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>>316 >>317
は、ははは…そうだ、そうなるんですよ……
[傷ついた妹たちを見て、ただ笑う。目には涙が浮かんだまま―――どうして、と]
分かったでしょう?私に…絶望の住民に近づいたらこうなるんですよ
だから……もう、こないで、ください…!
[その言葉のおかしさに、私は気づきません。全員を沈めるのが目的のはずなのに、絶望を恐れない彼女たちに恐怖と羨望を感じてしまって、後ずさってしまいます]
わたしは、レギオン…!
[それは呪詛のように、或いは暗示のように。何度も繰り返し口の中で唱えられます。…その指針を失ってしまえば、私は、自らの絶望に負けてしまった、情けない姉になってしまいそうで。――どうして、と]
……いまさら、遅いんですよ、私は、私は…!!
[どうして、その手を、掴もうとするのだろう、と。どうして、妹たちが、傷ついているのだろうか、と。そんな言葉が頭の中で響き続けて――]
……
[私は、止めとなる魚雷発射管を彼女たちに向けながら、撃てずにいました…ただ、指に力をかけるだけなのに…]
[敵の意図を察して、対策を考える]
包囲されたら一溜まりもない。
でも、散開したのは好機ね。
各個撃破してあげるわ!
[狙いを右に迂回しようとする駆逐に定める。
それを選んだ理由は単純だった。
雷巡より駆逐艦の方が弱そうだったから。
進路を変えた叢雲に反応して、敵の進路も変わる]
― 戦闘経過・弐 ―
┌────────────────────┐
│ │甲:雷巡
│ │乙:駆逐
│ / | \ │丙:駆逐
│ | \ \ │
│ | 乙 \ │
│ 甲 丙 │
│ │
│ │
│ │
│ │
│ │
│ 叢 │
│ / │
│ / │
│ │
│ │
│ │叢:叢雲
└────────────────────┘
[目標との距離は、どんどん近くなる。
主砲の12.7cm連装砲を操作して、敵に向ける]
照準……よく狙いなさい。
[訓練で習ったことを思い出す。
高速機動中の射撃は、そうそう当たらない。
命中させるコツは、よく引きつけて、敵の動きを読む]
…………。
[――でも、引きつけている間に、敵が発砲してきたら?
ほら、あの敵の砲口がこちらへ――]
ってー!!
[慌てて撃った砲弾は、敵にかすりもせず後方へ飛んで行く]
早すぎたっ!?
[叢雲の発砲が合図になったのか、敵も応射してくる]
くっ!
[敵も慌てていたのか、その砲撃は避けるまでもない。
しかし、実弾が周囲の海面に着弾する様を初めて経験した叢雲は、恐怖を感じた]
(皆は、こんなことをずっとやってきていたの!?)
[第一線で戦っている仲間に対して心の底からの畏怖と尊敬の念を感じた。
次に浮かんできたのは、そんなことも知らなかった自分への羞恥と自責の念。
そして、最後に浮かんできたのは、怒り]
こんのぉおお!
お前らが居るから、こんな怖い思いをするんだ!
お前らが居るから、こんな惨めな思いをするんだ!
お前らが居るからぁあああああ!!
[怒りに任せて、主砲を打ち続ける]
― 戦闘経過・参 ―
┌────────────────────┐
│ │甲:雷巡
│ │乙:駆逐
│ │丙:駆逐
│ │
│ \ │
│ \ \ \ │
│ \ 乙 | │
│ \ 丙 │
│ 甲 │
│ 叢 │
│ / │
│ / │
│ │
│ │
│ │
│ │
│ │叢:叢雲
└────────────────────┘
>>=254霧島先輩
…どもです。
先輩は不器用なのですね。
[霧島がちゃんこまで着込んでいたのを確認すると、初雪は二重に驚いた。これがギャップ萌えというヤツか。]
先輩も北方海域に行けば、寒さに強くなれますよ。
…私は慣れませんでしたが。
[霧島の分もみかんを剥いてあげて言う。
煩わしそうに鼻を啜って次々とみかんをもくもくと食べる。]
アルフォンシーノ海域はいかがですか?
空母が多いですし、先輩の三式弾が大きな力となるでしょう。
[敵駆逐艦と撃ち合っている間に、距離はさらに近づいていく]
このっ! このっ!
[怒りに任せた乱射では、敵を捉えることができない。
さらに、距離か近づいたことで敵の射撃も正確になってきて、回避運動にも気を抜けなくなってきていた]
ちぃっ!
