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そう、ですか…
[翔太の引越しを聞けば短くそう答えて
どうしようもない事とはいえ、やはり寂しさが残る
真子やルカの声が聞こえてくるとそちらに顔を向けて]
真子さんにルカさん。こんばんは
私は御飯を買いに出たんですけど、星が綺麗だったからちょっと
焼き芋かー。良いですね
お腹すいてきちゃった
[焼き芋の話にはそう答え、お腹を軽くおさえる]
あら真子ちゃん、夜勤?
看護師さんは大変ね、尊敬しちゃうわ。
[元気ない、と言う彼女に残り少なくなってきた缶チューハイを振って、からりと笑う。
まるで、女子会。
いつの間にか集まったメンバーを見て、自分の実質の性別を棚に上げつつ(ルカのも!)ふと、思った。
静かに居なくなろうと思っていたような。
気のせいだったかな。
麻耶に投げかけた言葉は、ルカにも聞こえていたらしい。
慌てたような反応に「一個となりよ。」と繰り返した。
そうだ、新居祝いに誘うんだ。]
ー現在・夜ー
でけたーおはぎー
[てれれれってれーと一人で効果音をつけて、満足げに笑う。
炊飯器と電子レンジ程度しかない台所で、自分の作れるものというと、自分の好物くらいしか出てこず、]
なんでおはぎやねん、って感じやけど
[思わず一人呟いた。
タッパーに入れて黄粉にまぶしたそれを手に、スニーカーをつっかけて外に出る。]
しょーたさーん、だれかーおはぎたべよ
[リズミカルにそう声を張って、隣人の部屋こ前へ。
僕これくらいしか作れへん、とでも言おうかなんて考えながら。
彼が既に部屋を去っているとは露知らず。]
そうそ、飲み会。
アタシのお家に招待しちゃうから、楽しみにしてなさい!
[おでこをぐいぐい、押されるがまま。
少し首で抵抗しつつ、ご招待。
麻耶の返事、表情には、少しばかり寂しさを思い出した。]
麻耶ちゃん、余りで良ければチャンプルー持ってく?
日本酒とか泡盛とかには良いんだろうけどね…どうもチューハイには合わなくて。
[ご飯を買いに出たという麻耶に、提案してみた。]
ふふ、色々経験してるからね。
[其処で、ぽん、とルカの肩に手を置いた。
顔を寄せて、
「がんばりなさいよ」
と、囁く。
意図は、察してくれるだろう。
ついさっき、今日の朝の話なのだから。
缶を、空けた。]
いいんですか?助かります
[翔太からチャンプルーのお誘いを聞けば嬉しそうに頷く]
いつも面倒でつい、コンビニやスーパーのお惣菜ですませちゃってるから、誰かの手料理なんて久しぶり
大事に食べますね
[麻耶に、近くにおいてあった旅行バックから小さなタッパーに詰めたチャンプルーを手渡す。
タッパーくらい、「今度」でいい。
そう言い添えて。
懐で携帯がふるえている。
迎えが近いようだ。]
そんな大それた仕事じゃないですよー。
[ルカとの会話で翔太も引越すと知って]
そうですか。
翔太さんも…。
お元気で…。
[みんながどんどん去って行く。
見送りぐらい、元気にと思うけれど実行できない。]
飲み会!
いいですねー。
また、みんなで集まりましょう。
[少し、楽しみが見えて笑顔になって]
んー、しょーたさんおらへんの?
[開いているから、てっきり部屋にいるのだと思ったが。
部屋の中は暗い。それに、妙に、]
しょーたさん?
[彼の部屋について詳しく知っているわけではないけれど、流石にこれは。
眉をひそめて首をかしげ、アパート入口の方へと向かった。]
[ルカの様子と、それに気が付いた真子を見て、唐突に麻耶の肩を抱いた。]
まーやちゃん!
そのチャンプルーの美味しい温め方耳打ちしてあげるから、ちょっとこっちこっち!
あ、ルカちゃんと真子ちゃんは「また今度」ね!
飲み会、誘うから。
[わざとらしくルカと真子を一緒くたにして、その場を離れようと。
翔太さん、振りが雑です。]
えっ、あっ、はい。
またですね。
楽しみにしてますからー。
[翔太の唐突な様子に困惑しながらも、また会えることを期待して笑顔で言葉を返した。]
あ、いや、えと。ゴホン。
ヤ、ヤキキキン。ご、ゴホン。ん。ん。
や、夜勤なんだ?真子は。
身体に気をつけなさいよー。
タバコ買ってくるわ〜
[手を振って、南荘を後にした...]
[麻耶にチャンプルーの温め方から作り方まではなしている。
お酒のせいで、舌が回っているようで。
…あと、とある理由で機嫌がいいこともある。
お節介焼きなのだ、このオネエ。]
…あ。
[癖で、自分の部屋の前まで戻ってしまった。
そこで、タッパーを持った蓮人とかち合う。
今週の始まりも、そうだった。
蓮人に、引っ越すこと、その引っ越し先が隣駅の近くということ。
飲み会を企画していることを付け足して話し。
「また今度」、と別れの挨拶を。
蓮人の手作りおはぎを摘まみ上げ、
軽トラの助手席に乗ってから暫く口に入れられなかったことは、また後のお話。**]
−夜・自室−
[翔太をはじめ南壮の住人が外で集まっている頃
自室でひとり 昨夜のように窓の外を見ていた
啓が引っ越した事を知った後 ...は泣きはしなかったものの
かなりのショックで それはルカにも伝わった事だろう
いくらか言葉を交わした後 番号を書いたメモを渡され
しっかり伝えなさい と言われたのなら
戸惑いながらお礼を言って ルカの部屋を出たと思う
そして今 窓の外を見てひとり 考えているのだ
伝えるだけでいい そう思った理由のひとつ
自分が明日引っ越し、離れるのだから とは言えなかった]
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