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駄目です、ギムレットさん!
そっちはもう感染が広がってる……!
[研究員の一人が、制止を振り切って駆けだした。
あの転送装置を起動するのだと、そう言い残して。]
駄目ッ!! 戻ってきて!!
ギムレットさん!!
ギムレットさ……
[その時。
北部区画から帰ってきた研究員から告げられたのは。]
ワクチンが、一つも残っていない?
そんなバカな……… あんなにあったのに!
[一つも残らず消えた、大量のワクチン。
……そして、彼女達は一つの結論に辿りつく。
誰かが、全てのワクチンを持ち去ったのだ。]
一体誰が……
!
[辺りを見回して、気が付いた。
……そうだ。クリノス副所長がいない。]
みんな、援護ありがとう。
[援護のおかげでアーネストのバイクの元へたどりつく事が出来た。
バイクを起こし、燃料も充分である事を確認して、エンジンをかける。
うまくかかってくれればいいが・・・。]
姐様。
私に力を貸して、
[祈るような気持ちで]
かかった!
[エンジン音を立てて今でも走り出しそうな勢いである。
そしてデバイスからコードを伸ばしエンジン部分につけて、こちらのエネルギーも補給するつもりだ。
しばらくはバイクに乗ったままになるがこちらにはやる事がある。]
[女は走り出す。
……予感は的中していた。そこで目撃したのは。]
[地上行きのエレベーターに乗り込む、副所長とその助手数人。
そして、時折此処に出入りしていた大手製薬会社……
……ルピナス社の幹部の姿。]
ッ !!
[急いで駆け寄るも、無情にも目前で扉は閉まる。
エレベーターは1階へと上り。そのまま操作不能となった。]
ぐ、うあっ…。
[あの場から逃げ出してから、頭を押さえて歩いていた。逃げる際に放たれたミサイル弾による怪我は見当たらないが苦しそうに呻きながら歩く。]
ねが…い…?ルーチェ君…?
[時々、頭の中で音が鳴っているような感覚がして、同じ音を繰り返す。]
うぐ…ぐ……。
[しかし直ぐに頭を押さえて言うのを止めてしまう。この行動を繰り返しながら彼女自身も目的が分からないまま歩いて進んで行く。]
[ヴァルターに手を引っ張られて私は洋館の廊下を走った。
そして、部屋を出て間もなくの事だった。
あれは何――?
私達を襲ったあれの姿を思い出してぶるりと身体を震わせる。
今まで見てきた化け物とまた違った姿をしていた。
ヴァレリーさんが何体なぎ倒しても、そいつ等は私達を追いかけ続けて、
それでヴァレリーさんが、私を、庇ってー。
視界が赤い。真っ赤な手のひらで顔を覆っているから。
手が触れている頬もまた赤い血で濡れている。
手にも顔にも服にも、ヴァレリーさんの血が・・・。]
[バイクに乗った瞬間、アロールの通信が途切れ>>79]
アロール!アロール!
おい返事をしろ!
アローール!
[友人の声が聞こえてこない。
なにかあったのか、私はまたしても友人を失ってしまったのだろうか・・・。]
・・・。
[アーネストがもうすぐ回復するのを見守る。
私のエネルギーが全快ならまだしもこちらにはまだアーネストを倒せる決定的な方法はまだ思いつかない。
したがってやる事は一つしかない。]
魔術師 エーデルは、兵士 アロール を投票先に選びました。
兵士 アロールは、謎の女性 ジャスミン を投票先に選びました。
謎の女性 ジャスミンは、兵士 アロール を能力(襲う)の対象に選びました。
ー命と願いー
扉を叩く音が響き渡る。大きく繰り返す音はゾンビ達を招いてしまった。
階段に殺到する無数の足音。
ここはもう逃げ場は無い。]
わんわんわん(開いて!お願い開いてよ!)
わうんわんわん!(開け開け開け開け!)
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