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絶望した男 イェーリは、おまかせ を希望しました。
―自室―
[イェーリは問う]
例えばこの世界が滅びるとして、お前はその一日をどのように過ごす?
[イェーリは問う]
愛する人と過ごすか?
いつもと変わらない一日を過ごすか?
暴徒と化して、犯罪に手を染めるか?
最後までその滅びを回避しようとあがき続けるか?
大抵の者がポジティブな回答をするだろう。
ここぞとばかりに人を殺し、犯罪に手を染める、なんて言う奴は少数派だろう。
仮にネガティブな答えを提示したとしても、心の中では『まあ本当にそうなったら、普通に過ごして終わるけどね』と思っていたりするはずだ。
言い切れる。
心の中も数えれば、九割以上の者はポジティブな回答を持つ。
[そこで一旦、イェーリは区切りをおいて、煙草に火をつける]
しかし、実際に、本当に、世界が滅亡する状況におかれたら、その『ポジティブな回答』はどこまで守られるのだろうな?
[イェーリは紫煙を燻らせて、続ける]
いや、案外普通にポジティブな回答を守ることが出来るのかもしれないな。とも思う。
何か絶望的な事象が起こった場合において、人と言うのはそれを正確に把握できなくなる時がある。
正常性バイアスってやつだな。
まあこれを持って『ポジティブな回答』を守れた。
と言うのは、いささか甘い気がするね。
そいつはただただ、想像力と現実認識が甘いだけだ。
[イェーリは煙草を床に投げ捨てた。煙草の火は予め床にまかれていた油に引火して、部屋を燃やし始める。イェーリはしばらくその光景を眺めてから、足元の重々しい旅行カバンを持ち上げる]
さてと、行くとするか。
[イェーリの去った部屋がごうごうと音を立てて燃える。机が、椅子が、衣装ケースが、パソコンが。
もう主が帰らぬことを知っているかのように、遠慮容赦なく炎が部屋を燃やし尽くす]
**
電波塔か・・・高いところから見る景色・・・。
楽しみだ・・・。
[高い塔の前で立ちふさがるイメージが先行しそうなものだが、そんな事はない、おそらく]
電波塔・・・、いかなる材質でどんな形をしているのだろう。
ああ、いってみたい・・・。
[むしろ聳え立つ電波塔がどんな気持ちで佇んでいるのか、興味が湧いてくる]
体が硬い ゴーレム は肩書きと名前を 集合場所の番人 ゴーレム に変更しました。
ホテルに温泉・・・。
マグマ風呂あるかなあ・・・。
[普通の温泉だと体に水が染み込んで溺れそう
でもマグマ風呂なら大丈夫、多分・・・
ホテルにそんな風呂があればうれしい
体が溶けそうになるくらい熱いものなら尚、嬉しい]
食事・・・。
どんなご馳走を出してくれるか、楽しみ・・・。
[旅行に行く時ぐらいは特別な料理が食べたい
たとえば、金箔入りの新鮮な岩の天ぷらがあればうれしい
ニンゲンにとって至って普通の食事も出されるかもしれないが、そんな特別なご馳走を期待したっていいじゃないか]
ああ、まだ来ないかなあ、バス・・・。
[まだまだツアーに対する妄想を続ける、誰かがここに来るまで**]
定員に達しなかったため、村の更新日時が24時間延長されました。
4人目、グレイヘアー テレンス がやってきました。
グレイヘアー テレンスは、おまかせ を希望しました。
[テレンスは問う]
昼飯は何にしようか?
[テレンスは問う]
蕎麦がいいか?
うどんがいいか?
いや丼物にしようか?
[テレンスは答えを出した]
よし焼き魚定食にしよう。
―どこかのカフェテラス―
[雲一つ無い、快晴の青空を振り仰ぎ、呟く]
今日も相変わらず灰色だな……。
汚い色だ。
[いつからそう感じるようになったのか。全てが無味乾燥に映る]
……。
[不意に風がイェーリの頬を撫でた。普通ならば心地よい風、と表現できるようなものだった。だがイェーリは風に対して迷惑そうに呟く]
黙れよ。
[そう呟く]
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