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……あはは。
[ぐいと両手を上げて背伸びをするジュアンの視界の端に、影が過ぎった。]
……ザリチェさん。
[美しい、青い目の持ち主。
──…褥を共にした者でもあるが。]
どうしたんですかー?お一人で、夜の散歩ですか?
[──…欲しい。その「青」が。欲しい…──
喉の乾きが痛みに変わる前に、ジュアンはごくりと唾を飲んだ。]
[馬上の人となったクァルトゥスの隻眼は紅く燃え、口元は歪んでいた。
彼が《候補者》で有ると云う情報が、魔界にすでに広まった後であるのか、馬影が見えれば、下級の魔物達のざわめきが森を駆け抜けた。
クァルトゥスの手元には、何時の間にかあの斧槍が握られていた。クァルトゥスの巨躯よりも長い槍を、握った義手の表面。血管の様に盛り上がっった暗赤色が蠢き、内側が軋む様な音を立てた。]
…雑魚が。
[呟いて、クァルトゥスが槍を振う。
その衝撃と共に、槍からは虚無色の凍てつく波動が放たれた。]
[森に──一瞬で凍死した下級の悪魔達の屍が舞った。]
[己が散らしたものではない、
血の臭いがした風のほうへ眼を向ける。]
……あちらか。
[地を蹴ると音もなく翼が羽ばたく。
硝子の従者も石の馬も、
館に帰っているだろう。
或いはあの館も誰かに襲われているやも知れなかったが]
──騒がずとも。
すべて 滅ぼしてやるさ。
ヴァイイ伯の後釜など、元へ戻るための足掛りに過ぎん。
[咆哮の如き、嗤い声。]
[急に記憶にある声が振って来て、反射的に馬を止めそちらに頭を向けた。
噂をすれば影、丁度思い出したところで当人に出くわすとは。
ジュアンの様子は穏やかだったが、何処となく不穏なものを感じ、ザリチェは目を細めた。]
[ジュアンは泡沫での会話を楽しんでいるのだろうか。楽の音が滑らかである様に、ジュアンは饒舌だと思った。]
・・ジュアン。
お前は存外面白い悪魔なのだな。
私も《密約》を公にするつもりは無い。
[ざわり][空気が揺れる]
[緊張したような気配が、そこには「在った」。]
やっぱりあなたも「候補者」だったんですね、ザリチェさん。
お会いできて嬉しいです。
まさかあなたが雑魚などにやられるとも思ってもいませんでしたが。
[目を細めて、ジュアンはにこりと笑う──]
どうしたんですか?随分お疲れの様子。
それとも、緊張?警戒?
やだなぁ。僕、いきなりザリチェさんに牙を立てたりしませんよ?
[──男の「視界」には、黒い霞──]
[広がる血は斑に華を咲かせている。
だが目的のものは其処には居ない。
――気配は空へ溶けてしまった。だが]
……あの方角は。
[館だ。
あの方角には、クァルトゥスの館がある。
ウェスペルは迷う事無く飛び立った。]
[クァルトゥスは僅かにうつむき、脇腹から背に掛けて肝臓を抉った傷に片手を這わせた。
傷の内側がドクドクと疼き、熱を帯びる。
ザリチェに魔力を奪われた事も関与しているのか。
何度か槍を振るい、森へ冷気をもたらしながら、妖馬は駆けて行く。
クァルトゥス自身の館には戻るつもりは無かった。何故なら過ぎた事を哀惜する趣味はクァルトゥスには無く、また、侵入者はクァルトゥス自身の姿が無ければ去った可能性が高かったからだった。]
別に疲れては居ない。
それよりジュアン、お楽しみだったようだな?
すっかり血生臭くなっている。
[きゅっと唇を吊り上げた微笑。細められた瞳には蠱惑を湛えてじっと見詰める。]
……そーですか?
僕はきわめて、普通ですよ?
面白いものは面白くて、美しいものは美しい。
それを愛でるのが好きなだけです。
……躯の奥を突かれて昂揚できるのなら、なおのこと。
[見えぬ視線を何処かに送り、にこりと笑った。]
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