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>>361
…解る日なんて、来るのかしらね。
[ぽつりと呟く。…その恐怖が消えないことが罰なのかもしれないな、なんて思って自嘲した。]
――もうこれ以上、艦娘を沈めないように。
怖くても戦い続けることが―…生き残った私たちの責任だと思うわ。
[それでも、一度裏切った事実は消えない。
…失った者のことを思えば、これが正しい償い方なのかどうかは分からなかった]
PLACE:金剛の自室→埠頭
――――――暁の水平線の、その先にあるものを掴みたくて
[埠頭にて、立ち尽くす。夜の海は遠くに光る灯台の定期的な光以外には、闇しかない。空も、月も、星も、闇に浮かぶ泡沫でしかない。
夜風は冷える。
埠頭に吹き付ける風は、海への憧憬を拒んでいるようだ。
身じろぎすると、足元のコンクリートがジャリと鳴る。
水音さえもやかましいと感じる。
あの時、この場所で全てを祝福されているように感じた幸せな光景。今視えるのは、聞こえるのは、感じるのは、泣いているような。
海の姿。
月が細々とした一本の線を海に描く。星達も負けじと、弱々しいが、ぽたぽたと、必死に輝きを置いていく。
だけどそれら全ての光は跳ね返され、空を照らす。
海の中へ、光は届かない。海の底に、光は届かない。]
[―――今。
姉さんがいるのは、あたたかい海だろうか。
夜中に隠れてお菓子を食べていたりしないだろうか。
姉さんは夜更かしして、窓から空を見上げているだろうか。
私には、分からない。もう、これからずっと。
生きて、姉さんの想いを繋げる私は、姉さんのいる場所をを覗き見ることも出来ない。もう小言を言うことは、絶対に、ない。]
…悔しいんだ。姉さんを守れなかったことが。
…悲しいんだ。姉さんを沈めてしまったことが。
―――私達が、この景色を覚えている限り、また逢える。
姉さん。私は、あの日の景色を、しかと覚えています。
ですが、また、もう一度見ることが叶うでしょうか。
霧島には、分かりません…
あの日の貴方をもう一度、この眼に、収めたかった…
[埠頭の舳先から、下を覗きこんでみる。陸地と海中の、十数mの差。生者と死者の境界線。ここから飛び込めば、超えられる?]
…駄目、ですよね。
姉さんに怒られちゃいます。
[そう言って、海を背に、鎮守府を眺める。]
あの時、私は―――
[今私のいる辺りに姉さんが居て、海を見てた。
そう、ドックから続くあの道を歩いていて、悩んでた。
ここまで、一直線に歩いて、私は助けを求めてた。
ここで、隣に立った。愛を、確かめた。]
姉さんは、あの時、ここに居た。
私を待っててくれたのかも、しれないですね。
[そんなわけ、あるはずがない。ただ思い立ったからに決まっている。そういう、人なんだから。そういう、人"だった"んだから。
今の私を想定して、ここにいた。なんて、ロマンチックが過ぎる。
こんなにも暗い空を、塗りつぶす程に綺麗なあの日の想い出。]
…私は、後悔してません。
姉さんの味わった苦しみも、悲しみも、背負わなくちゃいけない。
姉さんは、一度沈んだんだ。その死ぬ心地を味わったんだ。今の私なんかより、自分の死んだ後の事を想って、ずっと辛かったはずなんだ。強くて綺麗な姉さんに、胸をはっていられるように。
この位で、負けちゃ駄目。
[それが、今の霧島を動かしている、気持ち。
どうにかして拠り所が欲しかった。頼れる場所を作りたかった。
姉さんが、大切な居場所、だった。
だけど、それは喪われた―――――私は、独り。]
負けちゃ…駄目…ですよね?
