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[爪弾くは、平時はあまり好まぬ、キィンと張った高音。
爪の先に軽く弦を掬い上げ、カラカラカラリと華やかな音色を鳴らしはじめた。]
[琵琶の頭部に頬を寄せ、旋律に合わせて、まるで歌うように唇を動かす。]
[空気が、揺れる。ざわめく声が波紋となって広がり、幾つもの鼓動が耳に響く――もしかしたらそれは、この場に居る魔達の高ぶりやもしれぬ――]
[うっすらと開いたジュアンの目は、どこか遠くを見つめていた。]
ごぉん、ごぉん、ごぉん、ごぉん、ごぉん……
銅鑼は誰も打ち鳴らすもののおらぬのに、きっかりと5度打ち鳴らされた。
金属質の低い音は、広間のみならず城のすみずみまで轟き渡る。
そして、その残響の消えぬ間にはや、殺気と邪気が広間に集(つど)った魔の間に高まり……
轟く合図の音は、魔界のあらゆる場所に散らばった「候補者」の悪魔達──と言っても多くは伯の居城とその近辺に居たのだが──の耳にも届いた。
それは、候補に選ばれた悪魔だけに聞こえる音であった。
彼らは時が満ちたことを知り、そして……
[黒影が霧に煙る翡翠色の草地を滑る。
水を含んでしっとりと美しい豊潤な土地に不似合いな─鉄錆色のザラリとした質感の皮が骨に張り付いた襤褸の様な巨大な妖馬が、堅牢な肉体を誇る紅髪の悪魔を乗せて飛んでいた。]
…候補者の中には、知った名もあったな。
麗しからぬ噂だけを聞き及んでいる魔の名も…──
[愛馬の浮いた背骨に指を這わせながら、クァルトゥスは「面白そうだ」と呟いた。
クァルトゥスが戒めに自らを槍で貫く為に潜っていた、あの大地の裂け目は既に遠かった。]
[音は流れる。
高音から低音、そして再び高音へ。]
[目を細めたまま、首を静かに左右に振り、再び琵琶の音色を低い音程(場所)へと導いて――…]
[喉の奥から絞り出すような、細く低い音が響いた刹那――銅鑼の音が五つ。]
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