[直撃コースと思われる砲弾を、細かく進路を変えて回避する]
このままじゃ埒が明かない!
[こうする間にも、別方向からも敵が迫っている]
だったら、接近戦で片を付ける!
[眼前の敵に向かって突っ込んでいった]
― 戦闘経過・肆 ―
┌────────────────────┐
│ │甲:雷巡
│ │乙:駆逐
│ │丙:駆逐
│ │
│ │
│ │
│ \ │
│ 乙 | │
│ \ 丙 │
│ \ ―叢 │
│ 甲 │
│ │
│ │
│ │
│ │
│ │
│ │叢:叢雲
└────────────────────┘
>>308>>309
[再び浮かび上がった球磨は焦らすように、主砲を撃たずに多摩の言葉に答えていく。それは多摩を撃つことを拒否している様でもあり、多摩の心を折ろうとしているとも、どちらでもある感情だった]
『……球磨がもしフェイク・ルーザーなんて名前が無くても同じことだクマ』
『球磨は提督や鎮守府の事、木曾ちゃんも北上ちゃんも大井ちゃんも大嫌いだし、沈めたいって思ってるのは変わらないんだクマ?』
[何が悪いのかと言われれば、深海棲艦の顔で嘲笑を浮かべる]
『多摩ちゃんが悪いに決まってるクマ。いくら球磨が多摩ちゃんの事を沈めたくないと思ってたって……球磨は艦娘の敵である事は変わりないんだクマ。球磨が皆を沈めようとするのは深海棲艦だから当たり前だクマ。提督のせいで沈んだんだから、球磨は悪くない……そんな奴を助けようとする多摩ちゃんが悪いんだクマ』
[自分の事を助けようとするのは間違いなく悪だと断言する。それを言ってから、自分の姉にそんな事をさせているのを苦しく思った]
>>320
『…球磨は、球磨だクマ。深海棲艦で鎮守府の皆が大嫌いで、それでも多摩ちゃんにだけは球磨の優しくてかっこいいお姉ちゃんでいて欲しいって勝手に願ってる我儘な軽巡だクマ』
[今ここにいるのは深海棲艦でありまぎれもなく球磨であるのは間違いない。だがそれでも、その球磨が鎮守府を恨んでいるのは間違いない事実だ]
『球磨を、撃たないのかクマ?』
『だったら本当に……本当に本当に本当に多摩ちゃんの事沈めちゃうクマ!?』
[今こうしてみているだけでも、深海棲艦としての本能的に多摩を沈めようとしてしまうのを必死に抵抗する。引き金には手がかかった。ゆっくり近づいてくる多摩から少し横にずれる様に、主砲を撃つ。直撃はしないが、威力の上がった主砲はわずかに触れるだけでもダメージはあるかもしれない]
[敵は目の前に迫っていた。
だが、左の駆逐艦からも砲撃が始まっている。
もたもたしている時間はない]
おとなしく!
[主砲を乱射して敵の進路を限定させて]
これでも、喰らいなさい!
[左腕に装備されている61cm三連装魚雷を発射した。
三条の水の筋が、敵に向かって進んでいく。
一発目――敵の後方を抜けていき、ハズレ
二発目――敵の回避運動により、ハズレ
そして、三発目――二発目の回避運動によってバランスを崩していた敵に、直撃する。
直撃した魚雷は爆発し、敵を深海へと還した]
― 戦闘経過・伍 ―
┌────────────────────┐
│ │甲:雷巡
│ │乙:駆逐
│ │丙:駆逐[×]
│ │
│ │
│ │
│ │
│ \ │
│ 乙 × │
│ 叢 │
│ ――甲 │
│ │
│ │
│ │
│ │
│ │
│ │叢:叢雲
└────────────────────┘
[深海棲艦に仲間意識があるのかは分からない。
ただ、目の前で仲間を撃沈させられたその駆逐艦は、猛然と叢雲へ肉薄してきた]
なんなの!?
[この距離では誘爆の危険があって魚雷は使えない。
それどころか主砲の砲撃ですら、自身を傷つけるだろう]
まさか、特攻!?
[心のどこかに眠る忌まわしい単語が浮かんでくる。
――この駆逐艦は仲間を沈められた恨みから敵を道連れに沈もうとしているのか]
――違うっ!
[浮かんだ考えを認めることができず、叫んで頭を振る。
戦場でそんなことをすれば、大きな隙をさらすことになる。
敵もそんな隙を見逃すはずも無く、発砲してきた]
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