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猫かし屋が育った町は小さな小さな町でした。
村の若い人達はこぞって大きな街に出て、町には老人ばかりが残りました。
猫かし屋は、小さいながらも自分に起きたことをなんとなく理解していました。
猫かし屋は母親の気持ちがわからず、父親の気持ちも分かりませんでした。
だけど、両親が自分に意味を見出さなかった事だけは、なんとなく理解していました。
町を老夫婦が仲良く歩いていきます。
おばあさん達が広場で楽しそうにおしゃべりしています。
父親と母親も、仲むつまじく過ごしていました。
お疲れさまだよ。
ううん、アミルさんには、二日目の時点で振られちゃってたと思ってたよ。
メリルさんが、ボクたちに嘘を言うわけないもの。
ただ、想いを完全に断ち切れたわけではなかったのかな。とは少し、かなぁ
猫かし屋は、その町に必要のない子でした。
いてもいなくても、何も変わらないのです。
猫かし屋の周りにはいつだってたくさんの猫がいましたが、自分は猫ではない事も理解していました。
猫かし屋は思いました。
寂しいなぁ。
寂しい、が分かった猫かし屋は、物心ついた時から一緒にいる猫たちを使って、寂しいを消せないかと考えました。
猫を通して、人の笑顔を見るのは楽しいことだと思っていましたし、それに例え、根っこから消せなくても、猫がいなければもっと寂しいことも、猫かし屋には分かっていたからです。
そして、それを確信に変える出来事がありました。
猫かし屋が猫かし屋になった後。
猫かし屋は毎日のように、その町を回っていました。
ある日の事です。その日もいつものように、猫かし屋はのんびりと声をあげています。
「猫、かしましょー。
大人しい猫、かしましょー。」
小さい体に大きな袋を背負って、猫かし屋は小さな町をのんびりと歩いています。
しかし、猫かし屋の呼び声に答える人はいません。
少し掠れ始めた猫かし屋の声が、寂しく路地裏に響いていきました。
「最近は、なんだか借りてくれる人が少なくなったような気がするね。
ここには、いつも猫を借りてくれる優しいおばあさんが住んでいるはずなんだけど…」
猫かし屋は、その家の窓に向かっていいました。
「猫、かしましょー。
大人しい猫、かしましょー。」
だけど、返事はありません。
「今日は留守なのかな?
少し寂しいね。もう少し歩いたら、休憩にしようか」
猫かし屋は猫達にそういうと、また歩き始めました。
広場にたどり着くと、猫かし屋は袋を置きました。
袋の中からはたくさんの猫が飛び出て毛づくろいをしたり、欠伸をしたり、思い思いにくつろぎ始めました。
猫かし屋は猫たちにビスケットをあげると、自分も一枚おいしそうに、齧りました。
ははは、そらええわ
もっと女磨いて、ふったこと後悔させたるからなぁ
[冗談めかしてくすくすと笑って]
……MP、削ってしもたならすまんなぁ
誠意で返してもろて、嬉しかったわ
「誰も借りてくれないね。
でも今日はまだまだあるからね」
そんな事を言っていると、一人のおじいさんが歩いてきました。
「やぁ、こんにちは。
猫を貸してもらえるかい?」
猫かし屋は、おじいさんに笑顔を向けていいました。
「はい、もちろんです。
どんな子がいいですか?」
おじいさんは、大人しい子猫を一匹借りていきました。
猫かし屋はまた、歩き始めながら猫たちに言いました。
「借りてくれる人がいてよかったね。
今日はあのおじいさんだけかも知れないけど、あのおじいさんが笑顔になってくれるといいね」
結局、その日のお客さんはおじいさんだけでした。
そして、それから1日経って。2日経って。
お客さんは誰もやってきません。
猫かし屋も猫達もおなかをすかせながら、歩き続けました。
「猫、かしましょー。
大人しい猫。
猫、かしましょー」
そんな猫かし屋の元に隣街の青年が尋ねてきました。
その青年は自警団をやっていて、よくこの町にも見回りにきていました。
青年は、大人しい子猫を腕に抱えてこういいました。
「これは、キミの所の猫だろう?」
「はい…それは、3丁目のおじいさんに貸したはずなんですけど…」
「あぁ…そのおじいさんなんだけどね…今朝、亡くなったよ。老衰だそうだ。
この猫だけが家にいてね。きっとキミの所の猫だろうと思って、届けにきたんだ。」
「そう…でしたか…。すみません、ありがとうございます…」
そう言って、猫かし屋がまた客引きの声をあげながら歩き出そうとした時です。
青年は言いました。
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