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お前に似た酒を私は知らない。
・・・渇きの君 ザリチェ
──貴方を遠慮なく味わわせていただく。
[態とザリチェに重みを掛けながら、耳元へ寄せた唇は低く囁いた。]
[衣の内側に滑り込む掌は、直接的に性感帯と思われる場所を濃密に愛撫しはじめる。
性器を避けると云うわざとらしい手管は使わず、また、クァルトゥス自身がザリチェより快楽をもたらされる事によって、多少の魔力が*奪われる事も厭わない*。]
[「迷子にはならないでくださいね」
気の抜けたようなジュアンの言葉は、彼の本意はさて置き世辞でも冗談でも無く森のある側面を表している。
黒く、闇深き森。
魔界のこの森には、魔をも惑わすものが棲んでいる。
あるものは明かりを灯し、またあるものはあらぬ所へ沼地を作り、樹に擬態し、空間を歪ませ、ときに森の奥や遙か辺土へと、不用意な者を誘い込む。]
[さりとて、道なき途を違えることは無かった。
森の一角。
川を辿り往くと、やがて木々が開ける。
道々、血の匂いが漂い、戦闘や虐殺のあった事を示していたが、既に辺土へと送られたのだろう。亡骸は一つも無かった。]
興を削がれることばかりだったのだもの。
それに。
より愉しいものに惹かれるのは当然だし、
幾らでも居てもウェスペルはひとりだよ。
[銀の針は、違わず黒に突き刺さる。
振り下ろされかけた爪は、水面を揺らす事は無かった。
咆哮。
上体を逸らして背後を見る]
うるさいなあ。
[噴き出した血を掴むように手を伸ばす。
指先が触れた途端、液体は刃となる。
逆流する赤が傷口を深く抉り]
静かにして。
[貫いた]
[交わされた炎の視線が開戦の合図となった。
ザリチェは戦の魔に組み敷かれるまま、草の褥に横たわった。
力強さを感じさせる武骨な手が絹の手触り持つ膚の上を這う。
圧し掛かる男の身体の下で、淫魔の膚はオパールの如き輝き宿してうねった。]
……ほう。
[飛び散る緋色と、遡る翼ある魔の体液にを眺め
小さく声を漏らす。]
それが、お前の力か。
面白い、いっそ服も緋色に染めてみてはどうだ。
[こちらは血飛沫を殆ど浴びていない。
頬に少しだけ掛かった赤を、鬱陶しげに手で拭った。]
……ひとり か。
[ニクスの言葉を繰り返し]
此方の感想を述べるならば、
お前の方こそ、随分と変わっているぞ。
[森のはずれにかけて川幅は広くなる。
辺りに樹が無くなると、岩場を挟んで海へ注ぐ。
空に月の無い所為か、夜が明ける事の無い所為か、海面は黒い。
ただひたすらに、黒い水面は、それでも波立つ度に割れた黒曜石のような、硬質な光を放つ。翼のあるものの影が空を舞い、時折啼いた。]
[海の傍、川の水に潮の混じるより僅かに上流。辺りの開けた場所。
ストールを離した。薄布は肩から背、脚を撫でて足下へ滑り落ちる。ドレスもその場へ脱ぎ落とし、装飾品だけを身に付けた姿で爪先から川へ入った。]
[追った傷は、表面的には癒えて居た。
血の跡を洗い流す。何時だったか飛散した、誰かの緑色の血液も川の流れで溶かした。]
白から赤に染まるのが好いんだよ。
遊ぶうちに染まるのが好きなんだ。
[ゆるりとかぶりを振り、赤の飛沫を散らす。
金目の魔へと眼差しを戻して、青の眼を瞬かせた]
“ありがとう”?
[不意に、礼の言葉を紡いだ]
[予測の範疇を遥かに飛び越えた。
そんな言葉がよく似合う。
意味を理解するのに、少し時間が掛かった。
ニクスにはきょとんとしたウェスペルの表情がよく見えただろう。]
―――…………何故礼を謂う。
[やはり変わっている、へんな魔だと
内心繰り返した。]
放って置けば候補者が減っただろうに、
というのと、
変わっているのは唯一ということだからかな?
[口許に立てた指を添え、小首を傾げる。
幼い動作と、緋色に濡れた姿は不釣合いだった]
[川面に、影が浮かんだ。
水の流れに従い、身を退く。]
[襲撃者は、水を高く跳ね上げて降り立った。
開けた場所で、身を隠しながら襲い掛かる事が出来なかったからだろう、上空から訪れた”候補者”は、飛沫の向こうで両手に番えた刃を掲げる。]
[ゆっくりと、敵を振り返った。]
[水しぶきの向こうの目が、己の身体に引き付けられる様子を見てロネヴェは満足げに笑い]
[炎を放った。]
……。
[難しい表情を浮かべる。]
あのままなら――……次の標的は私になったろう。
だから殺した。それだけだ。
[血腥い中に幼い魔、不釣合いでありながら
とても自然な姿のようにも思えた。]
“ただひとつであること”に拘るのだな。
[男は正しく灼き尽くす劫火であり、貫く槍であった。
ザリチェは自らその劫掠を受け入れ、自身もまた炎と化して燃え上がった。
引き裂かれた大地となり、赫灼たる溶岩流をその裂け目から溢れさせた。
鉄床となり、熱せられた刃の下で打ち据えられた。]
アハ。
[無邪気に咲う]
ひとつには成れないから、
ひとつで在りたいと思うのさ。
[振り返り、物言わぬ躯となった魔を見下ろす。
ああ、あの鳥の主だろうかと、そんな思考が過ぎった。
音も無く現れる虚無の孔。
横に跳び、逃れた。
ウェスペルとの距離が開く]
[攻撃を防ごうと交差させられた腕を、烈しくうねる魔の炎が砕く。名も知らぬ魔を襲う、殴り付けるような、強い衝撃。
ひときわ強い一撃は、ロネヴェの心中で燃える嫉妬の為せる業だった。
特別な執着がある訳では無い。
唯、己の美しさを信じて疑わぬ心。
己以外のものへ目を向ける事を許さぬ傲慢。
その衝撃でもって魔を打ち倒した。追って、川面に腕を突き入れる。相手の手にしていた刃を奪い取り、水中で首を撥ねた。
水面に血が溢れ、二刀の使い手は二度と浮かび上がることは無かった。]
[ロネヴェの手にあった刃も消え失せた。
持ち主が彼方へと落とされたからなのだろう。
力と共に感情を放出し、一時の高揚に頬を染め、しかし茫洋とした貌で水面の血が流れ去ってゆくのをただ眺める。]
[彼はまた、そそり立つ塔であり、侵略者の破城槌を幾度と無く受けて開く城門でもあった。
杯であり、飲み干す唇でもあった。
やがて、昇りつめた灼熱の槍が幾千幾万の火花を散らして落下するのを、炎の海となったザリチェは感じ、自らも己が海の中に熔けていった。]
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