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[前方にはまだ何者も見えない──常人の目には。]
ああ…旧知の騎士よ。
私を探していたのだろう?
お前も銅鑼の後、すぐに森へ墜ちた物音を聞いたか。
…気が合うな。
[唇を歪めながら、如何にもお互いが親密であるかの様に、クァルトゥスは嘯(うそぶ)いた。]
[鋭く尖った針のような森の上、
ぽっかりと開いた孔がある。
滑り落ちたのは折れた白い翼だ。
刺し貫くのは、銀の針。]
よい旅を。
[辺土への転落を旅と評したのは黒い外套の魔であった。
高い高い細い枝の上、真っ直ぐ立っている。
それが慇懃に礼をするのと、孔が消えるのは同時。
吹く風には血肉のにおいが混ざる。]
[深い森の中に、白はあった。
銀の枝に腰掛け、投げ出した細い脚を揺らす。
はら、はらり。
木の葉が数枚、黒と藍の狭間を漂いながら、舞い落ちる。
髪に一枚纏わりついたそれを二本の指で挟み、よく似た色の眼で見た。拭いもせずにいた、掌の赤が付着する]
[血の匂いがした。まだ、新しい。
自らのものに香りは無いゆえに、他のものだ。
高きから地を見下ろせど、主は窺えない]
ううん。
愉しそう。
[ふうと息を吹きかけ、風に葉を乗せた。
*虚の空へと飛んでいく*]
[亡き伯の屋敷より響いた銅鑼の音は、
魔界全土に異様な興奮と緊張感を敷いた。
候補者たちは魔界を舞台に互いを賭けて舞う。
あるものは取り入って上手い汁を吸おうとするだろう。
あるものはそれを賭けの対象としたやもしれない。
興味本位でちょっかいをかけては堕ちる者も居る。
祭礼はより派手に、うつくしく。]
……ふん。
[漆黒の外套を風に靡かせて
空を飛ぶように、ウェスペルは往く。
木の幹の、枝の、葉の上に色が映えるそれは果実ではなく
候補者であったものの成れの果てであろう。
金の瞳を細めて、それを見遣る。]
[逃げる悪魔を追い、ロネヴェは駆ける。
追われる悪魔は、既に身体の其此処へ焼け爛れたような傷を負っていた。
森へ逃げ込もうとしたその者の足下に黒い光の筋が趨り、筋は炎の壁となる。更に追って、火球。]
……アレの背は、案外柔らかくって、
気に入っていたのよ?
[立て続けに幾つもの火球が、四肢を打ち、焼く中にロネヴェの声。]
騎乗ひとつといえ。
この私のモノを奪った罪は重いわ。
[炎は音を立てて一層高く燃え上がる。]
脱落など、させてやると思っているの?
[腕をねじ切る、脚を炙る。もいだ腕を火にくべる。
置き去りにしていた騎乗用の魔物を、
戯れか、挑発か。惨殺した者をロネヴェはいたぶる。
彼女の怒りに呼応するように、また、悲鳴を喜ぶように、黒い炎は膨れあがった。
顎を掴み、口の中へ指を二本差し込む。
口から炎が溢れた。腹を食い破って炎が噴き出した。
やがて、燃え滓だけが地に落ち、風に浚われる。]
[ロネヴェの腕にも、長い、刃で引かれた傷があった。
追われる者とて、無抵抗に逃げ回っていた訳では無い。
憎々しげに、傷をなぞる。
やたらに黒い血が滴る。]
―黒い森―
[黒手袋の端をきゅっと引っ張り、
具合を確かめるように手を緩く握っては開く。
先程の「踊り」で、裂けてしまった手袋の再生である。
もう一方の手袋は口にくわえているため、
滅多に見えぬ白い手があらわになっていた。
そこにちらとのぞく傷痕に視線を落とし、
ウェスペルは忌ま忌ましげに眉を寄せた。]
―――何処にいる……。
[低い呟きが漏れた]
[夜色の魔獣が口中の飛魔の残骸を噛み砕き、血と肉片を振り撒いた。
飛魔の薄いひれと棘の付いた尾が比較的原形を保ったまま、足下に広がる大森林に落下していく。
ザリチェはおぼろに薄い笑いを口の端に留め、喰らった肉を満足げに咀嚼する獣の肌を撫でて降下を命じた。]
[槍を構えるクァルトゥスの馬の前方に、突如、騎馬が現れた。
全身を純白の甲冑に包み、クァルトゥスと同じく身の丈よりも長い槍を構える。外見は20代半ばの青年と云った所か、長い髪も膚も甲冑と同様に抜ける様に白かった。引き攣れた様な傷が両目を覆い、美貌を損ねているのが特徴的だった。目蓋が閉じられてる所為で、その表情は伺い知れなかった。]
[態と親しげな口を利く事で相手が怒りに燃える事を、クァルトゥスは知っていた。
クッと喉奥で嗤う。]
──今日は両目を抉るかわりに、
お前を貫き殺してやる。…私の為に散れ。
[純白の騎士は答えず、おのが馬に鞭をくれ速度を上げる。
それに答える様に4つの目を持つクァルトゥスの愛馬も嘶いた。
互いが武器を構える金属音と騎馬が駆ける音だけが響き──。
結着は一瞬だった。
純白の騎士の槍が回転しながら宙を舞い、森へと墜ちた。主を失った馬だけが前方へ駆けて行き、深紅に甲冑ごと深々と貫かれた騎士だけが、クァルトゥスの元に残った。]
[魔法陣が虚空に浮かび、その中心から太い腕が伸びる。その手が持つ青い臓物――クァルトゥスの肝臓に手を伸ばす。]
きれいな色ですねぇ……ありがとうございます。いっそこのまま、永遠の宝物にしたいくらいだけれど、それは無理ですかねぇ。
[目を細めて笑うジュアンの右手には、自ら抉った右の眼球。血のたぎるような太い腕にそれを預け、再び青い肝臓を見つめた。]
[――森の中に響く、衣擦れの音。]
ふ………っ。あ………あ
[銀色の弦で己の股の間を切り裂き、その奥に血肉に塗れた孔を開けた。痛みと苦痛、額には玉の汗――…そして、口許に笑み。
ドクドクと血が流れるその場所に、ジュアンは指を差し入れてぐいぐいと押し広げると、クァルトゥスの肝臓をその中に押し込んだ――…]
クァルトゥスさん……肝臓は僕の「躯の奥」に隠しましたから。肝臓に逢いたくなったら、いつでもどうぞ。なるべくならば褥の中が良いですけどね。
[一糸纏わぬ脚の付け値からは、ドクドクと血が流れ――あたかもその場所の門番にでもなったかのように、硬直した肉の塊が、大きく嘶き暴れ回っている。]
[ロネヴェの指がなぞった後、傷口は口を閉じた。
だがそれは、依然黒い筋として目を引く。
傷は大きいが深くはない。しかしロネヴェにとって問題なのは、負傷の程度よりもその外見。彼女は、そのような姿を見られる事を嫌う。
ロネヴェは森へ。
木々の作る影の中へ。]
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