]
[淫魔は、奏者から引き出した快楽のなかに彼の求める《青》を見出した。
様々な異なる色合いの《青》の音色が幾重にも重なり合い、極光のようにザリチェの上に拡がる。
すべての青を内包してなお、純化された青が。
青が鳴り響く。
やがて。
音の築き上げた高塔が砕け散り、
わななきのうちに奏者がその手を止めた時、
残響のなかでザリチェはもっともうつくしい《青》を知った── ]
[──にわか雨の止んだ黒い森。
地に落としたローブを拾い、ザリチェは銀の樹の根元に居るジュアンの元に戻ってきた。
湿気を帯びたそれは淫魔の手に触れて、黒い霧に変わり一旦分解された後に、膚に吸い付くような身体の線も露なスーツとなって彼の身を装った。]
ジュアン。
[寄り添い、軽い口接けを唇に落とすと、その瞳を見つめながら囁く。]
やはり貴方はクァルトゥスと繋がっていたのだな。
影が見えた。
これからどうするのだ、貴方は。
[離れていた闇馬が、主の無言の求めに応じてか、諾足で近付いてきた。
鼻面をザリチェに摺り寄せ、短い鳴き声を洩らす。
淫魔はその顔を撫でてやりながら、青い瞳を逸らさずじっとジュアンの様子を*窺った。*]
[銀色の樹の根元。恍惚の淵から意識が徐々に戻り――…ジュアンの視界は、極上の《青》ただ一色の世界から、黒、白、青(と訳の分からない色の渦)の世界へと「突き落とされる」。
「目の前」に居るザリチェの目に視線を合わせて、ジュアンは緩やかに微笑んだ。]
[『今宵はいつもよりも多く魔力を喰われたかもしれない』――そんなことを思うジュアンの耳に、ザリチェの問いが投げ掛けられた。]
あははっ。どうしましょうかねぇ……とりあえず、服がぼろぼろに汚れましたし、屋敷にでも帰ろうかとは思ってますが。
[所々を「訳の分からない色」で汚した服の端をヒラヒラと振った。]
クァルトゥスさんについては……あははっ。どうなんでしょうねぇ。でもきっと、かれは僕の元に遊びに来てくれると思いますよ。きっと。
――…あの方はどうやら「僕で遊ぶ」のが気に入ったみたいですから。今までは「遊び」の「遊び」を、ただ気まぐれに繰り返していただけです。
でもこれからは――「本気」の「遊び」をしようかな、って。あははっ。楽しみですねぇ……
[目尻に笑い皺を寄せるジュアンの腕の中で、瑠璃姫はキロリキロリと*瞬いた*]
[ザリチェは偽りなく、ジュアンを好いていた。
ただいっとき渇きを癒すために喰らう多くのものと違い、簡単に喪いたくないと感じていた。
それは恋に近いほどであったが、と同時にクァルトゥスに、或いは心惹かれる他の魔に抱かれれば、同じようにその者のために快楽を与えるであろうこともまた事実だった。
そして、ジュアンがおのれに魔力を与えた所為で衰え消え失せてしまったとして、それを惜しみはしても、嘆き悔やむことはないということも。
何となれば、それが淫魔の性であり、決して満たされることのない渇きを持ったこの魔の有り様であったから。]
では、貴方に付いて行けばまたクァルトゥスに会えるだろうか。
あのひとに伝えたいことがあるのだ。
[淫魔は全く感情の窺えぬ面持ちでジュアンに告げた。]
[*……蒼い瞳が静かに瞬いた。*]
[妖花は男を受け入れてあでやかに花開き、白い首を仰け反らす度にたわわな魔果が揺れた。背後から突かれる毎漏れる吐息は、ときに風にそよぐ柳のように幽く、ときに激しく長い髪を靡かす。]
[逞しく、力を漲らせた男に突かれながら、快楽を与えられるばかりを好しとせず、昂りを捉えては花弁の奥を引き絞る。
甘く呪詛を吐き続ける男を犯しながら、飽き足らぬとばかりに自らの花芯へ指を伸ばし、更なる快楽に蜜を滴らせる。
何時の間に剥かれたものか、裸の果実に汗で髪を纏う。唯裸で居るよりも淫らな姿。三つ巴からまた位置を動き、クァルトゥスがウェスペルを犯すようになれば、ロネヴェは指で。ロネヴェがウェスペルを奪うとクァルトゥスはその口を犯す。
あらゆる行為の間、絶えず吐き出される蜜の如き呪詛が、ひとかけらでも自分へ向けられて居れば良いのにと、願うおもいは際限なく加虐心を煽った。]
[恍惚か、絶望か、憎悪か、たどり着いた先は知らねど、そういった境地の何れかの淵へウェスペルが意識を手放して後も、ロネヴェはクァルトゥスを求めた。太い首に腕をまわし、正面から抱き合うように体を合わせる。]
…………私は最後まで残る。
ねえ、私と手を組まない?
わたしもあなたのような男(ひと)は
けっして嫌いじゃないの、クァルトゥス。
[これ程の強きものならば、憎しと思うあの淫魔も、床の中で倒すことが出来るのでは無いだろうか。脳裏に張り付いた幻想に、嫣然と微笑んだ。]
[それから、ウェスペルが目を覚ますまでに然程時間は掛からなかった。
肌に纏った汗も未だ暖かいような艶姿で、ウェスペルの声に振り向く。
上気してか、羞恥によってか、赤く染まった頬を、舐めるように眺めて笑みを深めた。]
お目覚め?
ねえ、まえとどっちが好かったかしら……
[擦り寄るように、ウェスペルの手を取る。
毒と害意を持った口付けをその甲に落とそうと、
そっと*掲げた。*]
[どれ程の時間が経過したのか。
廃墟と化した客間の乱れたソファの足元、割れたボトルが散らばり、葡萄酒の濃紅色が絨毯を染めていた。
クァルトゥスは目を閉じたまま、ロネヴェの豊かな胸元に顔を埋め、彼女の膚の感触を味わっていた。ロネヴェの膚は湿り気を帯びて柔らかく、吸い付くというよりは、触れているだけで絡めとられる様な触感であった。
そこかしこに誰のものとも知れぬ体液の残滓がこびりついており、クァルトゥス自身も熱の残る躯の表面に薄い膜が張った様な感覚をおぼえていた。]
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