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それほど意外だろうか?
私が話をしたいと思うのは。
[くっと笑みを深くしながら、さほど疑問というふうでもなく……揶揄するようにクァルトゥスに尋ねた。]
[かつん]
[踵は床を打った。]
笑わせたいなら、
泣き叫びながら地を這いなさい?――――ッ!
[身を引こうとしたが――黒い爪――身じろぎした為に僅かに狙いを逸らし、心臓よりやや斜め上を貫かれた。
血が溢れ、爪を伝ってジュアンの指を濡らす。]
雨と爪……冗談のつもり?
[爪の上を炎が趨る。]
[その先には瀟洒な館。
だがしかし、其処からは黒い煙が上がり、
複数の殺気が感じられた。]
……黒い、炎……ロネヴェ?
[そのまま身を隠しながら、
気配を殺しながら館へと近づいていった。]
[細かな砂塵と共に宮殿の青の破片が、崩れた天井からクァルトゥスの頭上にも降り注いだ。
クァルトゥスの右目に映るロネヴェの放つ黒炎は、粘り気を帯びコールタールの様な奇妙な質感に見えた。女悪魔の膚を濡らす黒い血液もまた同じく。]
[ぴちゃり。]
[黒いロネヴェの血液が、クァルトゥスの口元に飛んだ。
クァルトゥスは何の躊躇いも無くそれを舌ですくい取る。
舌が痺れ──文字通り、灼けた。]
…無様では無いな。
嫉妬や憎しみに炎を燃やしてこそ、彼女は美しい。
貴方とは異なっているが。
[まばたき。
何が可笑しいのか、クァルトゥスは喉の奥で嗤った。]
話は聞くさ・・ザリチェ
…“渇きの君”
[クァルトゥスは大股でザリチェの傍へ歩いて行く。]
―――…くっ
[ジュアンの爪に黒い炎が点き、かれの身体を包んで燃える。貫いた感触があるせいか、ジュアンは爪を引き抜かず――…むしろより心臓に近い部分まで切り裂こうと、右手をぐいと動かしている。]
[眉根をきつくしかめながら、ジュアンはロネヴェに降った雨を待っていた。]
[――銀糸の雨が、ロネヴェの頭上に降り注ぐ――]
[爪から伝う血で、ジュアンの肌が灼ける。]
[――ジュワリ、グチュリ。]
[肌が、血に冒される――…その奇妙な痛みに、ジュアンは小さく声を上げた。]
……であれば、彼女(あれ)はもっと前に私を殺すべきだった。
けれど、あれのことはどうでもいい。
[燃え上がる黒炎を背景にザリチェは佇む。
崩壊しつつある屋敷の様子を気にも留めず。
大股で近付いてくるクァルトゥスを、警戒の素振りもなく。]
[左眼球、眼窩が疼くのか。]
──… ・・少し。待っていてくれ。
[至近距離で《蒼》を見詰め、ザリチェの首に一度手を掛けた。
わずかに力を込めた──その刹那、クァルトゥスはジュアンに向かって跳躍した。堅牢な筋肉が収縮しそして躍動する、その衝撃はザリチェにも伝わっただろう。]
すぐに燃やし尽くしは、しないわ……
―――肉を焼かれ、身を溶かしながら、己の愚かさを悔いなさい?
[更に深く、と力の篭もる爪を握り、押さえる。
雨音が如き音を立てて血が滴った。滴る端から床を灼く。
いまのジュアンに叶うことは、その程度の小さな抵抗と思い込み、微笑む―――慢心の頭上から、銀の雨。]
[散らばって居るのは青い破片。
あの館からだろうか、一欠けら拾い上げた。
青玉か、藍宝石か、天藍石か。]
……
[聴覚が、雨が降る鋭い音を捉える。
そして、爆ぜる黒い炎の気配も。
更に、進む。
青の欠片は更に増えて、地面を埋める。
砕かれた夜空のようだった。
その、只中に]
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