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うーん、残ってる人もみんな忙しいかなあ。
おったら物音しそうなもんやけど、静かや。ここがこんな静かなんて。
[耳を澄ませても、あまり音がする様子もなく。
防音性の低さからか、いつも生活音が聞こえていたものだけれど。]
なんでもえーよ。でも、僕は料理でけへん。
好き嫌いはあらへんよ。あとコンビニ商品はめっちゃくわしい。
[威張ることでもなかったが、胸を張ってそう言った。]
[――ああ、やはり南荘に住んでいたのならば、考える事は一緒だったらしい。
"俺も先日、見に行きました。"
"もうすぐ無くなってしまうと思うと、寂しいですね。"
ぽち。送信ボタンを押して。
大丈夫。今度はちゃんと、送れているだろうから。]
−夜・舞の部屋−
[一人でラジオから流れるジャズを何と無しに聞いていた。今日はワルツ特集なのだそうだ。時にはジャズのワルツのナンバーを、また時にはクラシックのワルツ曲をジャズ風にアレンジした曲が流れている。
トイレに行くために立ち上がり、洗面台の鏡を除くと、泣きはらしてみっともない顔になっている自分の姿があった]
!!
なに!この顔!!こんな顔は真子に見せられない!
[一旦自室に戻って、冷水で顔を洗い。洗いたてのタオルで水を拭う。自室の鏡の中の自分と目を合わせながら、誓うのであった]
よし。真子の前では決して泣かない!
[ルカは舞の部屋に戻って、真子を待つことにした。が、ルカの目は隠しきれず、真っ赤に腫れあがっている...]
−夜:舞の部屋−
[今日も夜勤から帰ると布団に飛び込んだ。
目が覚めると既に日は落ちていて、届いていたメールに気づく。]
またお邪魔するのも悪いよねー。
[なんて漏らすがもちろん行く気満々で楽しみにして舞の部屋へと向かった。]
舞ー。
いるー?
夕飯いただきまーす。
[そう言いながらドアノブを回し、部屋に入るとすぐにその雰囲気の異様さに気づいた。]
…ルカ、どうしたの?
[心配そうに声を掛けるが、すぐに置いてある手紙に気づいて目を通す。]
舞も水臭いねー。
[ポケットの中の携帯が震える。啓からすぐに返信が返ってきたようだ。
さすが若者、即レスだな〜と思ったが、自分も十分若い方な事を思い出した。
新着メールを開いてみるとそこには意外な文章が。
どうやら彼も南荘を見に行ったらしい>>+7。]
(考える事は一緒なんですね、わざわざ見に来たのは僕だけかと思いました。)
[思った事をそのまま携帯に打ち込む。
『もうすぐ無くなってしまうと思うと、寂しいですね』の一文には
『本当にそうですね。
うう、あの頃の南荘に帰りたいです〜〜〜〜』
と切実な思いを綴ってみた。
そして、送信ボタンをタッチする。画面には送信完了、の4文字が出てきた。]
いつも聞こえるはずの音が聞こえないって、さみしいものですよね……
[生活音のしない空間で2人、話をしていた。
淋しさが募るが、それを振り払うように消して。
話を聞けば、蓮人がコンビニの商品に詳しい、と言ったのでそれならば、と思い]
じゃあ、コンビニでも行きましょうか。
[何かオススメの商品でもあれば教えてもらおう、と思いコンビニへの道を歩こうとした]
賑やかなん、当たり前やったもんなあ。
どこおっても、聞こえるし。冬は寒かったわあ。
[なくなんねんなあ、と小さく呟いて、コンビニへ行こうと言われれば、ゆっくりと足を一歩前へ。]
あー、僕、おでん買おかなおでん。
なんか、こないだも食べたのにすぐ食べたなるわあ。
[へらりと笑って、ゆっくりと歩く。]
最近のコンビニはすごいからなあ。ちゃんとおいしそうな匂いすんねんもん。
−夜・舞の部屋−
あ。真子。
舞も、ひどいよね。最後三人でパーティーできると思って喜んでたのにさ、「上げて落とす」ってやつじゃん。
どうする?食べる?
[ルカは精一杯、平静を装って語りかけた]
[もう、大分日が落ちてきている。暗くなるのも早くなったなあと考えながら、適当に話を振った。]
昌義くん、もうどうするか決めてんの?次、行くとこ。
もう、ほんますぐやんなあ。
[ああ、どないしよ、と苦笑しながら、道を行く。]
いつも楽しそうな声が聞こえて、その声を聞くだけでも自然と笑顔になれましたよね。
[ふふ、と笑いながら以前の事を思い出す。
ゆっくりとコンビニに向かう道を歩きながら]
おでんですか……いいですね。
僕も何か美味しそうな具があれば買おうかな…
あはは、寒いときっておでんとか食べたくなりますよね。
分かります。
[おでんは大根と厚揚げが美味しいよな、とぼんやり考えていた]
−真子が現れる前・舞の部屋−
一人で座っていてもなあ。
居ない相手を思って飲むなんて、なんだかお葬式みたいで嫌だけど、ま、舞との思い出に浸りながら、今日は飲もうかな…。
[カキョ。缶ビールを開けて一人でヤり始めた...]
寒い日はいいよなあ、おでん。
こないだな、範男さんとしょーたさんと食べてん。
[つい先日のことなのだけれど。そういえば、範男さんも見ていない。送ってもいない。]
回ってんねや、えらいなあ。
実家には帰らんの?
[大分年下の彼なら、そういう選択肢もありそうなものだけれど。
彼がどうして今一人暮らしをしているかもよく知らないが、当たり前のように思ったことを、そのまま口に出す。]
僕は未定。どっか遠いとこ行こかな思ってんけど、そしたらこっち出てきた意味なくなるし。
バイト探すんに書ける住所さえあったら、暫く野宿も面白いかな思うんやけど。
[そう訪ね返されると、無計画性を惜しみなく披露する他なかった。]
−真子が現れる前・舞の部屋−
ぐぅぅ。
[ビールが染みると、空腹であったことを胃は急に思い出したようである]
きんぴらごぼう。塩鮭。肉じゃが。ほうれん草のおひたし。豆腐とねぎの味噌汁。ご飯。
[舞の作るものはどれも大好物である。その中でも特にお気に入りの味噌汁。味噌汁を温め始めた]
へぇ、範男さんと翔太さんとですか。
いいですね。
[3人が楽しそうにおでんを食べる姿を頭に浮かべ、くすりと笑みを零す。そう言えば翔太の姿も見当たらなかった。彼はもう引っ越ししてしまったのかもしれない。]
新しい家を探さないと困っちゃいますしね…
最悪、姉さんの家にしばらく厄介になるのでもいいかな、とは思ってたんですが、あまり迷惑をかけるのも…
[姉は優しいが、いつまでもその優しさに甘えているわけにもいかなかった。
蓮人に実家に帰らないのか、と聞かれ少し決まりの悪そうな表情をして]
その……実家は、海外にあるんです…
だから帰ろうにも帰れなくて……
[せっかく勉強して受かった大学。捨ててまで実家に帰ろうとは思わなかった。]
遠い所……ですか。
はは、何だか会うのが難しくなってしまいそうですね。
[軽く、遊びに行くような口調でそう言った。また会いにいける、そう思いたかったから。]
そっか、最後か…。
[どうあがいてもその時は来るのだろう。]
そうだねー、ひどいね。
でも、折角だから食べよう?
これで、舞の料理食べられるの最後かもしれないんだからさ。
[そしていただきます。と食べ始める。
おいしい、と言葉を漏らすと同時に涙が一筋ほおを伝った。]
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