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[辺りには静寂を乱すものも無かったから、ロネヴェはただ茫と川の流れを見つめていた。
川面を渡る風を酷く冷たいと感じた。
跳ね上げられた飛沫が髪から滴っていた筈だが、それも既に乾いて居る。]
[鬱蒼と茂れる黒い森に分け入りながら、ザリチェはクァルトゥスに去り際に掛けられた声を思い返していた。
……確か「瑠璃音ノ五シキのジュアン」と言っていなかったか。
ふとそれは、幾度か褥を共にしたあの男だと思い至った。
瑠璃色の琵琶を携えた、飄々とした── ]
ン――
[耳が、否、意識がせせらぐ音を捉えた。
小さく鼻をひくつかせるも、捉えたのは通常に感じられる「匂い」とは異なる。
緩く瞬き、眼の水面を揺らがせた]
染まっている、ねえ。
[水は、血に。
幼き魔と同じように]
──森・少し離れた場所──
[襤褸襤褸の錆びた様な皮膚か特徴的な、4つ目の妖馬の背に縋る、クァルトゥスの女従者は、クァルトゥスがザリチェに告げた様に、すでに虫の息だった。華奢な腕はだらりと垂れ下がり、かろうじて繋がっている両の脚は動かぬらしかった。
クァルトゥスは眉を顰めたまま、従者の顎を掴んだ。]
──瞬きだけで答えればいい。
大方、他の《候補者》に屋敷が襲われたのだろう。
お前の兄も、誰も、残っていないのだな。
[従者は、大粒の涙を浮かべながら、クァルトゥスの言葉一つ一つに瞬きをした。
クァルトゥスは暫し沈黙した後に、やさしい声で「よく知らせた。」とだけ云った。従者はその言葉を聞くと同時に目蓋を閉じ、馬の背から滑り落ちて絶えた。]
[徐々に意識が目前の物事へと焦点を合わせ始める。
祭典のただ中、何時までもこうして居る訳にはいかない。
緩やかに覚醒する意識の中、近く遠く、動く魔の気配を捉え、流れの上流へ目を向けた。]
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