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>>72銀
[ただ、この人は馬鹿みたいに眉を顰めているばっかりだった。君の質問の意図など、ちっとも理解できないようだった。君の溜息に、目を細めて、僅かに唇を開く。何か自分は、大きな失敗をしたのではないかと思った。
──けれど、その失敗が何か、ちっとも理解できなかったようで。]
なぜ。
>>74 塵
[聖痕は、自分と弟が「同じ種類」である証拠だと思っていた。それは違ったけれど、二人が兄弟であることに、なんら関わりを持たない。]
兄弟揃ってわがままなんだよ、諦めろ。血筋なんだから、直らねぇよ。
…ん?
[呼ばれれば、たった一日聞かなかっただけなのに、懐かしく感じて。]
…お前も、待っててくれたんだよな。痛みこらえて。サンキューな。遅くなってわりぃ。
わぁってるよ。にしたって、お前が言うことじゃねえって。
[怪我のひどさに、胸をつまらせながら。あとは傍にいるリネアに任せようと、離れたんだろう。]
>>65 糸
[あなたの顔へとありありと浮かんだ表情にやっぱり苦笑した。
理解されないのは分かっているから、別に怒ることでもない。]
リネアを誘わなかったのは正解みたい。
――あ、お爺様の黒兎は寄宿塔の僕のベッドにあるから、
お爺様の魔術研究するなら持ってても良いと思うよ。
あと一緒に置いてる小箱もリネアに上げる。
折角作ったのに、日傘あんまり使えなくってごめんね。
[小箱は動物の立体映像が出てくる良くできた玩具だ。
参考になるんじゃないかと、素直にそう思っただけだ。]
>>76 日
なんで。怒ってんのかやっぱり。
[二日目の話である。わずかに下を向いて目線をはずし、視線だけをむけて顔色をうかがうように。]
…なんで、そうなるんだよ。
ヘールもリネアもいるからって、なんでお前がどっかいくんだよ。
違うだろ。みんなこっちにいるから。お前もこっちに来るはずだろ。
[今までそうだっただろう、と。]
>>73光
[君に向ける表情にも、困惑が大きく含まれていた。
なぜ、俺だけが焦っているのか。なぜ、君は落ち着いているのか。
深く困惑していた。今までの"君"とは、あまりにも勝手が違うようで。]
ぼっちゃんの、御望みを。
[この人は、君にはあまりにも娯楽が少ないことは、昔の時分より知っていたから。それを根拠に、ただ、逃げのような言葉を慎重に返した。
……旦那様、と尋ねられれば、意の外にあったことを持ってこられた様子で、少々言葉に詰まってから、]
……旦那様がぼっちゃんを咎めると仰るのなら、説得申し上げます。
お許しが下り、旦那様がぼっちゃんが庇われれば、ぼっちゃんに言及はそう至らなくなるでしょう。
>>77糸
[そうして。目の前でしゃくりをあげる少女もまた。愛おしい程に、昔と変わらぬ彼女であって。ぼろ、とこぼれる涙をぎこちない指の動きで、拭って。]
…うん…。でも、裏切 り もん、 だ、よ?
来たり、し 者。だよ。ろく、な…もん、じゃ な い。
[自分で言って苦笑した。]
ごめん、ごめ ん て。泣かな…ぃ、で。
[青い水面から零れ落ちる涙をとめる方法が思いつかない。右手の親指の腹で、あなたの眦を撫でるように涙を拭っても、次から次に真珠のような粒が零れ落ちてくる。
その雫さえ。綺麗だ。美しいと思う。この頬の白く薄い皮の向こうで流れる血潮が。あなたが生きているということが、愛おしい。ああ、やっぱり俺は異常だな。と思いながら。]
>>78鉄(>>75鳥)
[問いかけにしばし黙ったままだ。けれど、あなたがまた何か口を開く、あるいは一歩を踏み出すその前に、少年は片手を少し、持ち上げた。重い動きだ。何しろ怪我だらけで体力は相当に削られている。
だから、その手から描かれて広がった【共鳴】などほんのわずかで、あなたに不快感も頭痛も振動も何ももたらさず、体内に潜り込んだ因子を目覚めさせるには足りない。
ただ、言葉を届けるためだけのもの。]
戻って、それでなに? またあのぬいぐるみに、ぼくはなるの。
[赤い瞳で、あなたをきつく見つめている。【共鳴】を広げて、支える手が、少し震えた。]
>>72 銀
[力がこもった手を上から撫でた。手繋ぐ?みたいに。]
――いっぱいがんばれば叶うねきっと。[今まさに叶わなかった結末だけど。]
……ちいちゃいのになっちゃうかも。
[許してね、みたいに悪戯気に笑ったこの人は、あなたの言葉が願望になった意味を理解してるんだろうか。それとも、できると確信してるのか。]
>>75 鳥
だよね、してもしょうがないし。聖痕にそんな力あるわけないし。
[肩をそう竦めてた。]
んっと、なら……イッちゃってる?[使い慣れない言葉を探して時間がかかってた]
それでやめるなら最初っからしてないしね。
んー……この場で暴れても僕が勝つと思うよ?
でもサラ先生もヘールも死ぬだろうしね。
【地下室】
[地下室に飛び込んできた気配に反応して上げられた青年の顔は、憔悴の色をやわく浮かべている。
この場所にも伝わる音声のお陰で、事の顛末は分かっていた。助けが来た、と思えばそうなのだが。]
[数日振りに見ただろう顔にも、数日を同じ場所で過ごしただろう顔にも、青年は何も声を掛ける事はできなかった。
生来この青年は物事をすぐに割り切れないたちであったし、口が器用な訳でもなかったし、何よりここにいて何も出来なかった自分が後ろめたくてならなかった。自らが声を掛けに行く理由がどこにあろうか。
ことが終わったのならばそれで良い。再会を邪魔することもない。後ろ暗さから半ば逃げるように、あるいはあの深い緑の中に帰るべく、静かに扉へ向かう。]
>>80光
[貴方はそんな言葉を続けて、傍らの二人までもどこか平然としているように感じられたものだから、どうにも怒りすら抜けてしまって。]
……それでも、目的で、失敗、したんでしょ。
どうしてそんな風に、 [――まるでこれが世間話の一つのように――] して、いられるの?
[無理解の後に浮かんだ表情は単純な困惑だった。]
>>81鳥
怒ってはないよ。ちょっと根に持ってるけど。嘘だけど。
[すらすらっと、恨み言を言ってそれを否定して。舌を出す。]
うーん……優先順位の問題、かな。
ヴァルにー達のことは好きだよ。だけど、「一番好き」じゃないの。
そんでもって、ヴァルにー達の「一番」も、あたしじゃないよね?
だからあたしは、あたしを「一番」に思ってくれて、あたしの「一番」でもある人達の方を選ぶ。その人達の願いを叶えることを選ぶ。
そういうこと。
……ばーちゃんを置いてくのが、ちょこっと、心残りかなってとこは。あるけど。
[もしかしたら。ただの自惚れかもしれないが。彼女だけは、「一番」に――あるいは、そこにほど近い場所に。自分を置いていてくれたかもしれないからと。ぽつりと呟いた。]
>>86 光
ねぇよな。そらねぇわ。
[某14歳ぐらいの子供がたびたびかかる病を思い出しながら。うなづく。]
てめぇぶっ飛ばされてぇのか。[コンマ数秒で返答した。]
……。なら、そうすればいいじゃねぇか。
星を降らせたいってのも、嘘なのか?
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