PLACE:埠頭→鎮守府
―――――――いつも、どこにでもいた。
[提督へ会いに行く道すがら、鎮守府の各施設を回る。一先ずの復旧は済んだ。非常事態に対応できるほどにはなったから、皆には休息を取らせている。
だから、鎮まり帰った鎮守府に、記憶の声が木霊する。
工廠で、自分の装備を点検している時。「霧島も装備だけは考えるべきネ」と、からかってきたこと。私は、それがちょっと悔しくて、ひたすら練習して、主砲のみでも直撃させる技術、心を身につけた。
――誰のお陰かなんて、決まってる。
入渠所で、いきなりくすぐられたり、胸を触られたり、恥ずかしい想い出。「スキンシップデース♪」とか言いながら。私は怒ってたのは確かだけど、照れもあった。たしか、周りの駆逐艦達が興味深そうに見てたのを追い払ったっけ。
――日々の癒やしは、ここに。
食堂で、ご飯を食べた。間宮さんには気づかれてた。それを気づかないふりをして、あくまで私は私のまま。姉さんには、強がってたように見えたかもしれない。「一緒に食べましょうネー」と、くすくすと笑ってた姿が、遠い昔のよう。
――二人なら、何でも美味しかった。]
[作戦会議所で、艦隊の編成を決めた。司令と一緒に、中破したまま「私は大丈夫デース!」と出撃しようと駄々をこねる姉さんを説得した。無茶は禁物っていつも言っていたのだけれど。
――結局、無茶しちゃったんですね。
――いえ、姉さんらしいです。
出撃ドックで、海域に出る前の最後の確認をした。「Fire!」という砲撃の掛け声が耳に残っている。初雪や赤城を引き連れて、私が先頭を、姉さんが殿をする。いつも出撃を共にしたその編成を、逆にしていれば良かったのかと、悩む。あの頃は、どんな敵が出ても倒せるという気がしていた。姉さんと二人なら。
――どこまでも、行ける気がしていた。
色々巡って、思い出して。確認する。
もう、いないのだということを。私自身に分からせるために。]
PLACE:鎮守府→提督室前
―――――――――傷ついて、思い知った果てに
[今は、深夜。だけど、今じゃないと、どうにかなってしまいそうで。
じっとしていることができなくて。気がつけば、提督室に来ていた。
コンコン、コンと、一定のリズムでノックをする。
私が入る時の、取決めだ。]
/*
大切な人が亡くなったら、その人の周りを巡ったりしますよね…?
重くないです。そんな愛が重い女じゃない…はず。
…っと、眠気が…おやすみなさい**
>>344
・・・そういってくれると・・・照れますわ///。
[絶対に気にいるといわれて顔を赤らめ
再び青葉が顔を向ける
目を閉じて何かをねだっているようだ
青葉のそんな表情に頬を紅く染める]
・・・傷が治ったら・・・といったはずでしょうに・・・、
仕方ありませんわ、今はこれだけで勘弁してくださいな。
[はやる気持ちはこちらも同じ
空いているほうの腕を青葉の頭に回して顔を引き寄せて]
んんー・・・。ちゅーん・・・❤
[そうやって青葉と深く深く唇を合わせた]
/*
もう一撃
今日も夜中心になりますので。
鎮守府の復興に一段落がついたところで
霧島さんとは青葉さんの処遇関係で少しお話ができればいいと思っていますが・・・忙しそうなら無理にとはいいませんけれども。
青葉さんとは霧島さんとお話した後の時系列でエンドロールまわしたいです。**
/*
おはようの一撃です。
エンディングの文章考えてたら割とBadEndぽくて動揺しました(
>>-767
する人、いると思いますよ**
─鎮守府襲撃から幾月か経った頃─
[朝日で煌めく海が一望出来る場所に作られた小さなお墓。初雪が提督にお願いしてここに建立してもらった。]
おはよう、"綾波"。
[そこで一呼吸。]
私以外の生き残った人たちも、沢山…重いものを背負う…。
私…それが辛かった。綾波も…いなくなったし…
ようやく、背負えるようになった。
…がんばる。から。見てて。
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